メタボリックシンドロームの診断基準をクリアするには、ウエストを細くすればいいんでしょ⁉

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メタボリックシンドロームの基準は「高血圧」「糖尿病」「脂質異常」の内、二つ以上が基準値を超え、これに加えて腹囲(ウエスト)が男性で85センチ、女性で90センチ以上であることです(測定する部位は厳密に決められています)。

ということは、血圧が180で、空腹時血糖値が200で、コレステロールが280であっても、腹囲つまりウエストが細ければメタボリックシンドロームと診断されることは無いことになります。

厚生労働省がメタボリックシンドロームにを問題にすることで、マスメディアもそれにならって積極的に取り上げ、医療サイドも「はい、お薬を出しておきますね」という流れになっています。でも、これ絶対おかしいと思うんです。

そもそもメタボリックシンドロームだとどうなるか?

メタボリックシンドロームと生活習慣病

日本人の死因のベスト3に入る心臓病と脳卒中の二つの原因である動脈硬化が進むので改善しましょう、というのが本来の理由です。

この論法でいくと、動脈硬化さえ防げば良いのですし、高血圧・糖尿病・脂質異常はそれぞれ単独でも動脈硬化を引き起こすのですから、なんで内蔵脂肪の量を予測する「腹囲」が基準に入ってくるのか理解に苦しみます。

肥満だと高血圧にもなりますし、糖尿病にもなるというのは誰でも簡単にイメージできることです。脂質異常っていうのは中性脂肪が高いか、善玉コレステロールとされているHDLコレステロールが低い場合をメタボリックシンドロームの基準としていますけど、賛否両論であり結論はついていません。

メタボリックシンドロームが騒がれた原因

厚生労働省が2008年から特定健診制度というのを開始するに当たって、糖尿病対策としてメタボリックシンドロームの考え方を入れ込んで進められたものなんです。さらにこの特定健診制度は義務化されているだけでなく、メタボと診断された人に対して特定保健指導を行うことも追加して義務づけられているんでね。

これじゃ、医師と役人と製薬会社が共謀して、利権を得ようとしていると思われても仕方がないのです。

メタボリックシンドロームにならないコツ

医療を取り巻く陰謀論をさかんに主張しているグループも多く見受けられますが、私は決して陰謀論者でもありませんし、医療に携わっていることによって生活が成り立っているんで、あまり厚生労働省に逆らいたくはないのですが、このメタボ基準だけは単純に従いたく無いのです。

メタボリックシンドロームの体型

メタボに入らないコツとして、高血圧や糖尿病を改善するのは多大な苦労が必要とされますし、脂質異常なんて自覚症状は全くないので自分でコントロールすることは困難です。メタボと言われないためには単に腹囲を減らせば良いんです!

メタボ基準をクリアする為に、腹囲・ウエストを減らす目安は

ダイエットを希望する人はお腹の余分な脂肪を一番気にしています。オシャレの為にお腹を引っ込めたいのです。オシャレの為でも良いのでお腹を引っ込めればメタボの基準からは外れますので、腹筋でも良いでしょうし、食事制限でもいいですし、とにかくお腹を凹ませましょう(脂肪吸引は死亡する危険がありますので避けましょう)。

この腹囲、ウエストを減らす目標は先ずは身長の半分以下、と覚えてください。身長171センチの私だったら、85.5センチ⋯これはメタボの基準に当てはまりますが、とにかくこれで良いのです。身長193センチのWWEのランディ・オートンでしたら96.5センチです(これ判る人、多分1%以下)。

このウエストさえ凹ませればメタボリックシンドロームの診断基準をクリアできることに対して猛反発してくる内科系の医師へ

えーっと、多分こんなこと書いて私を攻撃してくる内科系の医師の皆様、アメリカでもヨーロッパでもメタボリックシンドロームに対する判断って決着してないのではないでしょうか?

内臓脂肪を厳密に測定するにはCTを使わないといけないですよね⋯でも、その場合、医療被爆の問題はどうしましょう?私の勉強不足でしたら、ご指摘ください。

なんで私が腹囲・ウエストを身長の半分が目安なんていっているかは、国際糖尿病連合の世界糖尿病会議でスリランカの人が「糖尿病のリスクを見分けるにはウエストと身長の比が一番関連性があり、糖尿病予備軍のリスクとも関連があった」って発表していたので、非常に判りやすい基準だと考えたからです。この方法だと糖尿病も防げるし、もちろんメタボの第一条件であるウエスト問題も回避できます。

結論:ウエストさえへこませれば怖くない!ということです。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

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