APPS化粧品の美容成分は美白効果があるのか、ところでAPPSって何?

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皮膚科や美容皮膚科を診療していると患者さんに必ず聞かれる質問が「化粧水はどこの何を使えば良いですか?」「美容液にビタミンCとヒアルロン酸が入っているんですが使用していいですか?」という家庭でできるスキンケアです。

肌荒れに悩む方にとっては重要なことなんでしょうけど、「ぜひこれを使ってください!」と言い切れる商品が無いのでついつい「今まで使っているもので大丈夫ですよ」と答えると患者さんは明らかに失望しつつ、軽蔑のまなざしを医師に向ける傾向があります。

APPSが入っている美白化粧品がドクターズコスメには多いけど

化粧品に配合されているAPPSとは

患者さんにとっては通院してスキンケアをする方が安上がりだし、面倒ではないのは理解できますが、化粧品に過大な期待をされても困るんです。最近APPSという成分を含んだ化粧品が出回っていますので、それについて解説します。

APPSは強力なビタミンCと考えてください

パルミチン酸アスコルビン酸3Naを原料とした成分を含む化粧品のことをAPPS (Ascorbyl 2-phosphate 6-palmitate Stabie Hydrophobic) と化粧品業界では呼んでいます。アスコルビン酸ってのは栄養素であるビタミンCを意味すると考えてください。ビタミンCは美白効果があるとされ医薬品としても処方されます。

食品などでは酸化防止剤として使用されていますね。でもパルミチン酸ってあんまり聞いたことないのではないでしょうか?飽和脂肪酸の一つで化粧品では植物性油脂として使用されています。この両者をあわせたものがAPPSなんですが、これじゃ全然意味わかんないですからバラして考えてみます。

水溶性ビタミンCの長所

・親水性分子なので水に溶けやすい
・皮膚の細胞と細胞の隙間に入ることができる

脂溶性ビタミンCの長所

・皮膚(上皮細胞)は親油性なので、脂溶性ビタミンCは皮膚になじみやすい。

・脂溶性なので水溶性より皮膚の真皮までしみ込む

APPS化粧品の目的とする効果は美白と老化防止

化粧品業界はいかに有効成分を必要な場所に安全に送り込むか、が重要課題となっています。簡単にいえばどうやれば皮膚にしみ込ませるか、と言うことですね。私たち医療機関ではイオン化させたり、皮膚の表面に細かい穴をあけて、有効成分を皮膚の奥深くまで浸透させることが可能ですが、家庭内のスキンケアではそれは無理ですので化粧品は医療機関に近いことを安全に行うことを目標としているのです。

いかに皮膚に有効成分をしみ込ませるか?いかに奥深く有効成分をしみこませるか?

APPSはこの両方の特性を持っていて、水溶性でもあり、脂溶性でもある点が優れていてるビタミンC(正確にはアスコルビン酸ですが)とお考えください。

つまり強力な美白成分がAPPSには期待されているのです。

■当院の女医が開発協力したものもあります

先日、ドクターズコスメと呼ばれるものについての説明をしました。別に医師が開発に関わっていなくても「ドクターズコスメ」ってつけようと思えば名前だけは付けられるという、ある意味納得のいかないことがまかり通っている場合もありますが、これは違います。

フラーレン入りのドクターズコスメGFローション

GFローションって名前です。これフラーレンも入っていますが、フラーレンについてのお話は次の機会にしますね。

本当は化粧品を患者さんに推薦するのは私的にはやりたくなかったのです。自分で満足いく成分が十分に入っているものって案外少ないですし、万が一肌に合わなかった場合を考えてしまうと消極的になってしまいます。

そんな私にイライラしていた当院の美容皮膚科担当の女医が吟味に吟味を重ねて開発したAPPS入りの化粧品ができました。クリニックでものを販売するのって抵抗あるので、開発に協力はしましたが販売は他の会社に任せています。

これなら成分も十分納得いくし、特徴も理解しているので患者さんに自信をもって薦められますが、クリニック内で販売するのはまだ抵抗がありますので、上記のリンク先よりお求めくださいませ。

サプリとか健康グッズを販売しているクリニック、あと酷いのはインフルエンザが流行している時期にマスクを販売していたクリニックがあって私は驚愕しました。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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