手作り料理にハマったら、どっぷり健康ハロー効果にハマっている自分がいた。

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2020年は連休なのに自宅でお過ごしの方も多いですね(理由はあえて述べません)。外食も控えなさい的ムードというか要請が出ているために、食事を自宅で作っている家庭も増えています。その影響で、パンケーキミックスをはじめ小麦粉やお好み焼き粉が品薄になっています。

今回の記事は、普段料理しない方、特に男性は、自炊or家族に料理を振舞う際、健康ハロー効果の影響を受けがちかもしれないというお話です。健康ハロー効果とは?初めて聞いた方も多いかもしれませんが、当記事お読みいただければ、なるほど!と納得していただけると思います。

食事は自宅で手作りする方が増えていますが、落とし穴に注意❗

もともと料理は嫌いじゃない方だった私としては、ホームベーカリーのマシンをフル稼働させています。

家族とワイワイしながら手作りでパンを、ってどちらかというと「丁寧な生活」になってしまっています(私の立ち位置は「丁寧ね生活〜、だははっ」です)。

意識しないのに何故か買っちゃう小麦粉類はオーガニックだったりします(私の立ち位置は「オーガニックが健康に良い、だははっ、エビデンス無いじゃん」です)。

北海道の小麦粉たち

小麦粉不足報道前に当家でストックしてあった小麦粉類だよ。

なんとな〜く、健康に良さそうな手作りパンを作って、なんとな〜く、からだに良さそうなオーガニック食材を使ってしまう自分がちょっと嫌になってきました。

このセルフ健康ハロー効果にズッポリはまり込んでしまった状況を打破したいがために、オーガニック食材を使って、手作りで食事を作る丁寧ね生活を送っても、ぽっかり空いた落とし穴に注意しましょう、と全国のファンに向かって警鐘をならします(って、どれだけファンがいるのかぁ笑)。

健康ハロー効果とはこのようなことだよ

ハロー効果と呼ばれる現象があります。英語だと「halo effect」、ハローは写真撮影時に周囲が目的物の周囲に光の輪ができる現象、これが後光が指すように見えますよね。後光とか光背とかって、偉い人とか神様を表現する時に使います。

【5/5追記】奇しくも、この記事を投稿した翌日のこどもの日に日本各地でハロが目撃されました。

太陽のまわりにできたハロ

ウェザーニュース様よりお借りしました。【追記おわり】

例えば科学系のノーベル賞受賞した人が全く違う分野について意見を述べても、なんとはなしにありがたいお話にきこえてしまう、いわゆる認知バイアスと同じ意味として解釈して大間違いではないと思います(その辺りの詳細は心理学専門家におまかせします)。

健康ハロー効果とは健康に対するハロー効果であり、このような場合に使われます。研究論文でもこんなのがあります。

「You taste what you see: Do organic labels bias taste perceptions?」(https://doi.org/10.1016/j.foodqual.2013.01.010)、「オーガニックのラベルは味覚にバイアスをかける」という内容です。

加工食品に「オーガニック」と記載するだけで、味覚がかわる

「オーガニック」と書かれているポテトチップスはカロリーがオーガニックじゃないものより少ないと思い込む。

「オーガニック」と書かれている食品は、高栄養だと思いこむ。

「オーガニック」と書かれている、クッキー・ポテトチップスは脂肪が少なく、繊維質が多いと思い込む。

オーガニックという魔法の言葉が添えられているだけで、健康によいんじゃないの、カロリーが少ないんじゃないの、お通じにも良いのではないと、と勝手に思い込んじゃうのです。

私が非常に気になるハロー効果を利用したお店があります。「無添加」ではなく「無添」と店名に付けている寿司チェーンがありますよね。

健康に良いとの認知バイアスがかかる現象が健康ハロー効果 (the health halo effect) なのです。

私は前掲のように、「なにがオーガニックだよ」「丁寧ね生活より合理的な生活の方がいいじゃん」思考でした。

しかし、知らず識らずの間に、セルフ健康ハロー効果に陥っている自分に気がついていしまってかなりショックです。こんな自分にしてしまった大きな原因だと考えられる小池都知事に怒りを感じています(ってほどじゃないけどね)。

健康ハロー効果よる私の作品の数々を披露します

パンを作るなら全粒粉、白い小麦粉はあまり身体によくありません(これはエビデンスがあります。津川友介先生の著書「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」をご参照ください)。

普通の小麦粉になぜか「小麦胚芽」なんぞを加えて、ホームベーカリーマシンでこねこねしたりしてしまいます(なんかをトッピングしたくなるのは、ひょっとして人類の本能かも)。

小麦はもちろん「北海道産小麦100%使用」のものを、なんにも意識していないのにお買い物かごに投入(米国産がどうのこうのなんて心理状態になるはずないのに⋯)。

ここまでは良しとして、パン作りも毎日毎日だと飽きます。そこでバナナブレッドまで作っちゃいました。

桑満おさむによるバナナブレッド

参考にした料理本はこのような時期ですからamazonで購入した「aricoの食卓〜小腹がすいたら〜」です。

ここでやめておけばいいのに、なぜかこんな感じにして食してしまいました。

バナナブレッドとイチゴとマスカルポーネにはちみつ添え

くるみは殻の外されたものではなく、自ら殻を割って取り出した、特大のくるみ。

殻付きの特大のくるみ

右の白いのはホイップクリームではなく、マスカルポーネにはちみつを加えたもの。料理本には書かれていないけど、トッピングしたら美味しだろうなあ、とへんてこな心理状態になってしまって(スピったか、トランス状態か笑)。

ついついマスカルポーネは「根釧地区の生乳100%使用」のもの。

タカナシのマスカルポーネ

はちみつは「純粋&非加熱」のものを使ってしまっていたのです。

石倉養蜂園の八ヶ岳百花蜜

特大の特別感のあるくるみ。自ら殻から取り出す手間隙、丁寧な生活のお手本です。このくるみ、なぜかメープルっぽい香りがして、味もほのかにメープル。ハロー効果とは思えないけど。

「生」と書くだけで、なんとな〜く美味しい気がする、これは料理業界ではよく使われるハロー効果をねらったものであることは有名。

「100%」これに魅力を感じない人はまず皆無と言われるくらいハロー効果高し、さらに「非加熱」これに弱い人も多いらしい。

バナナブレッドについつい手を出してしまったことによって、私自身がめちゃくちゃ健康ハロー効果の虜というか、「カモ」になっていたのでした。

ミイラ取りがミイラになる、の比喩を身を以て体験してしまいました。こんな単純明快なトラップに私がひっかかるとは⋯「STAY HOME」とか言っている都知事の陰謀だと現時点では判断しています。

まあ、たまには家族でこのような時間を過ごしてもバチはあたらないと思います。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

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