イベルメクチン推しの「けったいな町医者」のけったいな思考回路について。

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真っ当な科学的思考から確実に闇堕ちしているお医者さんのお話です。

「けったいな町医者」長尾和宏先生に関しての雑感

自分自身の人を見る目の無さを反省している今日この頃です。ワクチン後遺症とかイベルメクチン処方でメディアの注目を集めている長尾和宏先生のたった一冊の著作を読んだだけで尊敬に値する町医者である、と考えてしまったことを事を後悔してこんなブログ記事を書きました。

【トンデモ】科学的思考を放棄して、間違った方向に邁進する長尾和宏医師はどこまで闇堕ちしてしまうのだろうか?

【トンデモ】科学的思考を放棄して、間違った方向に邁進する長尾和宏医師はどこまで闇堕ちしてしまうのだろうか?

長尾先生に刑事告訴されても困るので、いろいろと調べているうちに、なぜ真っ当と思えていた医師が闇堕ちしていくのかについて深ーく考えてしまいました。

吉本興業所属の芸人枠として判断してもねえ

2020年頃からワイドショーに出まくっていた岡田晴恵氏が、ワタナベエンターテイメント所属になったことによって、彼女が医学方面の発言をしても芸能人枠に括ったことによってブログねたやSNSネタにすることが無くなりました。

トンデモ発言を繰り返す長尾和宏先生は岡田氏とは違って医師免許をお持ちですから、吉本興業に所属していても医療関連の情報発信に対しては、医師として批判をさせていただくのは問題ないと考えています。

吉本興業所属長尾和宏医師

https://profile.yoshimoto.co.jp/talent/detail?id=9179

「芸能人・芸人だから健康関連の発言をするなよ」なんて考えは私には一切ありません。私のプリンシパルは、言論の自由ですからね。

河村たかし名古屋市長と長尾和宏医師

https://twitter.com/kawamura758/status/1507018444319117316

けったいな町医者はけったいなお友達が多いようですね。

河村市長がかぶりついた金メダルの行方、徹底的に消毒しても残る「キモい」問題。

河村市長がかぶりついた金メダルの行方、徹底的に消毒しても残る「キモい」問題。

機を見るに敏というか、新しいもの好き過ぎるのも問題かもね

25年も当地で開業医をしていると、時代の流れから取り残される可能性があり、私も陰では「古いお医者さん」と言われている可能性も大です。かと言って、新しいもの、珍しいものに対して趣味の範囲では飛びつきますが、臨床で採用するにあたっては若手医師の意見も聞ける環境に身を置くように注意しています。

イベルメクチン処方しまくり、必要以上にワクチン後遺症を喧伝しまくりの長尾和宏先生は以前から標準治療ではない新奇な治療方法を積極的に取り入れています。

コウノメソッドなるトンデモ系ニセ医学と一般的には受け止められている認知症の治療方法があります。

長尾和宏「コウノメソッド」著書

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784774515526

コウノメソッドの詳細については各自調べてもらうことにして、長尾和宏先生はコウノメソッドをご自分のクリニックで実践していたことは間違いありません(http://www.forest-cl.jp/method_2016/kono_metod_2016.pdfなどによる)。

長尾和宏「コウノメソッド実践医」

http://www.forest-cl.jp/jissen.html

ところがどっこい、コウノメソッドの提唱者は2016年9月30日によって厚労省行政処分3か月医業停止になっているんだよねえ・・・。理由はコノメソッド提唱者がご自分が販売するサプリの競業他社の商品の信用を毀損するような発言をしたことらしいんだけど(以下詳細自粛)。

医学的な結論はイベルメクチンには効果なし、なのになぜ・・・。

長尾先生はイベルメクチンの適用外処方によって新型コロナ感染症が劇的に治るとの主張をされています。しかし、単にご自分の経験をもとにして治ったよ、だけでは論理的に破綻していると医学的には考えられます。

例えば「私が在宅管理をした約200人のコロナ患者さんでは、コロナで亡くなったという死亡診断書を書いた人は一人もいません。」と長尾先生は語っています(https://mainichi.jp/premier/health/articles/20210808/med/00m/100/008000c)。

続いて「肺炎があれば、すぐにステロイド剤やイベルメクチンを投与します。」とも述べています。

しかし、一般人が医療を語るより信頼度が高いように思われますが、第三者による検証が不可能なものであり強く交絡因子によるバイアスが掛かったものであることに注意が必要です。

長尾医師はイベルメクチン以外にも解熱剤等も処方していますし、新型コロナウイルスに感染した方の多くが特別な治療をしないでも回復していることは皆さんはご存知のはずです。

私が尊敬する日本医科大学の勝俣範之教授は以前どこかの記事で、「3た論法」の危うさについて発言されていました(ネット上で探せばあるはず)。

「3た論法」とは薬を「使ったら、治った、だから効果あった」というロジックであり、科学的検証が必要とされる現代の医学界ではエビデンスレベルの低い、思い込みによる治療であると判断されることがほとんどです。

イベルメクチンの有効性に関しては、入院率の低下にもつながらないし、早期診断していたとしても効果無しが真っ当な医師の判断なんだけどねえ・・。

あやまちの根源は恐怖、なのかもね。

私は経験したことはないけど一度脚光を浴びてしまうと、その座から滑り落ちる恐怖とかがあるんだと思います。有名人が無名人になる、お金持ちが貧乏になる、奈落の底に堕ちるかのような恐怖を抱くのでしょう。

医師の場合、科学的思考を端折ったものであることが露見してしまうとなると、さまざまな手段で自分を正当化してしまうのかもしれません。

長尾和宏先生、先生のお考えに対して医学的な批判があっても誹謗中傷でも名誉毀損でも無いのではないでしょうか?

別に論文をお書きにならないでも、信頼性の高い医学専門誌によって否定されている治療方法をなぜ実践してご自分を正当化しようとされるんですか・・・こんな言葉を目にしたことがあります。「すべての過ちの根本には恐怖がある」。何を恐れて過ちを認めないのでしょうか???

なんとあの「うつみん」も長尾先生批判を開始。

【トンデモさん】うつみんVS長尾和宏の熾烈な五十歩百歩論争(笑)

【トンデモさん】うつみんVS長尾和宏の熾烈な五十歩百歩論争(笑)

よいこのみんなは、今後の展開を生暖かい目で見守りましょう。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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