どこからか拾い集めた知識で健康関連記事を掲載してしまう「たまひよ」。書いた人も書いた人だけど、編集者は矛盾に気が付かなかったのでしょうか?
本記事の内容
医学的根拠のない話がてんこ盛りの「ママサイト」
いわゆるママサイトと呼ばれる子育て中や妊娠を望む方々向けのウェブサイトがあります。中でも一般的には信頼度が高いと言われているっぽいベネッセが運営する「たまひよ」の健康関連情報はかなりトンデモが混入していることを以前から指摘してきました。
またまた「たまひよ」でこのような記事を見かけて、かなーり疑問点だらけなのです。
体を温める食材は漢方の教科書と言っていることが違うじゃん!!
漢方や中医学は独自の思想体系・思考体系によって作り上げられたものであり、私は西洋医学至上主義だと思われているようですが、こんな感じの教科書を持っていたりします。
「臨床応用 漢方処方解説:増補改訂版 (東洋医学選書)」には冷え症対策としては、補助薬として「生姜・人参・大棗」が挙げられています(P162)。
でもさあ、前掲の「たまひよ」にはこんなことが書かれているんだよねなあ・・・。
解決策4 根菜メニューを食べる 積極的に食べたいのが、ごぼうや大根、にんじん、れんこんなどの根菜類。体を温めて血行を促進し、母乳の出をよくします。
そもそも、根菜が血行を良くするとの考え方を中医学及び西洋医学的に「たまひよ」は理解しているんだろうか???
根菜を食べると血行が良くなる、の中医学的な理論
「ぐるぐるぐるぐるグルコサミン♪」で有名な健康食品会社のウェブサイトでは、
冬に旬を迎える野菜の中でも特に根菜類は、食べると血行をよくしたり代謝をアップさせる、“内側から身体を温める野菜”であることがよく知られています。
https://www.shizensyokuhin.jp/archives/articles/86
根菜が身体を冷やさない理由として、
- 夏に採れる野菜より水分が少ないから
- 豊富なビタミンが血行を促進させる
- 豊富なミネラルがたんぱく質の働きを補助する
らしいです。
たまひよが身体を温めるために推奨している根菜は「ごぼう・大根・にんじん・れんこん」なんだけど、大根はめちゃくちゃ水分が多いと感じているのは私だけ???
たまひよさん、さらにこのような資料もございますぜ。
たまひよが身体を温めると書いている食材の75%が身体を冷やしてしまう食材認定されているじゃん!!
現代医学的科学的には根菜が身体を温めるはこのような機序だよ!
根菜が身体を温めると仮定した場合、グルコサミン会社の記事はそれなりに思考した形跡があるにはあります。風邪が吹けば桶屋が儲かる的に思考すれば、
- 根菜に含まれるビタミンCは血液中の鉄の吸収を手伝うので、血行が良くなり身体が温まる→でもさあ、ビタミンCって根菜以外の食材の方が多かったりしませんか?
- ミネラルは確かにたんぱく質を作るのに必要、筋肉が増えると体温が上がりやすくなる→でもさあ、ミネラルって他の食材にもたっぷり入っていたりしないの?
など考えられます。しかし、たまひよの「ママ必見!」記事を書いた人はここまでは考えていないだろうね。
さらにヘンテコなのが、授乳中はしっかり水分補給を心がけようにアドバイスしている「たまひよ」ですけど、根菜って水分が少ないから身体を温めて血行を良くするんだよね???自分で書いていて不思議に思わなかったのかが非常に不思議。
結局のところは母乳神話を伝えたいのかな???
「母乳神話」なる都市伝説があります。この件に関しては以前このようなブログ記事を書きました。
「たまひよ」全体に母乳神話的なムードが醸し出されています。今回俎上に載せたヘンテコな健康関連記事にも、
あきらめないで!妊娠中からコツを知っておけば、焦らず楽しみながら、母乳育児を軌道に乗せていけますよ。
なんてことが書かれています。
母乳が出ない時にまず相談するのは産婦人科医なんじゃないでしょうか?あるいは多くの自治体でも母乳に対する相談を受け付けています。
誰が書いたかも不明な健康関連記事をあてにしないで、病気に関して困ったことがあったらかかりつけ医に相談するべきですし、手間暇がかかったとしても公的機関のサービスを利用するべきなのではないでしょうか?
おまけ:「たまひよ」はまだまだトンデモ健康関連記事がありますぜ。