日本においてはサプリメントは健康食品という扱いであって、あくまで食べ物だけど健康の為になるんだよ、という解釈によるスタンスを行政は取っています。中には過剰広告・過大広告が問題視されるサプリメントも有りますが、効果を高めるために健康を害する様な成分がこっそり入っていない限りは「体にいい食べ物の一形態」と考えていいと思っていました。
本記事の内容
米国予防医学専門委員会がサプリメント反対表明
思っていました、というのは米国のAmerican Academy of Family Physicians 略してAAFPというという会によると近々「βカロチンとビタミンEをがん予防に使用する事に反対する」という表明をU.S. Preventive Services Task Force略してUSPTF、日本語では米国予防医学専門委員会なんて名称で表現される偉ーい団体が勧告をおこなうということを伝えています。
アメリカのお役所のHPって一般的にフランクな親しみやすい雰囲気で作られていますが、USPTFのものは愛想もそっけもない、かなり日本的な作りです。
βカロチンやビタミンEだけでなく総合ビタミン剤まで服用するなと
ガンの予防を目的としてβカロチンやビタミンEがアメリカでは使用されていて、もちろん日本でも結構利用されています。しかし、日本ではあからさまに「ガンの予防になります」という広告は常識的なモラルのある販売会社は行なっていませんので、口コミや健康雑誌等で「これって体にいいのよね、ガンの予防にもなるらしいわ」的な経路によって「がんにも効果がある」と誇大に解釈する一般の方がいる事は否定できません。
βカロチンとビタミンEが「癌の予防」を証明する根拠が無いという生温い判断ではなく、「癌の予防には明らかに役に立たない!」と勧告宣言する模様です。
なんだか健康に良さそうなんですけど⋯・。
複合ビタミンとかマルチビタミンはに対しても循環器系の病気の予防には全く無効
USPTFはマルチビタミンの効果は無い、とまで言い切っています。実はこの複合ビタミンは男性の癌に対しては、おおがかりな調査によって若干効果があることが明らかになっているのですが、その当たりは声を小にして伝えています(笑)。
そこまでいじめるか?複合サプリメントまで⋯。
ビタミン剤は医師が処方する、処方薬にも多数あります、もちろん日本でも。しかし、ガンの治療は当然のことですが、ガンの予防として健康保険を使用して処方されることはありません。中には評価が明らかになっていない大量のビタミンCを注射してガンを治療すると主張している医師もいますが、医療としての評価は多くの医師によって否定的な意見の集中砲火を浴びているか、無視されている状態です。
このUSPTFはビタミンA・C・Dやカルシウム・葉酸が含まれている複合サプリメントは質の高い研究が少なく(ようは学会主導の研究会や有名大学の研究者による論文が少ないと言う意味)、利益も不利益も判定できないとしています。
アメリカは先進国として唯一国民皆保険がおこなわれていない民主主義の国
自分のことは自分で責任をもて、という共和党が主導権を握っているアメリカ議会でクリントン大統領の奥さんヒラリー・クリントンが押し進めた「国民会保険制度」は成立しませんでした。
さらに「オバマケア」と称してヒラリーが行なおうとしていた政策実現を掲げたオバマ大統領でさえ議会の支持を得られなかったために、中途半端な低所得者の健康保険代は国が負担するという、逆に金融資本の本家本元である保険会社をさらに肥えさせてしまうようなシステムに現在では落ち着いているようです。
金融資本陰謀論、金持ち陰謀論がアメリカ国民の間では囁かれており「国は国民に早く死んでもらいたがっている、なぜなら医療費負担が減るから」というラインで「それによって保険会社が大もうけする」という話がリードされ、その究極の形が「有害なワクチン接種を国が強制することによって、積極的にアメリカ人を早死にされる」とう仕組みの大陰謀説さえ出回っています。
アメリカは医療費が高いので、なんとか安上がりに病気を予防して、病気になっても医療機関を受診しないでサプリメントなどを中心とした民間医療に頼ろうと考えるのは当たり前の行動です。
アメリカのサプリ業界って医師よりサプリ成分・機能を追求して「風が吹けば桶屋がもうかる」式に効果を証明?して理論づけるテクニックに私は純粋に感心をしています。最近民間療法、とくに「おばあちゃんの知恵」的なものを見けて、効果があるものを医学的理屈っぽさでバックアップすることに幸せを感じてしまう、変な性格になってしまった私としては、こんなにサプリやビタミンをいじめるアメリカの権力者はなにを求めているのか疑問を感じてしまいます。