世の中にはいろいろな人がいるもんで、開業医でありながらトンデモ医学にどっぷり嵌ってしまう人もいます。
いくら多様性が求められる時代となっても、ここまでロイヤル・ストレート・フラッシュというか、国士無双的にニセ医学を繰り出してくるお医者さんは貴重です(笑)。
本記事の内容
飲尿療法とホメオパシーの親和性には気がつかなかった
自称他称トンデモウォッチャーとかニセ医学バスターという名称におぼれていて、このような素敵なお医者さんの存在を知らなかった自分を深く深く反省しつつ
トンデモ医学の最高峰的なお医者さんを見つけてしまいました!
私はトンデモ系お医者さんの飲尿療法とホメオパシーを融合した理論的なご考察を拝読して目からウロコが落ちた状態かつ放心状態になってしまいました。楽しんでいる状態もつけ加えておくか。
まずはトンデモさんの定義のおさらいを
なんでもかんでも非常識なことに対して「トンデモ」と呼ぶ風潮には「まあ、いいか」「もう、いいや」と嘆いている私です。トンデモという用語は、と学会という学会でwiki(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%A2%E6%9C%AC)にも書かれているように「著者の意図とは異なる視点から楽しむことができる本」を好事家が集まって楽しむ会から発生して言葉です。
わかりやすく言えば、著者がへんてこな考えに取り憑かれたがために著作中でまじめに説明や解説をすればするほど常識と離れてしまうものを科学・医学領域の「トンデモ」に分類するのが一般的です。
※「トンデモ」の定義に関してはと学会内でも論争が続いているらしい点にご注意ください。
※私もカジュアルに「トンデモ」という用語を乱発して本来の「と」の精神からかけ離れてしまっている点を十分に反省しております。
※と学会が現在活動中であるかについては近いうちに潜入レポートして報告しちゃおっかなあ。
がんから奇跡の生還をした人のほとんどが、おしっこを飲んでいるわけないじゃん!!
トンデモ医師のブログでは自分のおしっこを飲むことによって健康になれる、病気を治せると主張するジョン・W. アームストロングという方の書籍が「生命(いのち)の水―奇跡の尿療法」(論創社 )というタイトルで1994年に日本で販売されたものを引用を一次ソースとしています。
自分のおしっこを自分で飲むのですから、他所様のおしっこをブーツかなんかに注いでぐぐっと飲む性癖へのお誘いではない点に注意してくださいね。
早朝第1尿は、各種抗体やホルモンがたくさん混ざっていますので、たくさん飲んだ方が効果的です。それを再び飲むことで、体は病気に対する抵抗力を持つのです。なお、多くのガンから奇跡的に生還した患者の多くは飲尿をしています。
https://archive.is/9I2Yz#selection-303.234-303.342
このお医者さんは糖尿病を専門としているそうですが、糖がたっぷり混ざっている早朝尿を飲んで糖尿病の治療にも役立てているんでしょうかねえ(どの程度、糖を含んでいるか詳しくは知らんけど)。
飲尿療法で奇跡的にがんから生還した患者さんの存在を寡聞にして存じ上げない私はたぶん勉強不足なんでしょうね。
このトンデモ医師がトンデモさんである所以はトンデモの正しい使い方の一つである、自分で理論的だと思って説明をすればするほど深みに嵌ってしまうことを実践しているからなんです。
「ガンから奇跡的に生還した患者の多くは飲尿をしています」と自信をもって書いているけど、
多くのがんサバイバーは尿なんて飲んでいないよ!!
とがん患者さんを抱えている私はクリニックの総力を上げてお返ししますね。
このトンデモさんは尿を飲みやすくする工夫を伝授してくれています
さらにトンデモさんのブログを飲用じゃなかった、引用しますね。
1日1回早朝の尿だけです。ほぼ、水ですが、微量成分が増幅してホメオパシー的に作用します。
あのさあ、ホメオパシーってもとの成分の分子さえ存在しないレベルまで薄めるのがホメオパシーがホメオパシーである所以じゃん。だとしたら、ブログ記事の後半で
慣れたら、全尿(尿そのままを)を1回50mlくらい、朝は必ず飲んでください。もっと慣れてきたら、無理しない程度に朝の尿200-300mlとその他2-3回はのんでください。
って書いているのは変なんじゃないの?自分で説明すればするほど、ツッコミどころが増えてしまうのもトンデモさんの特徴であることをここに明記しておきますね。
さらにこのトンデモさんは陰謀論にもどっぷりなご様子
まだまだトンデモさんのブログ記事を引用させていただきます。
何で、尿療法がもっと研究されないかと言うと、製薬会社が儲からないためです。みんなが尿療法して健康になれば、製薬会社やアトピー性皮膚炎専門の病院などは困ってしまいますよね。
尿を飲むことで健康になってしまうと製薬会社がこまることまでは理解できます、よく陰謀論者が言うところの世界を牛耳る影の権力者に製薬会社は操られていいますからね(笑)。
ところでなんでアトピーの専門病院が製薬会社と並列に語られてのでしょうか?
がん研究会有明病院はがんセンターの分院?
アトピーの苦しみは十分に理解できるのですけど、命を落とす可能性があるがんを並列に語らないでなぜ製薬会社が並列に語られているのか謎です。
飲尿療法でがんが治ると困ってしまうのはがんセンターやがん研究会有明病院や大学病院および基幹病院、そして微力ながらがん治療を行っている当院のようなクリニックなんじゃないの???なんとなく、がん患者さんは診たことないんじゃない疑惑もわき出てきます。
そういえばこのトンデモさんが擁護しているメディアが悪徳クリニックと報じたお医者さんもがん研のことをがんセンターの分院と語っていたっけ。ほんちゃんのがん治療なんて一切無視って感じなんだろうね。
詳細は「詐欺クリニックにがんの専門医が潜入したらとんでもないことになった。」https://www.youtube.com/watch?v=jfyIBKU8XRgでお楽しみくださいませ。
まだまだ楽しめるトンデモ系お医者さんのブログ記事
EM菌のことやホメオパシーのことや酵素風呂やその他かなりにぎやかなトンデモのデパート、トンデモのドンキともいえるこのトンデモお医者さんに関しては書き出したら時間が無くなってしまうので、今日はこの辺りでやめておきますね。
見出しを「その1」としましたので、当然「その2」もあればたぶん「その3」も書く予定です、っていうか書かずにはいられないパッションを感じだしてしまっている私がそこにいる。
だってこのトンデモさんは私が批判してきた「水からの伝言」や「米国産牛肉は危険、危険」的な疑似科学や都市伝説的な案件まで、気まますぎるブログ記事にしているんですからねっ。