今の時期、大規模イベントが開催され不安の声も聞かれています。
安全に大規模なイベントを行うために事前検査をしていたとのこと、しかし、その検査方法には多くの疑問点があります。
本記事の内容
自宅でセルフ抗原検査で大丈夫?
先日、大規模なイベントが開催され安全対策として事前にセルフ抗原検査が行われたそうです。
縛られたくない抑圧された大人数の若者が集まったことに関して様々な意見がでています。ところで安全に大規模なイベントを行うために使われた抗原検査キットに関して警告が出されています。
帰省のために配布された抗原検査キットの信頼度に問題あり
2021年8月22日の朝日新聞デジタルでこのような記事が掲載されていました。
この記事に書かれている問題有りの抗原検査キットってフジロックフェスで事前配布されたキットと同じに見えちゃうのは私だけでしょうか?
両者ともに「JOYSBIO」っていう中国の会社が製造してると考えられます。
医療機関で行う抗原検査キットは厚生労働省が認可しているもの
当院でも熱発やだるさを主訴とした患者さんに対して抗原検査を行いますが、この検査キットは厚生労働省によって承認されています。
これが厚生労働省に認められ、当院で使用している抗原検査キットです。日本のデンカ株式会社が製造販売承認を取得した国産の新型コロナウイルス抗原測定キットで大塚製薬が医療機関向けに発売しています。
鼻咽頭拭い液を使用するため少々患者さんには嫌われがちですが、数十秒から数分で陽性判定は可能で感染症が猛威を奮っている現時点では有効な検査方法だと考えられています(症状があればこの検査は公費で負担をカバーしてくれます)。
陽性だと「T」に赤いラインがくっきり現れます。
一方のフジロックで使用された抗原検査キットに関しては
厚生労働省は2月、都道府県などに対し、性能が確認されていないなどとして、感染の検査に使わないよう通達を出していた。
https://digital.asahi.com/articles/ASP8Q2DQSP8PPLZB007.html
つまり、精度に問題があって検査結果はあてにならないよ、ってことですね。
ちなみにamazonなどの通販サイトで「JOYSBIO」で検索すれば、山ほど中国製の検査キットが出てきます。
大規模なイベントの観客動員に関する様々な意見
大規模なイベントに参加したいと考えている人は予想以上のようです。
あるお医者さんは要望書を出しているパラ選手団長に対して「ハウスとは言えないので、ご帰宅ください」とひどい言葉をツイートで投げかけています。
さらにパラ観戦に関してこのお医者さんはこんなこともツイートしています。
東京パラリンピック日本代表選手団の河合純一団長が千葉県知事に児童・生徒にパラリンピックを観戦してもらいたいと陳情した記事を受けての発言です。
この発言をしたお医者さん、実はフジロックの抗原検査にも関係していたっぽいのです。
だから私はこんなツイートをしてしまいました。
フジロックがOKならパラリンピック観戦もOK、でも事前に抗原検査をしてね、って言って欲しかったです(※ちゃんとした精度の抗原検査キットでね)。
おまけ:なんか変な言い訳を見かけました
フジロックの抗原検査キットに名前が掲載されていたお医者さんは
会社からキットの感度を調べる依頼をされました。患者さん私も無償で検査協力しただけです。キットの販売などもお金のやりとりはありません。陽性患者さんが出たら対応可能ですかと聞かれたので可能ですと答えました。
とツイッター上で述べています。でもこれもおかしな話ですよね。この先生が感度を調べる依頼をされた抗原キットは朝日デジタルではあてにならないパチもの疑惑が報じられています。
このお医者さんが感度を調べたことに関して無償で検査協力したようだけど、そもそも感度を調べたセルフ検査キットは国によって精度に問題ありと認定されてものなんだけど。
追記:しっかりこのセルフ抗原検査キット販売サイトに推薦文的なこと書いているじゃん→ https://anywhere-no1.jp/
※ちなみにこのお医者さんは医学的な感度の定義を間違って解釈しています。わかったとしたら陽性的中率でしょうね。感度の詳細については「感染症の検査は感度だけじゃなく、特異度も考えないとダメ」をどーぞ。
このお医者さん、なにを調べたんだろう???
※現時点での大規模イベント開催の可否に関しては私見は持ち合わせていないことをご理解ください。