メガビタミン療法というトンデモ系ニセ医学があります。この治療法へ対する疑問を呈するブログ記事を書いたところ、逆にカウンターブログを頂きました。
実りある発展的な議論をするには、「メガビタミン」の定義を明確にしていただかないとトンチンカンな問答になってしまいます。しかし、私が考えているメガビタミンと批判者が認識しているメガビタミンは別物なのでしょうか?
そもそもメガビタミン療法ほ「メガ」って何?
右から見ても左から見てもトンデモ系ニセ医学と判断しざる得ない「メガビタミン療法」とか「メガビタミン健康法」なるものがあります。まっとうな医学では無いことは明らかであり、メガビタミンを主宰する医師および信奉者はFacebookを中心にコミュニティを作っているようです。
メガビタミンは「mega+vitamin」なんだと考えられますが、そもそも「mega」って100万倍を表す単位ですよね~。
1日の推奨量が100㎎のビタミンCの場合、メガで服用するとなると
100mg(0.1g)× 1000000 = 100000g・・・100㎏❗
って計算になります。いくらなんでも毎日毎日100㎏のビタミンCを服用したりすることは不可能でしょうし、高濃度ビタミンC点滴療法とかで点滴によって体内に取り入れることは厳しいと思いますぜ。
メガビタミン批判が批判されちゃったようだけど
以前からちょくちょくメガビタミン療法に疑問を呈し批判してきました。私のブログ記事に関して「「メガビタミン 嘘」で検索するとヒットするメガビタミン批判」とのタイトルの批判ブログがあります(https://yama-maro.hatenablog.com/entry/2020/03/11/163400)。
私がメガビタミンを批判してきたのですから、カウンターを信奉者に喰らっても健全な議論ができるのであれば大歓迎です。しかし、なんでブログを書いた方は「メガビタミン 嘘」なんてキーワードで検索したのか、不思議ではありますけど。
※私のブログを引用しているけど、お約束は守ってね → 転載・引用について
13,000文字以上に及ぶ私のブログ記事を批判するブログ上で「ビタミンだけ飲めって言ってるメガビタミン支持者がどこにいるんだ?」と私がメガビタミンの定義を理解していないと冒頭周辺で記載しているんだけど、
メガビタミンの教祖的存在である藤川徳美医師の著書の帯には「すべての慢性疾患はタンパク質 鉄 メガビタミンで自ら治す!」に書かれているんだけどなあ・・・藤川メソッドの信奉者であるなら藤川徳美医師の著作物くらい購入した方がいいんじゃないの?
長文の私のブログ記事批判ですが、メガビタミン療法あるいはメガビタミン健康法そして藤川理論や藤川メソッドの定義を決めないと議論あるいは対話が成り立ちません。
もしもメガが意味するところが通常の使用するmegaであるのなら、私は対話や議論および批判から、前述の計算式の結果である100万倍のビタミンなんか摂取できるわけがないので、とっとと退散させていただきます。
「発達障害が治る」との表現に警告がでています
藤川徳美医師の著書「すべての不調は自分で治せる」(方丈社)で「ADHD傾向の5歳の男の子、1年間のプロテイン+メガビタミンですごいことになった」との症例が記載されています(P165)。
※私のブログ記事を批判した人は藤川徳美医師の著作を読んでいない可能性がここでもかなり濃厚になってきますね、だって「プロテイン+メガビタミン」って書いてあるのですから、メガビタミンはメガビタミンでありプロテイン服用をトッピングすることがメガビタミン療法では無いことを藤川医師ご自身が使い分けているのですから。
英国のデイリーメール(あまりクオリティが高い新聞とは言えないけど)でこんな記事を見かけました。
Advertising watchdog tells 150 autism ‘therapists’ to stop peddling false claims that zinc and vitamin C supplements can cure the disorder
https://www.dailymail.co.uk/health/article-6837137/Advertising-watchdog-takes-action-against-150-autism-cure-therapists.html
つまり日本語にすれば「亜鉛とビタミンCのサプリメントが障害を治すことができるという誤った主張をするのをやめるように」と英国の広告を規制するお役所が警告した、ということです。
言論の自由、出版の自由は絶対的に守るべきルールであると私は常々考え主張してブログ記事にも書いています。焚書坑儒なんてまっぴらです。しかし、広告に関しては当院としても広告という性質上、ついついオーバーな表現をしてしまったことが無いとは言い切れないですが、医療広告や出版物に関しては生命を脅かす危険もありますし、まっとうな医療を受ける機会損失にもなりかねません。
メガビタミン関連の広告は幸いにして私は目にしたことはありません。目に付くのは一般書籍と信奉者や治療を実践している医師のSNS上の発信のみです。
医学用語風のワードに魅了されてしまう発達障害の方、発達障害のお子さんを持つ保護者も少なくはないでしょう。残念ながらデイリーメールの記事にも書かれているように、発達障害の一つである自閉症は治る治らないという扱いが適切ではありません。
メガビタミンで発達障害が治る、改善する、あるいは「すごいことになった」との表現は科学的な信頼性はありませんし、医学的には全く認められていないものです。
批判ブログをお書きになった方へ
私のメガビタミン批判ブログ記事の批判ブログを書かれた「やま (id:yama-maro)」さんを批難するような考えは全くありません。やまさんが藤川徳美医師が唱えるメガビタミン療法を信奉するゆえの批判ブログだと受け止めています。
ここで一つお願いがあります。逆悪魔の証明をお願いします。発達障害がメガビタミン療法あるいは藤川メソッド(医学を根底から変えてしまう理論のために医学専門誌には掲載してもらえない、なんて感じのガリレオ詭弁を見たことがあります)によって治癒したとの第三者による検証可能なデータのご教示を頂けないでしょうか?もしも、メガビタミン療法あるいは藤川メソッドが有効であることが確認できた場合は私は素直に謝罪しますし関連ブログをすべて削除することを約束させていただきます。