睡眠不足がダイエットの敵であることが、脳内活動から判明⁉

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睡眠不足がダイエットの敵であることは広く知られているのではないでしょうか?

ネットやテレビに夢中になりながらジャンクフードをバリバリ食べる為に、睡眠不足になってさらに体重が増加、という考える意見もあります。

今回睡眠不足と肥満の関連性を脳内の活動を調べることによってそのメカニズムが解りはじめました。

睡眠不足と肥満の関係

食べ物への欲求に睡眠がどのように影響するか? 「The impact of sleep deprivation on food desire in the human brain」(Nature Communications 4, Article number: 2259)にその研究結果が掲載されています。

睡眠不足と肥満の関係

人間の脳で他の動物と大きくことなっているのは前頭葉の発達です。この前頭葉は「自制心」をコントロールする働きを持っていますが、睡眠不足だとこの働きが弱ってしまうのです。「欲望」とそれに伴う行動は「自制心」という脳の中では高次機能に属するメカニズムでコントロールされているのですが、睡眠不足だとその連動が上手く機能しないために「いらんことをやってしまう」という結果になってしまいます。ダイエット中の方がよく言う台詞に「わかっちゃいるけどやめられない」はこの前頭葉の連携が上手くいっていないことによって引き起こされている可能性が大なのです。

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以前、「寝る子は育たない⁉ 睡眠時間が短いと肥満の傾向が」と題して睡眠時間が十分でない子供の方が肥満傾向があるとのブログを書きました。そのとき出てきた意見として「そんなガキってテレビを見ながらバリバリとジャンクフード食べてるからあたりまえじゃん」とか「起きてる時間が長いってことはそれだけ食べ物を摂取する機会が増えるからあたりまえじゃん」などの厳しい大人の声が寄せられました。

海外旅行で買いすぎちゃうのも睡眠不足のせいかな?

しかし、今回の研究を正しいものと考えると、睡眠不足が脳に影響を及ぼすことによって「欲望に対する自制心」に弛みがでてしまう、その結果「食欲」が増進する訳ですね。となると睡眠不足で買い物にいくと、ついつい高額なブランド品を買ってしまったり、よく考えてみると必要ではないものに手を出してしまっている可能性もあります。

海外旅行に行った時にブランド品を買い漁ってしまったり、誰も欲しがらないようなお土産を買ってしまうという体験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?きっとそれは時差によって引き起こされた前頭葉の抑制機能が上手く働かなかった為かも知れません。「海外旅行で無駄遣いをしてしまう、脳のメカニズムを解明する」なんて論文があると面白いのですが、残念ながら現時点で私の情報網には引っかかってきていません。

わかちゃいるけどやめられない

こんな行動を取るのはその人の意志が弱いからではありませんよ!睡眠不足があなたを無意識のうちに操っているのです、とダイエットが上手くいかない人の気を引こうと思ったのですが⋯よくよく考えてみれば自分の遊びや趣味のために睡眠不足になっている人は結局自制心が効かないとも言えるかも知れません。ということは「欲望」と「自制心」のバランスが悪い人って⋯精神力の問題ではなく、脳の活動性の問題に罪を被せましょう❗

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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