いつになく素直なタイトルのブログです。オマエはいつもケチばっかりつけているのに、なんでいきなり「体に良い食べ物」の話なんかし出すんだと驚かれた熱心な読者も多数だと思います。
実は私は「大のフルーツ嫌い」なんです。
甘いくせに酸っぱいのが許せなくて⋯もちろん皮を剥くのも苦痛です。毎朝「野菜と果物のスムージー」なんてものを与えられていて(結構おいしい)、「体にいいから飲みなさい!」と高飛車な私より、さらに高圧的な家人(医学知識・栄養学的知識さらに統計学のリテラシー0)にケチを付けようと思い、果物の悪口を書こうとネタを探していたんですけど、「結論 果物は体によい」が出てしまいました。残念なので果物からイメージされる「果糖」を虐めてみます。
本記事の内容
果物はすべてクスリ,という主張もあるくらいですが⋯。
フルーツはビタミンが豊富であり、健康に良いのは事実ですが、おしゃれなイメージがオッサンには似合わないのが、ちょっと問題です。ゴリラがジャングルでフルーツ食べていると思えばいいのか、オッサンとフルーツが一緒のイメージは。豊富なビタミンもちろんですが食べておいしくて健康に良いってすばらしい食品だと思います。もちろん、なんでも「過ぎたるは及ばざるが如し」であり、果物も摂りすぎに注意が必要ですけど。
果糖というやつがいけないんです
糖質を制限するとダイエット効果が高いということは皆さんご承知だと思います、それが健康に良いか悪いかは別として。糖質というというより、わかり易く説明するために敢えて「砂糖」という言葉を使っていきます。砂糖は食物として体内に入ると「果糖」と「ブドウ糖」に分解されます。「ブドウ糖」は人間が生きていくためのエネルギーとして使用されます(専門的には微妙な違いがありますが、今回は専門家の突っ込みは禁止とします)。ところが「果糖」っていかにも「果」という字の影響か「くだもの・フルーツ」と関連付けてしまいますよね。英語では「fructose(フルクトース)」ですが「fruit sugar」と呼ぶ場合もあります。この果糖が肝臓でしか代謝されないことで、人間に対して様々な悪さをします。
血糖値を上昇させない果糖
果糖は肝臓でしか代謝されません。ですから血糖値への影響が少ないのです。
つまり、糖尿病の食事指導でも「くだものは食べてはいけません!」とはいわれないはずです。
果糖はブドウ糖に比べて甘みも強く感じる方が多いので、血糖値をあげないで甘いものが食べられるとういうことで「健康的イメージ」が強調されているようです。
そこで登場してくるのが「コーンシロップ」という代物です。
フルーツよりコーンシロップ含有の飲み物に注意をしましょう
果糖はコーンシロップという別名でみなさんの身の回りに出回っています。今飲んでいる清涼飲料水の成分表示に「コーンシロップ」と書いてありませんか?これが肥満の原因であるだけではなく、多くの病気との関連が強く疑われていますというか、限りなく黒に近い、いってみれば今の猪瀬直樹東京都知事状態なのです。原料のとうもろこしにちょいと手を加えて、ブドウ糖を果糖に変えるなんて方法があり(専門用語では酵素による異性化糖といいます)、あまーくて、やすーい飲み物を生産することが可能になっています。この果糖は悪いことばっかりします。肥満の原因にもなりますし、さらに悪質なことに血糖を下げるインスリンの効果も弱くしてしまいます。さらにどのような作用機序なのか高血圧・高尿酸血症(痛風)・高脂血症を引き起こしている可能性が大なんです。
米国では禁止されているコーンシロップ入りの飲み物
以前は米国の小学校にコーラ等の清涼飲料水の自動販売機が設置されていて、日本との文化の違いに驚いた人も多かったと思います。清涼飲料水会社が財政難の公立学校に高額な寄付をする代わりに自動販売機を設置していたので、肥満問題以前に子供に「嗜好品である飲料水を刷り込んでいる」との非難もありました。その後の研究によって清涼飲料水に含まれる高果糖コーンシロップが肥満の原因であることが判明したために、米国では2008年から全面的に販売禁止になっています。
これは米国の資料ですが、2008年以降高果糖の異性化糖の消費が減っています
フルーツ善玉説を強調❗
フルーツにもその名のとおりに「果糖」は含まれていますが、同時に食物繊維やビタミンなども含まれています。それによって果糖自体の吸収率が落ちるので、果糖が原因の病気を引き起こす可能性は非常に少ないのです。残念ながらフルーツにケチを付けようと頑張ってデータ・論文を探しまくっていますが、まだ発見できていません。
「果物はすべてクスリ」なんて本が出ていました。一部の薬剤は果物との相性が悪いものもありますので、ご注意くださいね。
業務連絡 家人へ伝言です 別に私は朝のスムージー風の飲み物が嫌なんではありません。