ケトジェニック・ダイエットで肉だけ食べて痩せて、世界を救う計画を立てたぞ!

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ミドリムシダイエットなんてものまで登場してしまうこのご時世に「ケトジェニック・ダイエット」というネーミングセンスに興味を持って数冊の本と論文を集めて調べてみました。

ケトジェニック・ダイエットという言葉に惹かれて

「肉をお腹いっぱい食べてもOKなダイエット」というオッサンには非常に魅力的なダイエット方法なのです。英語で「ketgenic diet」でしてこのキーワードで検索すると、ドバーッと情報が押し寄せてきます。ケトジェニック・ダイエットの方法や理論は簡単に済ませますので、ご興味のある方は各自ネット等で詳細はお調べください。今回のブログはこのダイエット方法はひょっとして世界の大問題を解決することができるのでは、と大腸ポリープを取りながら(判る人には判る話でもうしわけありません)思いついたのでそれを最優先させますね。

ミドリムシダイエット-ミドリムシサプリ評価と感想

http://midorimushidiets.sublimeblog.net/

ケトってなに?糖質制限ダイエットで聞いたような気がする

 ケトはケトン体の事を指します、っていっても普通は判らないので簡単に説明します。ケトン体というのは体内で代謝された食べ物(主にタンパク質と脂質)のなれの果てでありまして、厳密に言うと脂肪酸とアミノ酸の不完全代謝物なのです。ここで「不完全」なんて言葉が登場するので、このブログは多分ケトジェニック・ダイエットの悪口をこれから述べていくだろうな、と多くの方が予想しているでしょうが、残念ながら私はこのダイエット法が体重を減少させ、血糖値を下げる効果は全く否定しませんというより、積極的に支持します。主に肉食で得られるケトン体をエネルギー源として日々の生活を送るというのが、ケトジェニック・ダイエットの名称のもとになっているようです。でも(やっぱり出た!)⋯・。

糖質制限ダイエットの一流派と考えると

茶道には千家、裏千家、武者小路千家など多数の流派がありますが、お茶を入れて飲むということでは一致しています。糖質制限ダイエットも糖質を制限するというルールのもとに様々な名前の流派があるようです。
・糖質制限ダイエット
・低炭水化物ダイエット
・ローカボダイエット(low-carbohydrate diets)

・アトキンスダイエット
・ゾーンダイエット(zone diet)

・ケトジェニックダイエット(ケトダイエット、ケトーシスダイエットとも呼ぶようです)
などなど名前は違えどやっていることは炭水化物(=糖質)を排除しよう!というダイエット方法です。各流派は他の流派に対して「こちらが本家です」「こちらが元祖です」「当派は他の流派と違って⋯」などの意見もあるでしょうが、大きな違いはないと解釈して話を進めて参ります。

糖質が肥満を引き起こす悪の元締めであり、糖質・炭水化物は人間が生きていく上で絶対的に必要な栄養ではないので、タンパク質をエネルギー源として食べましょう!というのが糖質制限系ダイエットの基本的な理論です。医学を学んだ人は当然「脳を動かすのに糖は絶対必要では?」と疑問を持ちますが、もちろん大丈夫です、人間は飢餓状態になるとタンパク質から糖を生み出すではないですか、糖新生って習ったでしょ!とケトジェニック派の人は答えます。その辺り少し理論的に破綻している可能性がないとは言えない的な⋯ボソっつぶやきたいのですが、詳しくはブログ「糖質制限ダイエット 健康によくないみたい」をご覧ください。

人類ってもともと肉食だったって説、初めて知った

あるケトジェニック本に人類はもともと肉食だったのだから、炭水化物である穀物類を食べるようには元々設計されていない、というような表現があり私の脳は完全停止してしまいました。「人類ってもともと肉食だっけ?」が思考回路上に巨大な富士山が立ちはだかったような状態になって、私は体の動きまで停止してしまいました。気分転換に知人のFacebookにコメントを投稿したところ支離滅裂な内容をして「桑満先生、なんだかわかりませんけどわかりました」とコメントされてしまうくらい酷い状態になってしまいました。

その日は午後いっぱいを懸けて霊長類の進化の歴史を400万年に渡って調べました(当然私が400万年かかって調べた訳ではありません)。確かにアルタミラ洞窟やラスコー洞窟には牛と思われる動物の様子が書かれていますが、牛をやっつけてごちそうにした珍しことであったからこそ、記念のために書いたと思うの私だけでしょうか。世界全体を見回すと牛を飼いなすことに成功した地域は限られていて、ほとんどの地域は豚か羊しか飼育できなかったという知識を「文明崩壊」という本で仕入れていた私にとっては盛んに牧草牛を食べる事を薦めるその本に疑問を深めてしまいました。間違いなく霊長類はもともとは草食っていうか果実を食べて生きていました。

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そんな細かい事に拘っていては話が進みませんので、私の大構想または大妄想をお伝えします。

すべての世界問題は糖質の取り合いが原因、糖質の利用を制限しよう!

大航海時代に中南米にたどりついたスペイン人達は金などの鉱物を略奪しつくすと、砂糖を収穫するためにアフリカから奴隷を連れてきてサトウキビ畑で重労働をさせました。当時、ヨーロッパでは砂糖は非常に貴重な食品だったのです。また、日本でも大陸から稲作文化が押し寄せてきて、日本の原住民?を北の方へ追いやってしまいました。薩摩藩は琉球周辺でサトウキビ畑を現地の人に年貢として納めさせ莫大な利益を手にしていました。このような歴史の流れを考えると人類は甘さを求め、炭水化物・糖質を求めて植民地や奴隷などの非人間的なことを平然と行なってきました。また、稲作を行なうために田んぼを作ってきましたが、考えようによっては自然破壊の始まりだったのかもしれません。二酸化炭素による温暖化を防ぐためにバイオエタノールを得るためにトウモロコシを大々的に栽培していますが、トウモロコシも炭水化物・糖質を多く含む食べ物です。トウモロコシの生産高は米国・中国・ブラジルの順になっていますので、エネルギー問題を考える上でも各国の戦略が見え隠れしています⋯そこまで大げさではないか。

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そこで提案です(多分誰も賛同しませんが)、世界の先進国が協力しあって全ての穀物を食品として使用しないで、家畜の飼料またはバイオエタノールの原料としてのみ消費するのです。そうすると牛さん達はどんどん肥えて美味しい肉になって、私たちの主食となり糖尿病にもならないで、さらに肥満にもならずにすむという結果にはならないでしょうか?先進国の食料は牛肉中心として、余剰の穀物はどんどん開発途上の国々に送り込んで飢餓を救う⋯でも先進国以外でも糖尿病が増えているってデータもあった気がします。やっぱり、簡単に世界の問題は解決しませんでした、私の妄想終わり。

反低炭水化物ダイエット派のこんな論文もあるんです

「High-protein, reduced-carbohydrate weight-loss diets promote metabolite profiles likely to be detrimental to colonic health」という論文ではケトジェニックダイエットは腸内細菌に悪影響を及ぼし、大腸の病気のリスクを増やすことが示されたために「炭水化物を極端に減らすような行為はするべきでない」との結論を導きだしています。さらに追い打ちをかけるように「Low-carbohydrate diets and all-cause and cause-specific mortality: Two cohort Studies」という有名な論文がありまして、それによると低炭水化物食を長年続けていると死亡率は1.12倍高まるという報告が米国の厚生省にあたるNational Institutes of Health (NIH) から正式に発表されていたのです。つまりケトジェニック・ダイエットを含む炭水化物を制限する食事方法は血糖値を下げ、肥満を解消する可能性は否定できませんが、寿命自体は短くしてしまうということでした。そういえば以前ブログに「糖質制限ダイエット 健康によくないみたい」というタイトルで書いていました。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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