カネボウは「白班」が出現するということは判っていたのにも関わらず厚生労働省に申請して承認を受けてしまいました。
反省の色がみえないカネボウの言い訳についてまとめます。
本記事の内容
反省の色が無い「カネボウ」
こんどは化粧品の中身を入れ間違えて販売したカネボウ。HPに発表しているというけど、見つけられないインフォメーションしてどうするんだ!と怒りを感じている方も多いのではないでしょうか?
「たいした数を販売していなかったし、健康被害の恐れもないからこれが適切」と担当者は主張しているって本当かよ!怒り。ロドデノール入りの化粧品で白班被害を起こした会社とは思えない発言です。ロドデノールだって健康被害が起きないと考えて販売したんじゃないんですか?
うっかりでは済まないカネボウの論文拡大解釈
カネボウが白班に効果のある化粧品を厚生労働省に申請して、承認を受けようとした時に添えたとされる論文があります。
山口大学の福田氏が書いた論文でラズベリーケトンを製造する工場で従業員に白班が認められた事についてのものです (J Occup Health 1998;40:118-122) 。その中では「3症例のうち2症例は白班が残存した。」と明確に書いてあるのですが、カネボウが申請した書類では「その症例は経過とともに治癒した」と記載して厚生労働省に提出しています。厚生労働省の審議会では「メラニン生成の抑制作用がある」としていますが、山口氏の論文ではそんなことは書いていなくて「細胞傷害性が白班を引き起こす機序である」と明記してあります。
つまり、最初から細胞自体を壊して、その結果「白班」が出現するということは判っていたのです。それがどうして化粧品の成分として承認されたのか、不思議でなりません。
カネボウの言い訳
本当の論文は
- 脱色素の回復は徐々だったが、完全にはなくなっていなかった
- 治療はしなかったが顔の脱色素はほぼ消失
- 手首の白班はわずかに回復
となっているのに、なんでこれが
「時間の経過で治癒」したになんだろう❗
担当した人は「要約」したため「正確ではなかった」と素直に認めているそうですが、それって要約ではなく、誤訳であり、都合のいいように拡大解釈したことじゃないの?
カネボウと厚生労働省の言いなりのような気がする皮膚科学会
皮膚科学会が声明を出していますが、「回復した人も多い」とか「時間とともに症状は治まる」との解釈ができる内容に安心した被害者も多いかもしれませんが、本当に回復して治癒した人がいるならその症例写真を一枚でも発表掲載すれば、被害者の方も安心するのになんでしないでしょうか?そんな症例本当にあるんだろうかって多くの人が思いますよ、今の広報体制では。
専門医でも見分けがつかない白班
「安全性に関する特別委員会」が行った調査でも、専門医で化粧品が原因か、尋常性白班が原因かを判定してもらったところ
- 判定可能 14%
- 判定不可能 40%
という結果がでました。
つまり、専門家でも化粧品によって白班が生じたのか、あるいは通常の病気である尋常性白班なのか、区別がつかなかったいうことです。少なくとも今回問題になった化粧品を使用していればロドデノールが原因って判別できそうな気がしますけど、大丈夫ですか皮膚科専門医の先生方。
未だに様子を見るというカネボウ白班の治療
ロドデノール入り化粧品による色素脱失、つまり白班被害の治療は
- 使用の中止 ⋯当たり前
- 時間とともに何らかの改善は見られる⋯当たり前
- 組織学的に尋常性白班と見分けられる点もある⋯皮膚の一部を採っての検査、被害者がしますか?
が皮膚科学会の方針です。ハテナだらけではありませんか?
さらにこんな発言いいんでしょうか?
「皮膚の色調のコントラストを目立たなくするために、ビタミンC,ビタミンE,トラネキサム酸の内服薬を処方しましょう」って偉い先生が発言していますが、ビタミンEが美白効果あるって初めて知りましたです私。
それにトラネキサム酸って色素の治療には保険の適用ありませんけど。
今回のブログはカネボウがファンデーションの中身を入れ間違えたことが発覚した報道を見て、怒りながら書きましたので、後日内容を訂正する場合もあります。