ウイルスは地球外から飛来してきた、というトンデモ説が超一流医学誌に掲載されています。常識にとらわれない懐の深い医学専門誌に脱帽状態です。しかし、ランセットに掲載された地球外から飛来したウイルスとされるSARSは地球の生物の間から見つかっており由来は明確となっています。中国で原因不明の肺炎患者が続出していることがお正月早々報じられています。原因不明の肺炎の原因も宇宙から飛来したウイルスなのでしょうか?
本記事の内容
インフルエンザなどのウイルスは宇宙からやって来た?
昨年末、このニュースを見て、「そういえばSARSのウイルスは宇宙から地球に降り注いできた」とのトンデモ説を唱えた真面目な研究者がいたことを思い出しました。
2003年にSARS(重症急性呼吸器症候群)が中国を発生源として世界的な規模で流行しました。日本でもパンデミックという言葉が一般的に使われるようになったのも、このSARS発生がきっかけだったように記憶しています。
香港でもマスク姿でSARS感染を防ごうとした人々の映像が当時メディアで取り上げられましたね。
このSARSが世界中を恐怖に陥れた時
SARSの原因となったウイルスは地球外から飛来して来た❗
との、どう考えてもトンデモな説が超一流医学誌に掲載されています。
ウイルスは地球外生物だった説は医学専門誌に掲載されています
医学専門誌と言ってもピンからキリまでありまして、同人誌レベルのものから掲載されたら世界中から称賛されるレベルのものまであります。
私がEvernoteに記録していたのは、医学専門誌として超トップレベルであるあの「The Lancet (ランセット)」に掲載された、「SARS—a clue to its origins?」(PMID: 12781581)では、成層圏で大量の微生物を発見し、SARSはこの地球外から地上に舞い降りた微生物である、と述べられています。
Google翻訳で日本語に訳すと「SARS—その起源の手掛かり?」。しっかり医学専門誌に掲載されています。でも、この説はどうみても変というか、トンデモなんです。
この研究者は1917年から1919年に世界的に大流行して5000万人以上が死亡した、あのスペインかぜの原因であるウイルスも地球外から飛来したものだし、14世紀ヨーロッパで大流行して世界の人口の4分の1が死亡したとして知られているペスト(黒死病とも呼ばれました)も地球外から飛来した微生物が原因である、とさえ述べています。
少なくともSARSは地球外から飛来したウイルスが原因じゃないよ
私のような長年トンデモ案件をウォッチングしてきた人間にとって「地球外生命」はぜひ実在してもらいたい、との気持ちを持ちながら、いろいろ調べてみると「でもさあ、やっぱり地球外生物じゃないよねえ」と最終結論に至り、毎回、毎回残念な気持ちになってしまうのです。
結局のところSARSの原因となったウイルスはハクビシンやタヌキなどの野生動物が発生源であることが確認されて、今では謎のウイルスは新型コロナ感染症ウイルス科ヒト新型コロナ感染症ウイルスと、ごくごく当たり前の名前を付けられてしまっています。
ちなみにこの論文(?)は今でもランセットに確かに掲載はされていますが、「CORRESPONDENCE」コーナーに掲載されています。これって「通信欄」というか読者からのお手紙の類と考えていただいても良いかも。でも、超一流医学誌に「ウイルス地球外から飛来説」が掲載されているのは事実ですよね。
ウイルスが地球外から飛来したわけないじゃん、とは言い切れないかも?
ヒストリーチャンネルの「古代の宇宙人 夢の年末一挙マラソン!」を年末に観まくっていた影響なのか、ウイルスが地球外から飛来した微生物では無い、と否定する気持ちがどんどん薄れて来ました。
例えばこんな話をヒストリーチャンネルと共に私が好きなディスカバリーチャンネルは報じています。
宇宙から飛来するバクテリアたちが人類を滅ぼす⁉(https://www.discoverychannel.jp/0000031040/)より
1969年、南オーストラリアに飛来した隕石からバクテリアの化石のようなものが見つかった。宇宙空間に耐えられるような生物がいるはずがないと思うかもしれないが、宇宙からバクテリアが飛んでくるという考え方は決して突飛なものではない
まあ、生命の源である何かが隕石中に混じり込んでいると、かなりワクワクする話になるはずなんだけど、続報は無い模様。バクテリアは細菌であり、ウイルスとは違った生き物だしね笑。
ヒストリーチャンネル、ディスカバリーチャンネルと並んで観る機会が多いナショジオではこんなことを。
「最強生物」クマムシ、衝撃のDNA構成が判明
11月23日付の科学誌「米科学アカデミー紀要(PNAS)」に掲載された論文によると、クマムシには全体の17.5%にも相当する大量の外来DNAが含まれているという。
ってことは、真空でも生きることが可能なクマムシはひょっとして、地球外の生命のDNAが組み込まれちゃっているのかもしれません。ヒストリーチャンネルの宇宙人関連番組なら、間違いなく宇宙人が地球の生物に未知のDNAを打ち込んだ、って解釈するでしょうけど。
ウイルスだって、もともと地球上の生き物では無く、ひょっとしたら宇宙から地球に飛来して来た可能性もゼロじゃないかも、なんてことを考えながらお正月をのんびり過ごすのもなかなか味わいのあるものです。
ちなみに地球は球体では無く、平面であると信じている人が世界には数百万人もいるらしいですが、
これはありえませんよねえ⋯。これはブログにしました。
正月早々になんでこんなブログを書いたかというと、医学専門誌に掲載されたことによって全てが証明されたことになならない、それがどんなに超一流の医学専門誌であっても、たまにはヘンテコな論文が掲載されることがある一方で、二流三流と言われている医学専門誌であっても、ピカリと輝く論文が無いわけじゃないよ、と皆さんにお伝えしたかったからです。
医学専門誌に掲載されました❗って化粧品やサプリの広告の多くがインチキだけど、こんなこともあるのです。インチキ広告の実態は
だったりします。特許取得❗って広告しても、
だったりもします。このサプリを販売していた会社はその後景表法に基づく措置命令を受けました。
趣味と実益(?)を兼ねたトンデモウォッチングと正しい医療情報を今年も皆さんにお伝えしていきますね。