2000万円超整形美人「整形サイボーグ ヴァニラさん」の自伝的エッセイ本発売について

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高校卒業いらい美容整形を繰り返し行ってきて、今までに美容整形手術に総額2000万円超を使用してきたという整形サイボーグ美女という名前でマスメディアに登場しているヴァニラさんについて、ブログ「フランス人形に憧れた?総額2000万円整形サイボーグ「ヴァニラさん」の全身整形を見て「美」について考えた」を書いた私としては非常にショッキングなことがありました。

というのも今回、ヴァニラさんが自伝的エッセイを出版するとの報道があったからです。

ヴァニラさんの自伝的エッセイ本のタイトルが「超整形美人」だそうです

今回出版される本の題名は「超整形美人」、以前私はヴァニラさんの考えている「美」は一般人が考える「美」とは全く違ったものであり、そのブログでは不条理という言葉を使いましたが、美を超えた、一般人の常識を超越した超の付く「美」を目指していると彼女を解釈していました。

彼女の最終目標は「フランス人形」とのことですから、ウクライナにはバービーになりたいと整形美容を受け続ける女性もいる広い世界ですから、子供の時に印象的で大人になっても忘れられない思い出に憧れ続ける人もいて不思議ではないのですが、ご自分の肉体を改造して目標に近づこうとする人は少ないはずです。

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http://girlschannel.net/topics/8100/
となりはお父さんとのことです

私たちの世代より少し上の人にとって元祖サイボーグともいえる「鉄腕アトム」という漫画・アニメーションがありましたが、少なくとも大人になって「俺、今度鉄腕アトムになるわ」という人を見かけたことはありません。ロボットもの、サイボーグもののヒーロー全盛時代に育った私たちもヒーローの生き方に共感したり、悪者をやっつけていく姿には憧れましたし、コスプレ的なことをして遊んだ記憶もお持ちの方も多いとは思います。

しかし、美容外科的手術を受けてヒーローの容貌を真似た人は当然いませんし、彼女のように整形サイボーグ美女を目指す人は残念ながらというか当然私の周囲にはいません。

美容整形外科処置を受けることによって外見をいくら変えても内面的な美しさを備えなければ先進国である日本では決して「美人」と呼ばれることは少なくなっているのではないでしょうか?外見が整っていても中身がないペラペラの人なんて言い方もします。

私は何も彼女が中身がない人であるといっているわけではありません。人工物はあくまで人工物であって、自然が生み出したものには残念ながら人間では太刀打ちできないのです。

なぜなら世界遺産にも指定された富士山は世界中の人から見て「美しい」と感じてもらえますが「東京スカイツリー」を見て「美しい」と感じる人もいるでしょうけどほとんどの人は「凄い高さ」が第一番目の感想ではないですか?自然の美しさを人工物が超えることはできないのです。

総額2000万円超でご自分の美を目指しても全く問題ありません

ヴァニラさんが、大金を投じてご自分が憧れるフランス人形を目指して美容整形の手術・治療を繰り返し受けることは全く問題は無いと思います。この問題がないとは無関係である一般人にとってという意味です。

でも、時々リスキーとされている手術を受けているようですので十分な事前の説明を受けて手術にはリスクが伴うということを理解してから、治療を受けていただきたいと思います。

美容整形外科とは、このような考え方をしてください

親に与えてもらった容姿に手を加えるのはいかがなものだろう的なご意見をお持ちの方も多いのですが、当人にとっては大問題であり、毎日鏡を見ては悩み苦しんでいる方も多いのです。 決して、お隣の国のように就職に有利だとかそのような即物的考えではなく、100%ご自分の問題なので、自己判断を正しく下していればそれほど責められるものではないと私は考えております。

一つ問題があるとすれば「整形依存症」という精神的な疾患です。現在自分が恵まれていない環境であるのは全てが自分の容姿に問題がありそれを解決すれば、悩み事が全て解消して明るい未来が開けると思い込み、だれがどう見ても必要のない美容整形を受け続けてしまう症状です。

なかにはそのような患者さんを限りなくエンドレスな美容整形スパイラルに陥れさせている美容外科医がいると思われることは否定できません。

ご自分の美意識を周囲に伝える方法として本を出版することが非常に気になってしまいます。

バラエティ番組「私の何がイケないの?」では多くのコメンテイターや芸能人に囲まれながらヴァニラさんがいじられる、という設定ですので厳しい突っ込みをする芸能人にたいして「あんたも整形してんじゃん」的にヴァニラさんの擁護に回ることもありますし、「総額2000万円も整形に使ったの」的驚きを示すコメンテイターに対して「あんたの乗っている車、軽く2000万円以上じゃないの」と整形サイボーグヴァニラさんをかばってしまう気持ちになってきてしまうのです、私の場合は。

ご自分の美意識を他人に押し付けるような内容であったら、彼女の「美」は特殊な考え方ですし、「みんなもどんどん積極的に美容整形をした方がいい」といった内容の発言が目立ちますので美容に携わる一医師としては、余計なお世話に感じられます。

常に「美容整形」に市民権を与える、と主張している彼女ですが、美容医療は少なくとも日本では既に市民権は得られていると思います。

自伝本,特にエッセイ本はいけません

日本は言論の自由はもちろんのこと、出版の自由も守られている国ですので、どの様な本を出版されようが制限を受けることはありませんが、ヴァニラさん、本はマズイですよ。

まだ、現時点で彼女の本「超整形美人」は発売されていませんので、当然読んでいませんので私の考えがまるっきり見当はずれの可能性がありますので、その時はゴメンナサイです。 一般的に本の場合、著者が読者に直接語りかける、直接考え方をを伝える、更にエッセイの場合はその時々の出来事や思ったことを読者に当たり前のことであっても興味深く思わせるか、同感・同意を求める形を取ることが多いです。

周りにはヴァニラさんの暴走を止める芸能人やコメンテイターはいない本の世界ですので、読者と整形サイボーグ美女バニラさんとの二人っきりでフォトエッセイ「超整形美人」の世界に閉じ込められてしまうのです。

自称?超整形美人ヴァニラさんの影響力

以前のブログで彼女が美容整形を受けたことは周りに知らせるべきだ、積極的にカミングアウトするべきだ、との意見はあまり整形美容業界にとってプラスにはならないのではないかと考え意見を述べさせていただきました。彼女が少なくとも私や私の周囲の人から彼女が「美人」との評価は得ていないからです。

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当院でも美容医療を積極的に行っていますが「整形サイボーグヴァニラさんのようにしてください!」なんて希望をお申し出になる患者さんは今の所いませんので、マスメディアの影響力は多大ですが、残念ながらマスメディア+整形サイボーグのタッグはそんなに世の中には影響をおよぼしてはいない状況にひとまず胸をなでおろしています。

しかし、彼女がメディアに露出すれば露出するほど美容医療が胡散臭く見えてしまい、美容整形経験者は周りに知られたくなくなるでしょう。また新たにコンプレックス解消のために治療を考えている人に現在の美容外科医の技術があの程度と思われてしまうのは、多くの心ある腕に覚えのある美容外科医にとっては辛い状況と言わざる得ません。

だってあんな見え見えバレバレの美容整形なんて美容後進国中国の人だってやりませんって❗

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

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