Lipoは脂肪という意味です。Cryoとは低温とか冷凍という意味になっています。つまり脂肪を冷却するという英語のイメージを伝えたネーミングです。
製造メーカーは美容機器としては珍しくスペインです。
LiPoCryo(リポクライオ)とは
以前、このリポクライオについて「部分痩せの新しい考え方」というブログを書きましたが、もっと詳しく知りたいとのリクエストがありましたので、今回はかなり詳しく説明していきます。
リポクライオは吸引しながら脂肪を冷却していきます。
メカニズムは結構単純です。皮下脂肪を含んだ皮膚を掴み取るバキューム作用と冷却すための選択的クライオ技術を組み合わせたものです。しかし、この陰圧で皮膚を引き込む力と均等に冷却をするためには高度な技術が隠されています。
この様なヘッドをジェルを塗った患部に当てていきます
ここで疑問がでてきます。脂肪は冷却することは分かったけど、一緒に引き上げられた血管や神経は傷つくことはないのか?しかし皮下の脂肪細胞は冷却に反応しやすい状態になっています(脂肪酸が飽和している為)。一方、血管や神経は冷却に対して反応が鈍くなっていることが知られています。その為に他の組織に損傷を与えることなく、脂肪細胞のみを除去することが可能になっているのです。
リポクライオの効果は実証済みですし、安全性は複数の論文によって証明されています。
左写真:表皮・血管・神経に損傷が出ていないことが組織学的に証明されています。
破壊された脂肪はどうなるのか
脂肪細胞は冷却により、結晶状になり細胞としては活性を失った状態になります。2-6週間に渡って脂質が放出され細胞の崩壊が起こってきます。これらのアポトーシスを起こした細胞はマクロファージと呼ばれる細胞によって消失していきます。
傷ができた場合、損傷した細胞がマクロファージによって綺麗に除去されるのと同じ作用と考えてください。
リポクライオは繰り返し治療が可能
超音波によって脂肪を破壊するライポソニックスは脂肪の厚みが2.5センチ以上ないと適応になりません。このリポクライオは脂肪の厚さによる治療制限はありませんので、理論的には複数回の治療が可能となっています。
陰圧でバキュームするため治療する部位に自然とヘッドは固定されます
一回で希望するサイズまで減量できない場合は複数回の治療を行う場合がありますが、3回くらいの治療によってほとんどの方は満足いく結果を得ています。治療の間隔は45日毎が適当であると推奨されています。
効果の判定は
このリポクライオもライポソニックスと同様に破壊された脂肪細胞が吸収されるまでは一定の期間が必要になります。現在確認されているデータによりますと、脂肪減少の40%程度が15日で現れてきます。
この様にたるんでいる箇所に効果的です
40%脂肪が除去されると目で見て明らかに効果を実感できるとされています。最終的に脂肪の減少効果が100%に達するには6週間程度必要と考えられています。
実際に減少する脂肪の厚さは3-15ミリと個人差がありますので、治療後6週間経過してから再度治療を繰り返すかを決定しています。
リポクライオをお薦めできる方のイメージ
局所的な脂肪の除去に効果を発揮する治療器ですので、全身の肥満にお困りの方は残念ながら適した治療方法ではありません。特に適している箇所は脇腹・二の腕・太もも・膝の上の脂肪と当院では判断しています。つまり局所的に集中して脂肪を除去したい方にお薦めしている治療法です。
この図にあるような箇所が治療に適しています