部分痩せの新しい考え方【冷却して脂肪を溶かす】リポクライオという痩身法

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当院では超音波によって脂肪を溶かす治療器ライポソニックスを導入して8か月が経過しました。

お陰様で事故もなく安全におなか周り、お尻周りの贅肉を取り除き快適な生活を送っている方が増えて嬉しく思っています。

しかしながら多くの患者さんに治療してきてライポソニックスの欠点も明確になってきました。

部分的に脂肪を溶かす方法

ライポソニックスの欠点は以下の3点です。

  1. 脂肪が2.5センチ以上ないと治療ができない
  2. 中には超音波が発生する熱に対して痛みを強く感じる方がいる
  3. 脂肪が多めであり一回の施術で十分効果が得られても、追加の施術をすると脂肪の厚みが2.5センチに満たない

この様に効果は確実にあるのですが、ご希望の部位にライポソニックスを照射できない場合も出てきたのです。

そこで脂肪を冷却させて溶かしてしまうシステムの痩身マシーンの導入を検討していました。しかし、海外で冷却して脂肪を溶かす機器によって皮膚の壊死を起こしてしまった例があるとの噂がありましたので、慎重にデータ収集、情報収集に時間を費やしていました。

幸いにしてそのような事故が明らかになった情報は医療機関では見当たりませんでした。そこで代表的な治療機器二台をピックアップして、その臨床データ・論文を読み込んで選定をおこないリポクライオ(lipocryo)という機器を導入しました。

リポクライオの効果は組織学的に証明されています

脂肪細胞はある一定の温度まで冷却すると、崩壊してしまうことが知られています

リポクライオの効果の組織学的エビデンス

一定の温度、そして一定の時間が治療を効果的にするポイントです

この様に均一に一定の温度まで皮下脂肪を冷却することは、かなり難しいメカニズムが治療機器に求められます。そうでないと効果が出なかったり、逆に皮膚の表面を冷やし過ぎて壊死を起こしかねないのです。

このハードルを超えられた治療機器はリポクライオともう一種類だけだったのです。よくよく調べてみますのこの技術はリポクライオを開発した医療機器会社ともう一種類の冷却して脂肪を溶かす機器を開発したメーカーの間で特許を巡って激しい駆け引きが行われていました。つまり、この一定レベルの課題をクリアした技術は同じものだったのです。

今回当院が導入したリポクライオはスペインのメーカーが製造しています。もう一つはアメリカのメーカーが製造した「ゼルティック」と呼ばれる治療器です。ゼルティックの方が日本にはいち早く紹介され導入されているので、すでにその名前をご存じの方も多いと思います。つまり、ゼルティックとリポクライオはメカニズムは同じものと考えていただいて結構です。

この治療も効果はライポソニックス同様に即効果がでるものではありません。治療後数週間に渡って破壊された脂肪細胞が吸収していくのを待たないといけません。しかし、ライポソニックスが治療効果がマックスに達するのに3ヶ月ほど要するのと比較すると短めで効果がマックスに到達します。

lipocryo_2

どんな仕組みの痩身治療機器か?

こんな態勢を患者さんに取っていただき、楕円形のヘッドが陰圧をかけて余計な脂肪を吸い上げながら、冷却していきます。

痩身治療器リポクライオの治療風景

陰圧をかけますので、二の腕などの皮膚がデリケートな部分は内出血状になることがありますが、一週間から10日前後で消えますのでご安心ください。

リポクライオの治療効果はどんな感じでしょうか

二の腕って患者さんが思っているほど皮下脂肪が無い場合が多く、ライポソニックスが適用できないことで多くの患者さんが不満をもっていました。リポクライオは皮下脂肪が何センチないと治療できないという制限がありませんので、二の腕の治療に効果を発揮しています。

リポクライオ、二の腕の治療ビフォーアフター

また男性に良く見られるのですが、腹部の筋肉はかなり鍛えていてもどうしてもだぶついた脂肪が気になる方。実際に測定すると皮下脂肪が2・5センチに満たないためにライポソニックスでの治療を断念した方。そんな方にこのリポクライオはうってつけです。

痩身治療器リポクライオの腹部治療のビフォーアフター

私じゃありませんよ!

当院のボディシェイプのライナップはひとまずこれで終了です

今まで顔を中心に治療を行ってきた当院ですが、スリムスペックの導入をきっかけとしてボディの痩身に力を入れだしています。ライポソニックスもそうですし、今回導入したリポクライオも脂肪を融解して除去する方法です。

なぜ、このような分野に手をだしたかというと、当院で脂肪を取り除く治療としてスタンダードな脂肪吸引を行っていないために、どうしても贅肉を取りたい人が脂肪吸引に走ってしまうのを阻止したいがためです。以前、ブログで脂肪吸引のリスクを書きましたが安全性が確実に確保された治療とは言い難いのです。今後、技術的に安全性が確保されれば脂肪吸引も行うとは思いますが。

患者さんと共に進化をしていく当院は安全で効果が確実な治療法のみ実践していきます!いくら流行の治療法でも安全性や効果に疑問があるものは採用しません。逆に一般で流行っていなくても安全で確実な効果がある治療法は日本で最初であっても積極的に導入してまいります。この方針は今後もぶれることはありません、キッパリ。

この記事を投稿してから約8年。やっと安全な脂肪吸引ができるようになりました!

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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