受動喫煙が問題になっていることは周知の事実だと思います。
そのため、第三者がたばこによって健康を損なわないための一定のルールが必要になっています。
しかし、喫煙者もそのことは十分承知のはずですが、どうしても自分には甘くなってしまう傾向が調査によって判明しました。
アメリカでは受動喫煙が原因で年間5万人が死亡との報告
受動喫煙によって肺がんや心臓疾患だけでなく、子供に対しては喘息や乳幼児突然死との関連ではなく、現在では原因と関係あるとされています。今回、Smoke-Free Rules and Secondhand Smoke Exposure in Homes and Vehicles Among US Adults, 2009–2010(Prev Chronic Dis 2013;10:120218.)との題名で受動喫煙の実態を調べた論文が投稿されていました。
自発的禁煙のルールは守られない
今回の論文の結果は
・自宅で禁煙ルールを決めている人
喫煙者 48.0%
非喫煙者 89.1%
・車の中の禁煙ルールを決めている人
喫煙者 27.0%
非喫煙者 84.9%
これは自分で自発的にルールを決めている人のパーセンテージです。これだけでも喫煙者は自分にルールを課すのが甘い傾向が認められます。
しかし、非喫煙者側からすると
・自宅で受動喫煙の被害を受けた⋯6.0%
・車の中で受動喫煙の被害を受けた⋯9.2%
となっていました。
これは一週間のうちに受けた被害ですので、長期調査が行われていたら、被害状況はさらに悪化することが予想されます。また、今回の受動喫煙被害を受けた人は成人に限っての調査でしたので、子供も含むと喫煙被害の数字は上昇することになるでしょう。
なぜこのようなことになっているか?
公共の場所で喫煙できない状況により、自由に喫煙ができる場所は家庭内に限られてきました。しかし、家庭内であっても家族に被害が及ぶことに注意をはらわなければいけないために、家庭内ルール・自主管理的ルールが必要になってきています。
喫煙者も受動喫煙の危険性を感じてはいながら、たばこを吸いたいという欲望に勝てないために「ルールを決めていても守らない」「そもそもルール自体を作っていない」ということになります。
アメリカ独特のデータも追記されていました。
・非ヒスパニック系アフリカ系米国人
・教育レベルが低いもの
上記に当てはまる人で非喫煙者において受動喫煙のリスクにさらされる率が高まっていました。
今回の調査の対象者です
今後どうすればよいか?
アメリカの公衆衛生局長は「受動喫煙のリスクを避けるためには全面的禁煙しかない」と告知しています。さらに「窓を開けたり換気を良くしても効果は期待できない」とまで言っております。
もし、どうしても禁煙を認めない方はたばこを吸うためには、
・ひとり暮らしをする
・喫煙者だけで生活をする
・自分の車には人を乗せない
などの工夫をしなければなりません。
自分の問題だからいいじゃないか!という理由はなりたちません。医療費も喫煙者の方がかかってしまうことがわかっています。
そもそも喫煙者は自分で決めたルールを守らない傾向が今回の調査で判明したのですから。