現代人はとにかく健康に対して、必要のない不安を持っているようです。健康のために運動する行動でさえ、人類の歴史を考えるとつい最近の話なんです、昔は普通に生活するだけで今より運動というか、体を動かしていましたからね。
本記事の内容
解毒=デトックスは医学的な表現ではないけど
昔の人は無農薬・有機肥料を作ったオーガニックな食品を食べて、空気だって今のようなに汚染されていなかったんだよ、と「昔は良かった幻想」に惑わされている人も多く見かけます。昔をどの時点に設定するかによって、汚染の度合いも違ってきますけどね。とにかく現代人は汚染された大気に囲まれて生活をして、人工的に加工された食品を摂取して、病気になれば化学合成された薬を飲んでいるから
とにかく体内から毒素を解毒して、デトックスしなきゃ
との不思議な風潮が意識高い系の方の間でブームとなっています。
そもそのデトックスで排泄される毒素自体がなんなのか明確になっていません。
週末はプチダイエット的にジュースクレンズをしてデトックス(これの体験レポート以前ブログにしました)、ホットヨガで体を動かして余分な毒素を排泄、化学物質で汚染された食品を摂取したのでサプリを飲んでデトックス。
意識高い系の人ってよほど酷い環境で生活をして、汚染された食品を食べまくっているのでしょうかね。でもね、人のカラダはもともと解毒システムが備わっていて、デトックスを十分しているんですけど⋯。
人のカラダの解毒というかデトックスシステムはこれだ❗
過酷な環境を耐え抜いてきた人類は生命の維持に不必要となった物質を体外に排出する構造をもともと持ち合わせています。例えば汗・便・おしっこなどです。その中でもデトックス(医学的じゃないけど)の中心である肝臓(私の専門の泌尿器領域の腎臓もお忘れなく)と腸のデトックスシステムを説明しますね。
体内に入り込んだ食品添加物やアルコールや薬はある意味では全て有害物質です。この有害物質を分解して体外に排泄するために肝臓は休みなく大活躍しています。まず食品や薬をして体内に入った物質は、腸において消化・吸収されますが、この腸は有害物質が体内に行き渡らないようにブロックしています。
変なものを口にすると下痢を起こして吸収されることなく、排泄されるのは腸の防衛システムによるものです。しかし、この第一次防衛線を超えてしまう健康に反する物質もありますので、血流に乗って肝臓に運ばれて最終処理されることによって、人体への悪影響をできる限り小さくしているのです。
肝臓に負担をかけないように、腸はこんなに気を使っているんだよ
アルコールを大量に摂取してしまうオッサンの肝臓がボロボロにならないように、腸にはこんな防御システムが備わっています。
腸の上皮細胞が侵入した有害物質を検知 → 解毒作用のある酵素を選択 → その酵素が有害物質を退治 → 退治された物質は細胞外に排泄
通常の生活を送っている限りは、これらの腸と肝臓のコンビネーション防御システムによって、有害物質はおいそれと体内に吸収されることはないのです。あえて高額な治療費を払って「デトックス治療」をエステや美容クリニックで受ける必要はない、と私は確信しています。
もちろん事故等で有毒ガスを吸入したり、中毒を起こす化学物質を飲み込んでしまった場合は速やかに医療機関の受診が必要ですけど、その場合は薬物によって「解毒」したり、毒性を「阻害薬」で押さえ込みます。「急性アルコール中毒になったんでデトックスしてください」なんて言ったら、間違いなく「はぁ?」って対応されちゃいます。
オーガニックなデトックスライフを送っている人の特徴
美容系情報誌やネットに書かれている多くのデトックスはお金がかかりますし、不必要に不安を煽る食品添加物を避けてオーガニック食材だけを購入したら、食費は膨大になってしまいます。
経済的に二極分化していると考えられる日本において、デトックス生活を送りつつオーガニックライフを享受できる層は個人的に嫌悪感を抱く言葉である「勝ち組」であり、意識が高い系なのでしょうね。だからこそ自分の毎日の生活をブログにしたりして自慢しつつ、信者さんを獲得している一派も存在しています。
私は水素水などもたっぷり使用しているのよ、と水素水風呂をご披露していた方を見かけました。なんでご自分の私生活、それもゴクゴク普通の生活をしている人には時間的にも金銭的にも継続は難しいようなライフスタイルを誇示するんでしょうかね?そんな水素水風呂より、入浴時に思わず「オナラ」をした方がたっぷり水素が入っているんですけど、デトックスにもなるしね(笑)。