2015年の人口動態の統計によると特殊出生率が前年を上回り、赤ちゃんの出生数も増加したことが先日報じられました。
その理由として安倍政権の経済対策が功をなし、経済的な余裕ができたためと解説してる記事が目立ちましたが、本当かよ的なレスポンスをした方も多いと思われます。
本記事の内容
やっと昨年は赤ちゃんの数が増えた
生まれてくる赤ちゃんの数が減りながら、高齢者・超高齢者の数が増えることは国の財政面でかなりマイナスである、と一般的には考えらえています。
赤ちゃんが多く生まれるためには、子育て支援の工夫や保育所の増設が必要であることは間違いないのですが
2026年の平成38年に大問題が発生する可能性があります
丙午(ひのえうま)というバカバカしい迷信が出生数に多大な影響を与える可能性が21世紀になってもあるのです。
今まで多数のニセ医学・疑似科学を批判してきました。ブログを読んで、「ニセ医学を信じるところでした」「疑似科学に騙される寸前で助かりました」なんて感想は一度も頂いた記憶がありません。信者さんは自分で調べようともしないのでしょうね。
となると、本当にバカバカしい迷信である「丙午(ひのえうま」を信じてしまう、あるいは世間体を気にしてしまう人が今でも潜在していると考えても間違いなさそうです。
こんなデマを垂れ流す輩もいます。
悪質❗「日本の奇形児出産頻度が増えている」はニセ医学の典型的手法、母親に恐怖を与える❗丙午の年の出生数は激減している❗
干支の一つである「丙午」は60年に一回あります(古い暦の十干と十二支を組み合わせたもの)。今でも結婚式などの祝い事は仏滅を避けますよね、これは「六曜」という暦の一つをなぜか多くの日本人が信じ込んでいるからです。
このグラフでも1966年(昭和41年)に生まれた赤ちゃんの数がガクンっと減少していることがわかります。前年の1965年に生まれた赤ちゃんの数は182万3697人、丙午の翌年に生まれた赤ちゃんの数は193万5647人、でも丙午である1966年に生まれた赤ちゃんの数は136万974人です。アホな迷信によって約50万人も出生数が減っているのです❗
よくよく検討すると、本当にアホな丙午の迷信
このグラフや統計数に対してこんな意見もあるかもしれません。
・丙午の年の1月に生まれた赤ちゃんを前年の12月に生まれたことにして出生届をした
・丙午の年の12月に生まれた赤ちゃんを翌年の1月に生まれたことにして出生届をした
迷信を信ずるがゆえに、基本的には14日以内に届けるべき出生届をずらした、との考え方です。「丙午の年に生まれた女性は夫を殺す」との迷信、全く科学的でないアホな俗説があったために、役所の方も多めに見たことでしょう。しかし、この「丙午」問題はかなーり怖いこともデータから知ることができます。
丙午に生まれた男女比が変なんです❗
丙午の年に生まれた女の子の数があまりにも少ないぞ❗ひょっとして⋯
一般的に生まれてくる赤ちゃんの男女比は105:100程度です(出生時男女比105前後)。この説明として男の子の方が、乳幼児期に死にやすい、体が弱いので自然の法則?として、男の子の方が若干多く生まれる、なんて言われています(この問題はいつか医学的・科学的に検証しますね)。
でも丙午である1966年の男女比は107.62であり、女の赤ちゃんの方が極端に少ない(嫌なことですけど、生まれてきて女の子だったから⋯)ってことはありませんでした。しかし、1966年の前の丙午である1906年はなんと108.68❗これはどう見ても異常値です。
1906年は明治39年の日本は当然、開国をしていましたし、西欧文明もきっちり導入していましたし、明治4年にすでに今と同じ暦(カレンダー)が使用されています。それなのに、何が悲しくて太古の中国で生み出された干支や陰陽五行思想に影響された「丙午」を信じなきゃいけないの???
なぜニセ医学・疑似科学は否定されなければならないか
自然の摂理に任せてオメデタ、出産予定日が丙午だけど両親はそんなの全く関係ないよ、と立派に女の子を育てた人は明治時代から多数いたことは出生数のデータから読み取れます。しかし、データ上明らかな異常値があり、丙午に生まれた女の子は誕生日をずらした、あるいは居なかったことにされていたかもしれません。
いくら両親が馬鹿な迷信を信じなくても、周囲にアホな迷信を信じ込んでいる人が多数いたら、その子は将来結婚しにくいかもしれませんし、近所で火事があったら「丙午生まれの娘がいたから」なんて本当に低脳な噂を立てられたかもしれません。
ニセ医学を信奉する人は自分の考えが絶対であり、それ以外の医学はニセモノなんで、スタンダードな医学治療をしている人を自分が信じ込んでいる疑似科学的手法によるニセ医学を薦めて、あるいは勧誘します。自分だけで信奉することに対してトヤカクいうつもりはないのですが、そんな方は丙午を信じ込んでいる人と同じレベルと言い切ります。
やっと増えた日本の出生数、次の丙午である2026年はどうなるか、興味津々です。