ホクロって黒いけど、赤いホクロがあるって本当?
患者さんが「黒子」という表現をされても私たち専門家の診断は違ったものになる場合が多いは、ホクロという疾患の定義が無いためです。ホクロは漢字でかくと「黒子」まさに黒い小さな点を表現したものです。しかし、どう見ても形態はホクロなのですが、色が黒くないものも存在します。
実は、ホクロという疾患の定義は存在しない
患者さんが「黒子」という表現をされても私たち専門家の診断は違ったものになる場合が多いのは、ホクロという疾患の定義が無いためです。ホクロは漢字でかくと「黒子」まさに黒い小さな点を表現したものです。しかし、どう見ても形態はホクロなのですが、色が黒くないものも存在します。そんな時患者さんは「赤い黒子」と私たちに伝えます。いいのですよ、赤いのに黒子と呼んでいただいて。もともと皮膚科領域の病気は病気の状態を明治時代の医師がいかに漢字で表現するかと苦心してつけた名前が多いので、やたら難しいのが正式名称です。例えばにきびは「尋常性ざ瘡」⋯ざという字が変換されません。「おでき」は「せつ」これも変換されません。やまいダレに節と書きます。
赤い黒子の正体
「血管腫」と呼ばれる皮膚疾患です。毛細血管が増殖したり、拡張することによって皮膚に盛り上がりを作り、まるで黒子なのに赤いという不思議な状態です。血管腫自体が人体にとって悪影響を及ぼすことは少ないのですが、出っ張っているがために、引っ掛かりやすく出血を起こすことがあります。この出血した場合が厄介なのです。通常怪我をして出血をしても、血が出続けることは少ないです。それは、出血しているのは当たり前ですが血管がダメージを受けたためですが、その血管自体が周囲の皮膚を構成している真皮や皮下脂肪に囲まれているために、自然と圧迫されて大出血には至らないのです。しかし血管腫は皮膚から飛び出て存在します。つまり周囲をとりかこむ組織が存在しませんので、ダメージを受けて出血を始めると人工的に圧迫を加えないと、血液を固める作用(血液凝固系の作用)によって止血されるのを待たないといけません。所謂「血液サラサラ」の薬を飲んでいる場合は悲惨です。ほんの数ミリの赤い黒子から寝ている間に出血しても、朝気づくと下着が血だらけなんてことも起きてしまいます。
赤いホクロの治療は具体的にどうするの?何をするの?
治療は簡単です。レーザー特に炭酸ガスレーザーで除去すれば、根本的に解決することができます。炭酸ガスレーザーの光は波長が10600ナノメーターで水に対しての反応が高いので、この性能によって生体を切ることが得意なレーザーです。さらに切った断面は熱凝固といわれる反応によって固まってしまいます。また傷痕が治る創傷治癒過程に要する時間も金属メスや電気メスに比べ早いのです。つまり血管腫のように水分に富んだ部分の切除に効果を発揮してさらに傷痕もほかの治療手段と比較してきれいに早く回復するのです。
赤い黒子を見つけたら、治療は迷わず、炭酸ガスレーザー別名CO2レーザーを選択してください。