男性でも目の下のたるみを気にすることが多いようです。そのためか、男性向けの目の下のたるみを改善する美容液が派手にネット広告を出しています。しかし、理論的には目の下のたるみを改善する・消す効果はまず期待できないと判断します。目の下のたるみを切らないで改善する方法を体験してみたので、レポートします。
本記事の内容
目の下のたるみとシワを集中的に治療してみました
歳を取ると、当然老けた顔になります。老けた顔の特徴はシミ・しわ、そしてたるみです。シミは紫外線の影響でできることはご存知で称し、レーザーで予想外に気軽に消すことが可能です。しわはボトックスやヒアルロン酸を注射することで、解消が可能です。
ではたるみを解消する方法ってあるのでしょうか?確実に顔のたるみを解消する方法として切る手術の代表であるフェイスリフトがあります。
切る手術であるフェイスリフトに踏み切るには、ちょっと勇気が必要かもしれません。
今回、多くの方が気にされているけど、切るのはイヤだとういう方向けに、顔でも自分でも見ても、「老けたな〜」と感じ、人に見られたときに、「あれっ、なんか疲れてない?」と指摘されがちな目の下のたるみを解消する、切らない治療方法をご紹介します。
症例は50才台後半のオッサン。職業は医療関係者とだけ明らかにしておきます。
今まで顔全体をリフトアップさせるウルトラフォーマーⅢとか、しわ消しのためのボトックス注射、ボリュームを出しつつ若干のリフトアップ効果を狙ったヒアルロン酸注射を受けた経験があるオッサンです。
どっかで見かけたような気がしたら、それは多分気のせい。
この最近、本を出したらしいオッサンを目の下のたるみとシワの改善をしたの治療方法を組み合わせて、どのような効果があるかを報告させていただきます。
1:HIFU⋯High-intensity focused ultrasoundの略で日本語だと高密度焦点式超音波、皮膚に強力な超音波を照射させることにより、皮膚の引き締め効果やリフトアップ効果があります。
2:QスイッチYagレーザー⋯一般的にはシミを消すために使用されることで有名なレーザーですが、今回は目の下の皮膚の奥にあるコラーゲンなどの張りを維持するための成分を刺激して増産させるために、シミ治療では使用しない波長を照射します。
3:スレッドフィラー⋯特殊な短めの溶ける糸を弛んだ皮膚の下に埋め込み、皮膚の張りと系の刺激によって線維芽細胞の増加を狙います。
4:高濃度PRP⋯この治療方法は再生医療として、当院は厚生労働省に届け出ているもので、ご自分の血液中の成長因子を抽出して皮膚に注入して若々しい肌を再生させる方法です。
上記の4つの方法を一日で済ませてしまいます。全ての治療は入ってから出るまで、約1.5時間ですから、お忙しいオッサンにもご利用しやすいエイジングケアだと言えますね。
私がネットを見ていると、間違いなく現れる広告の1つに「男性の目の下の肌のための化粧品」です(まあ、故意に踏んだんだから当たり前だけど)。
その成分や効果・効能を見ると
●目の下の皮膚はもっとも薄い
●加齢の影響を受けやすい
●老けた印象になる
●コラーゲンが失われるのが目の下の老化の大きな原因
●コラーゲンをサポートするビタミンC誘導体が含まれている
●コラーゲンをサポートする成分入り???
●ビタミンKがどのような理由か私には不明だけど、皮膚に潤いを与える
等の記載があります⋯多分、これで目の下のたるみやシワの改善は無理っぽいように感じてしまわないわけにはいかないです(どっちなんだ?)。
そこで効果効能や作用機序が不明な化粧品より、当院にあるエイジングケア治療法を組み合わせて、一気に気になる目の下のたるみやシワを解消しようと考えた次第です。
そういえばこの広告もよく見かけますよね。
これがありえない理由は、
このブログで解説してあります。
HIFUを使った目の下のたるみを改善
HIFUの超音波を出す部分をヘッドと呼んでいますが、このヘッドは皮膚の下何ミリ付近に集中的に超音波を当てるかによって、多くの種類があります。
今回は皮膚の奥にはQスイッチYagレーザーを照射しますので、上層の皮膚のたるみを重点的に改善させるため、2mmの深さ用のヘッドを使用します。所要時間は両目の下にたっぷり照射しても、10分もかかりません。
欠点はちょっと痛いことと、当院では経験はありませんが、理論的には火傷になる可能性は否定できません。
治療直後の写真です。
さすがになんの変化もありませんね。ちょっと超音波を当てたからといって、即効性は期待できないで、カタログ上では効果は2ー4週間程度で出る、ということになっていますが、経験上は一週間程度で、なんとなーく張が出てきた、という方が当院では多いです。
赤みや火傷風の跡が無いことをご確認ください。
QスイッチYagレーザーによる目の下のたるみ改善
この治療はちょっと痛いです。十分な熱量を加えることによって、線維芽細胞の再生を促すことを目的としていますので、痛みは少々我慢する必要があります。
あまりにも痛い、痛い、とおっしゃる場合はパワーを弱めますが、効果もそれなりに落ちる可能性もあります。
レーザー治療の名言:NO PAIN,NO GAIN
強めのパワーのレーザーを照射したために、点状の皮下出血が認められます。
どうしても、という方には麻酔を使用することも検討しますので、担当医にお申し出ください。
いよいよスレッドフィラーでのアンチ老化作戦の開始です
この症例である医療関係者(時々上から目線とネットに投稿されることがあることが悩みだそうです)はスレッドフィラーによる皮膚のエイジングケア治療は初めてとのことです。
これがスレッドフィラーです。
「ええっ、スレッドフィラーって針を使うんだっけ???」なんて、とぼけたことを今になって言い出す、わがままなこの医療関係者らしいオッサンです。
そこで局所麻酔の注射を打ってから、スレッドフィラーの針を刺して、皮膚の張りをもたらし、物理的に皮膚がたるまないようにテンションをかけるための糸を皮下に埋め込みます。
スレッドフィラーの挿入から身を避けるかのように、左を向けるという幼稚な回避行動をとったこのおっさんに、「院長、横向かないでください❗キーっ」と女性スタッフの怒声が飛び交いました。
スレッドフィラーによる皮下出血はありませんし、痛みも感じません(麻酔しているから当たり前じゃん)
そして次が今回の治療の基本でありつつ、エイジングケアの王者的存在の当院が誇る高濃度PRP治療の開始です。
ところが、急にオペ室の隣から、「院長、取材の方から電話でーす」と受付のおばさまの大声が聞こえたので、いったん治療は中止。ここまで要した時間はたったの30分でした。
気になる術後のダウンタイムはこれ
術後数時間後の状態はこんな感じです。
実際には自宅で入浴後に撮ったものですが、ダウンタイムとして懸念される皮下出血は全く広がっていません。痛み止めの薬も服用していません。
コンシーラを使えばここまで当日でも目立ちません(左目ね)。コンシーラーである程度は隠せますが、隠さないでもサングラス等を使用することでも、「どうしたんですか?」というウザい質問をかわせるかもしれませんね笑。
いよいよ、今回のメインイベント、高濃度PRPの開始です
ちなみの今回の症例となった私はしっかりと治療当日から診療を行いました。
自院で試験的にPRP治療を試みても、再生医療の決まり事として一例一例厚生労働省に報告義務があります。ちまたには再生医療とか、幹細胞とかをウリにした化粧品類が出回っていますが、本当に再生医療系の治療であるのか甚だ疑問です。
時間節約のために、1:のHIFUの治療を行う前に高濃度PRPで使用する血液を採取しておくことも可能です。
当院は厚生労働省に届け出して、細胞培養加工施設番号FC3150020をいただいております。通常のPRPと当院の高濃度PRPの違いや詳細は
当院が開始した高濃度PRPと従来のPRP治療の違いはこれです。
をご参考くださいませ。
高濃度のPRPはこのようなキットで作成します。
まずは採血します。
採血した血液を高濃度PRPを作成するための特別なキットに注入。
遠心分離器にかけるために正確に重量を計測。
遠心分離器にセットして数分待ちます。
この工程によって肌の再生に威力をはっきする血小板(赤の線で囲った部分)がゲットできます。あれだけの血液を採取しても、たったこれだけの量しか抽出できません。
これを遠心分離器に再度かけて、高濃度のピュアな血小板に加工して、治療に使用します。
この当院が誇る高濃度PRPを弛んだシワシワの目の下に注射をしていきます。痛みに関してはちょっとチクチクする程度です。
私の場合は1から3の治療を済ませた段階で、取材やら診療が入ってしまったので、メインの高濃度PRP治療は翌日に行いました。
黄色の線は高濃度PRPを注入する時の目安として付けています。
左右、一か所づつ針を入れることで高濃度PRPを目の下の気になる場所全体に浸透させることが可能です。
高濃度PRPを皮膚に注入するときに血管を傷つけないようにかなりの工夫を当院では行っていますが、そのあたりは企業秘密とさせていただきます。
治療直後の画像です。昨日行った1から3までの治療のダウンタイムは改善していますね。本日行った高濃度PRPの影響は目の下がちょっと膨らんでいるくらいであり、皮下出血は確認されていません。
今回の複合的な目の下のたるみ治療と目の下のリフトアップの本当の効果は1ヶ月後ですが、日常生活を脅かすようなダウンタイムは私の場合は経験しておりません。
最終的な結果については後日報告させていただきますね。
追記 治療後5日目の画像です
トップの画像と比較してみてください。目の下のたるみとシワは予想以上に改善してます。点状出血が吸収される過程で、若干黄色になっています。痛みはたぶんスレッドフィラーを入れた部分を強く押すとピリッとするくらいで、私の場合は日常の生活にはなんら問題ありません。
なお、点状出血の原因となったQスイッチYAGレーザーのパワー(ジュール)は実験的にかなり強めで打ちました。その後、ジュールを下げてスタッフに治療したところ点状出血は出ませんでしたし、私のように5日目で黄色い跡(もちろんその後消失します)も発生していません。
理論上および当院の経験上、効果はまだまだ右肩上がりに出てくるはずです。さらに追記するか別のブログにしますね。
追記の追記 約三週間後はこんな感じです。本人的には大満足ですが、もう一回くらいQyagを打った方が良さそうです。
おまけ:様々な治療方法を組み合わせて、何回も通院する必要がない目の下のたるみやシワの治療方法を当院は揃えています。気になる料金は12万3200円からです⋯私が試したのは高濃度PRPというかなり高度な技術を必要とする、ある意味マニアックな(ファンは多数)高価な治療を含んでいますので、全部の治療費の総計は43万2000円で提供させていただいています(この価格は定価を組み合わせた場合よりかなりお安くなっています)。
年末はとにかく予約がいっぱいになることが多いので、できれば11月中にお申し込みいただけると幸いに存じます。