人間ドック受けてますか?私は受けて問題が発見されました!その1

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今までまとめて検査する人間ドックって受けたことがありませんでした。

血液検査は自分のクリニックでできるし、CTとかは知人の医院で必要に応じて行っていました。内視鏡も同様です。患者さんに人間ドックを受けるならどこが良いか?と尋ねられる事が増えていますので、私自身が受けてみました。

本日受けてきた人間ドックの報告です。

医師の不養生、人間ドッグをはじめて受けました

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生命保険会社も利用している人間ドックを受けてみた

今回選択したのは超高級人間ドックではありませんが、一般に会社等が提携しているところよりはチョッと高級なドックです。まずは受付:二人の女性が受付をしていますが、どういうわけか二人ともマスクをしています。露出している目周囲は二人ともこれ以上は無理、というほどのまつ毛エクステばりばり。

「予約した桑満ですが」の言葉に「保険証と問診票をお出しください」とロボットの様な対応。ファストフード店の機械的な対応よりさらに機械的。気になって気になってしようがなかった

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サウナで着るような上下の甚平風の検査着を渡され、「奥のロッカーで着替えてテレビの前でお待ちください」とまったく抑揚のない声で指示をされました。でもテレビって待合室が少し複雑な形状をしていて3台あるので、どこで待てばいいのか、もっと丁寧に教えてほしかった。なんせ、初人間ドックで緊張しているものですから。

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これは当院の待合室です。(この待合室は開院当時のもの、その後改装しました)。

人間ドッグで呼吸機能の検査

まずは呼吸機能の検査です。呼吸機能というとどうしても肺活量を測ると皆さん思っているでしょうけど、実際問題になるのはいかに勢いよく息が吐けるか?ということなのです。甚平風の検査着を来たオジサン、約10数名がすでにTVの前で待っていました。

一応慣れた風を装って椅子で待つこと5分、「くわまつさーん」といきなり間違えた読み方で呼ばれました。

検診センターの婦長風の女性が機械的に身長・体重を測定。その時、「スリッパ脱いで裸足だと前のオッサンの水虫移ると嫌だな」と思っていたところ、スリッパは履いたままで測定する方式でちょっと安心しました。ちなみにオジサンが水虫をもらってくる頻度が高い場所はゴルフ場の浴場とサウナと言われていますのでご注意を。

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呼吸機能検査は前のオジサンが上手くできなくて、三回やり直していました。今度は私の番です。後ろに並んでいる人に見本を見せようと自信満々に二回呼吸をしてから機械に勢いよく「ふーっつ」と息を吐き出しました。

「あー途中で少し息を吸い込んでいますので、やり直しです」と担当者に指摘され再度挑戦。グラフを見せられて「ここでまた息すっていますよ」と指摘され恥ずかしながら前のおじさん同様に3回目に挑戦「えーっと、息はつづけて吐いてください」と冷たくしてきされ冷や汗タラタラ。

「このグラフをこうやって山の所をプロットするとチャンと吐く機能は解析できますよ」と余計なことを言ってしまった。担当者いきなり「主任❗ちょっと来てください」を叫ぶではないですか。

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態度が悪い患者さんがいるとチクられると焦っていると検査技師の主任が到着。グラフを見ながら解析をリセットして解析終了。「ここを押せばグラフはちゃんとでるでしょ!」と主任は担当者に少し怒った顔で指示した後、明らかな作り笑顔で私に「つぎの検査をTVの前でお待ちください」と伝えました。

どうもオッサンはTVを見せておけばオトナシクまっているとこの検診センターでは解釈しているようです。

次は問題のエコー検査の始まり、始まり〜❗

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次は腹部エコー検査です。私は自分のクリニックでエコーはよく使用しています。エコーは体には一切負担を掛けないで、熟練するとかなり細かい異常も発見でき有効な検査です。検査技師の女性は非常に丁寧に私の腹部にエコーのプローベを当てて全体をチェックしました。

時々エコーの画面を覗きこむ私に怪訝な顔をして「見ますか?」と尋ねました。「先生もエコー良く使われるのですか?」と尋ねられ一瞬焦った私。「えっ?どうして知っているんですか」「職業欄に書いてありますよ」ゲッと思いました。職業ばれていました。

そういえば問診票にどんな職業かって記入する欄がありました。私が得意とする腎臓のエコーも上手に描き出した検査技師さんの手が私の腹部肝臓付近でやたら何回もやり直しています。「脂肪肝ぎみでしょ!」と職業がばれた後なのでそんな戯れごとを言ったのですが、検査技師さん無言で肝臓付近をさらに検査。

「最近体重が減っていたり、食欲なかったりしませんでしたか?」と不吉な問いかけ

胆のうに異常を発見したようです。

「この胆のう以上に小さくて壁が厚いですね」⋯・私無言。だって胆のうが小さくて壁が厚いのって「胆のう癌」の所見じゃないですか。「先生一緒に見てくれますか?」って言われたってショック気味の私に正確な診断できるわけないじゃないの!数回取り直して私も一緒に診断して「胆のう腺筋種症」であろうと診断しました。

なんで私が診断するのかわかりませんが、医師法によって検査技師さんは検査はできますが、診断は出来ないことになっています。一応後日腹部の精査をやった方がいいでしょう、と判断していよいよ大問題の胃カメラ・大腸ファイバー検査です。

次回につづく⋯さらに問題が発見された⁉

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

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