自然派な人や反原発、反ワクチンは人は、次世代通信規格である5Gに怯えているようです。電磁波怖いはずなのに、おそらく電子レンジを使っているでしょうし、ワイファイの電波が飛び交う中、蛍光灯やLEDの灯りの下で生活しているはずなのですが、自然派なみなさんは地図にも載っていないような秘境で生活されているのでしょうか???それなのにネットで情報発信されているという謎。
本記事の内容
電磁波過敏症を煽っているトンデモさん、それを報じる女性自身
東スポと女性自身はトンデモ記事の宝庫として愛読させていただいています。
まず、ベルギーでは5Gは導入されます。(ベルギー通信大手2社が5G関連設備の調達先としてノキア、エリクソンを選定)
実は私は今まで数人の電磁波過敏症(多分ご自身で診断された)の患者さんを診察させていただいています。
幸いにして電磁波過敏症を治療を希望されたわけではなかったので、遠慮なく電磁波出しまくりの医療機器を使用させていただいたのですが、別に体調不良を訴えられなくて良かったです。
ところで電磁波とはどのようなものかをトンデモ系の皆さんはご存知なのでしょうか?
そもそも電磁波はマクスウェルが電気と磁気の研究結果として「電界が変動することにより磁界ができる」→「磁界と電界はお互いに変動しながら波にとして伝わっているのでは」→「それは電磁波があるからだ❗」との流れから予想したものです⋯って説明しても普通はチンプンカンプンかあ。
じゃあ、こんな説明はいががでしょうか?
電磁波の分類としては、電波・赤外線・可視光線・紫外線・X線・γ線があり、波長によって名称が異なっています。
そして、電磁波は距離の二乗に反比例してエネルギーが減弱します。
上記の二点を押さえておけば、なんでムクドリが次世代通信規格の5Gが原因で大量死した、が胡散臭いものであることが脊髄反射的に理解できると思うのですが。しかし、どうも今回のトンデモ記事というか
デマを流布して後押ししている方々の周囲では時空が歪んでいることも判明しました
それじゃあ、こんなトンデモ記事を後押しするような発言をされるのも致し方ないです(詳細はあとでね)。
トンデモ認定船瀬俊介氏はともかく、電磁波に詳しい医師って誰だ??
今回の女性自身のデマ記事の裏付け的役目を果たしている船瀬俊介氏については今までいくつかの案件を俎上に載せてきました。
同じ時間に投稿された女性自身の記事でこんなのがあります。
ここに登場する電磁波が人体に与える影響に詳しい医師が登場してきますが、この医師なんだかかなり変です❗(※個人の感想ですw)。
なんとこの医師のクリニックを受診する体の不調を訴える患者さんの約3割が電磁波過敏症⁉
そこでこの医師が営んでいるクリニックの医療機器を見てみると
電磁波飛びまくりじゃん❗
との結果を得ることができました。先生、5Gの件はおいとくとして、電磁波過敏症の患者さんを電磁波飛びまくりのクリニックでどうやって診察しているのでしょうか的な素朴な疑問を抱いてしまいますぜ。
自分でファクトチェックしてみよう❗
女性自身をクオリティの高い情報源であるとの認識を持っている人は別問題として、簡単なファクトチェック方法をお伝えします。まず、ムクドリの英訳して「Starling」、そして「5G」ついでに発生したとされるオランダ「Netherlands」をキーワードにして検索してみてください。
こんな感じの検索結果になると思います。
私の検索結果トップに表示されたのは「Snopes」という有名なファクトチェックサイトです。このサイトがファクトチェックサイトであることをご存知ない方は誤報道というかデマサイトに誘導されちゃうかぁ。
私はさらに「fact」をプラスして検索してこのサイトにたどり着きました。
このサイトではかなりねちっこくこの5Gでムクドリ大量死説を追っかけています。詳細な時系列を作ってしまうあたりに、海外のデバンカーのすごさを感じてしまいます(私はデバンカーというよりはトンデモ案件ウォッチャーです)。
結論から言えば、死んだムクドリが発見されたことがソーシャルにアップされたのが、2018年10月19日11:17。そして、5Gの試験が行われたのが、2018年10月30日。
なんで5Gは時間を遡ってムクドリを殺しちゃったの
ってことになります。女性自身およびコメントを述べている
船瀬俊介氏界隈では電磁波とともに時間も歪んでいるようですね
船瀬俊介さん、その辺りの反論をお待ちしております。
ちなみにカラスの死骸を町で見かけない、との子供のような疑問を抱いていたUFOの大家である矢追純一さんのような可愛げがないところが船瀬さんには感じられます。
医師がトンデモ信者さんに接した場合に気をつける点はこれ
ヘンテコな考えに毒された方を診察した場合、医師が気をつけないといけない点として、このような指摘があります。
「エビデンスで殴る」というやり方は、なぜうまくいかないのか現代ビジネスより
エビデンス至上主義で患者さんに接すると、間違いなく上から目線医師との烙印を押されるようです(当院調べ n=1)。となると、エビデンスを提示するのではなく、患者さんと一緒にトンデモの元記事(一次ソースってことね)を観ながら、時間の許す限りエビデンスじゃなくてファクトチェックをすることをオススメします。そして出来るだけ追い詰める形ではなく、一緒に笑えるようなネタを見つけると良いのではないでしょうか?
例えば今回の女性自身のデマ記事に関しては、船瀬俊介さんを俎上に載せるより(根強い信者の可能性もあるので)、電磁波過敏症の権威の医師をネタにするより(信奉者である可能性も否定できないので)、時系列を精査して
時空が歪んでんじゃん的な所に落とせば、かなり悪化している方以外は説得できるのではないでしょうか?
おまけ1:家人に、「人体からも電磁波出ているんだぜ」と話したら、「ほらっ、私がパソコンいじるとバグるでしょ。この前はプリンターいじっただけで壊れたじゃない❗」と妙な解釈をされてしまいました。灯台下暗し、隗より始めよ、獅子身中の虫(ちょっと違うか)。
おまけ2:デバンカーというのは証拠をガッチガチに集めてデマや都市伝説を追いかける科学的懐疑主義者を指すことが多いです。一方のトンデモウォッチャーは高校レベルの知識で「だはははっ」と笑える案件を俎上に載せてしまう好事家のこと、と私は解釈しています。日本のデバンカーとしては皆神龍太郎さんが有名ですが、私の知る限りの皆神さんは「と」方面のテイストが強いんだけどなあ⋯。