誰々の鼻が危ない❗とか芸能人の整形疑惑が話題になる風潮から色々考えてみた。

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芸能人やセレブの容姿にあこがれている方も多いですよね。芸能人やセレブの顔がいつもとちょっとでも違うと「整形したんじゃない」と話題になる傾向があります。

しかし、美容を専門とした医師が見たら化粧方法が変わっただけの場合も少なくはありません。確かにかなり有名な方はあきらかに鼻にプロテーゼが入っていることは美容系医師の間ではなかば常識になっていますけど⋯。

芸能人の美容整形と形成外科の成り立ちについて再考してみたけど

今回は自省を込めてブログを書きます。毎週のように「誰々の鼻が危ない」「もはや別人」「整形疑惑の芸能人一覧」なんて記事をネットで見かけますよね。話題になってナンボっていう有名人・芸能人ですので、有名税的な考え方もできます。私も今まで芸能人の整形疑惑を評論したこともあります(海外セレブが多いですけど)。

でも、最近の風潮として芸能人整形疑惑サイトを書かれている方の目が肥えたためか、私たち専門家が「この人そろそろヤバイよね、鼻のプロテーゼ入れ替えないと」と密かに注目していた有名人を俎上に載せています。

もちろん幼少期の写真と現在を比較して「こんなに変化しました」的な人間の成長を無視した無意味なサイトもあります。例えばボクシングの亀田兄弟の妹さんも整形疑惑がありましたが、明らかに成長過程の変化と化粧によるものであることをブログに書きました。

亀田三兄弟の妹・亀田姫月が整形した、という噂を検証しました

亀田三兄弟の妹・亀田姫月が整形した、という噂を検証しました

別に亀田兄弟に睨まれたくないので、かばうようなブログを書いたわけではありません。人の容姿を話題にする人って素直に「こんな人になりたい」ならいいですが、ご自分の容貌にコンプレックスがあるために「この人、最近綺麗になっている。でも整形なんだよね」的な解釈をしているのではないでしょうか?

ショットガンで撃たれた顔を再建

http://www.thetimes.co.uk

この症例はショットガンで顔に被害を受けた人の治療です

そもそも美容整形って戦争によって顔などが傷ついた人が、コンプレックスを感じないように整形外科の一分野である形成外科から発展して、美容外科(美容整形という用語は医学的には使用されません)ができたのです。

先日CSのヒストリーチャンネルを見ていたら、日本軍が玉砕した硫黄島で、日本軍のスナイパーに顔を射抜かれた米兵、彼は戦後数十年に渡って形成手術・美容外科手術を受けた話を放送していました。

なぜ、先天疾患や外傷を形成外科的手術を行わなければいけないのか?

先天的な外見上の異常の場合、うまく食事ができない、母乳が吸えない、という生命の危機を脱するために外科的な処置を施します。生命を維持するための方法です。この場合、見た目よりも機能の回復を重視しますので、傷跡がはっきり残ったり、正直言って明らかに正常とされる人の容貌とは違いがわかります。

生命の危機を形成外科的な治療によって脱した後、子供であれば周囲と容貌の違いを意識しだす年齢になると、コンプレックスを当然抱きますので、形成あるいは美容外科的手術によって、傷跡が目立たない、形状の異常が目立たないような治療方法があれば当然その治療を望むはずです。

生命重視から見た目重視になるのは自然の流れですよね⋯ここまでで質問ありますか?

見ため重視から自分の望む容貌をゲットする⋯この辺りから賛同者が減るようで

自分の理論を実験で確認したいという物理学者の考えが原子爆弾製造につながりました。原子爆弾の予想以上の効果、被害の悲惨さに後悔した物理学者たちは核の平和利用を模索して原子力発電という方法を苦し紛れに見出しました。原子力発電は原子力潜水艦を生み出し、戦争の体系自体を変えてしまうことまでは、物理学者たちは予想していなかったかもしれません。また、福島原発のようなリスクは当然考慮に入れていたでしょうけど、まさか実際に事故が起こってしまった場合の被害の予想はしていなかったかもしれません。

このように既存の技術が将来どのように利用されるかを確実に予想することは不可能なのです。

話が長くなりましたが、生命を維持するための整形外科、形成外科が見た目も重視する形成外科・美容外科に発展していったことは人間の欲望でもあり、自然の流れなのではないでしょうか?

黒子を取ったら美容整形なんでしょうか?

例えば顔の目立つところに黒子があったら、初めて会う人の目が注視されると気になりますよね(オースティンパワーズの一場面でありましたけど)。儒教の教えに「身体髪膚、これ父母に受く、敢えて毀傷せざるは、孝の始めなり」というものがあります。儒教にどっぷり影響を受けている韓国で美容整形が盛んであることは、美容医療業界七不思議の一つですが(実は理由はいくらでもありますけど、詳細は後日書く予定です)、

人は美をいうものに価値を見出します。美の基準は人それぞれですから、その方が満足する美しさを追求することを他人がとやかく評価する必要ってあるんでしょうか?さすがに整形サイボーグと称された女性は明らかに健康を害するレベルの美容整形を受けていましたので、医師としておやめなさい、とのブログを書きました。

フランス人形に憧れた?総額2000万円整形サイボーグ「ヴァニラさん」の全身整形を見て「美」について考えた

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黒子を取ったら美容整形を受けた、という表現になるんでしょうか?歯並びをインプラントあるいは矯正器具で治療したら、それも美容整形って呼ぶんでしょうか?

そんなこんな考えを夏の暑い中、今後の当院の美容外科の方針を決めました❗

他の美容系クリニックがあまり得意としない高度な技術が必要な治療に絞ります

まず、メスを使用する、あるいは切る治療を美容整形・美容外科と当院は考えます。レーザーでシミを消したり、ボトックスでシワを消す治療は美容皮膚科とします。美容外科は

フェイスリフト⋯これはタルミに対する最強の手段であり、容貌を変えるというよりはエイジングケアの一方法を解釈します

当院の症例はこちらへ⋯「しっかりと治療 フェイスリフト手術

鼻の修正手術⋯鼻を高くする、鼻筋を通す治療としてプロテーゼを挿入する方法がありますが、これは将来的に鼻から飛び出す可能性があるために、10数年で入れ替える必要があります。しかし、その必要性を伝えていないクリニックが多いのが現状です。再度人工物であるプロテーゼを挿入しても、また時間の経過とともに入れ替える必要があります。当院では自分の組織を使用して、プロテーゼを抜去した後の再手術のみをおこなっています。

当院の症例はこちらへ⋯「自家組織移植法

傷跡の修正手術⋯やけどのあと、帝王切開の跡、怪我の跡を中心に手術を行います。これは美容外科というよりは、形成外科なんですが、保険治療の場合、条件が厳しくて適応となる症例が少ないです

現在帝王切開の手術痕のモニターさんを募集しています⋯ご協力いただける方は、メールにて帝王切開痕修正手術モニター希望を書き添えてください

当院は美容皮膚科はエイジングケア、ちょっと高価な化粧方法的な解釈をして、美容外科は他院があまり力を入れていない高度な技術が必要なものであるとともに、その方のコンプレックスを解消する治療方法に専念していきます。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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