ガムの甘味料として日本でも広く知られている「キシリトール」。
フィンランドでは食後にキシリトール入りのガムを食べるのが当たり前です的なCMが流れていました。私が初めてキシリトールという言葉を知ったのは歯医者さんの受付カウンターにキシリトール入りのガムが置いてあったためです。
怒りの電話殺到⁉キシリトールは虫歯予防にならない説
砂糖等の甘味料は虫歯の原因である、と思っていたので担当の歯科医に尋ねたところ「キシリトールって虫歯の予防にもなるらしいよ」との言葉⋯多分、今から15年位前の話です。歯科医で販売しているだけではなく、コンビニでも普通に販売されている「キシリトール入りガム」、これが実はキシリトールは虫歯の予防にはならない❗
というお菓子業界真っ青の論文が飛び出しました。
キシリトールなら虫歯にならないし、予防にもなる、と解釈して、せっせとキシリトール入りのお菓子(多分、割高なのかな?)をお子ちゃま達に買っていたお母さん方の大クレームがお菓子会社に殺到、という事態になるのか?考察を加えました。
キシリトール意味ないじゃん、という論文
このとんでもない、お母さん方の怒りを呼び起こす論文はあの世界中の臨床系の論文を精査して、医療関係者はもちろんのこと、医療を利用する一般の方へも治療方法・予防方法として何を選択すればいいのかを教えてくれる非常に親切な、あるいみトンデモナイ説肯定論者にとっては辛いコクラン共同計画の一部です。
コクラン計画は近年よく聞く「エビデンスに基づいた治療」を推進する英国が中心となって進められている計画であり、その結果は信頼度が高いものです。コクラン計画関連の医学専門誌にこんな論文が載っちゃったのです。
この論文の中身は以下のとおりです。
- キシリトールと虫歯の関連を調べた論文は1991年から2014年の間に10本あった
- キシリトールはお菓子・タブレット・歯磨きペーストに含まれていた
- 検討された論文はほとんどがバイアスがかかっている論文であった
- キシリトール入り・無し歯磨きペーストは虫歯予防効果にあまり差がなかった
つまり世の中に出回っているキシリトールと虫歯の関連を調べた論文を調べたところキシリトール入り食品、口腔ケア商品に虫歯予防効果は無しという結果になってしまったんです。
キシリトールの効果を食品に期待するのは元々無理な話?
ある成分が効果を発揮するには一定の濃度が必要となります。ガムの場合キシリトールが甘味料として90パーセント以上必要なのに、実際に販売されているキシリトール入りのガムは50パーセント前後なんですから元々虫歯予防効果を期待してはいけなかったのです。ガムに含まれるキシリトールの比率が重要で包装の外側にキシリトールの含有量が記載されていますから
キシリトール何グラム ÷ 炭水化物 × 100 = キシリトールの含有量
となりますので、ぜひコンビニでキシリトール入りの食品を手にとって計算してみてください、多分挙動不審でマークされますけど⋯。