アメリカのネットを見ているとこれでもか!と言わんばかりにサプリの広告が出現します。
その中で目立つものを追いかけて調べたら、非常に説得力があり、論理的で下手な医師よりよっぽど勉強しているのです。
また、知識の豊富さにも驚きます。
ところでLOH症候群ってご存知ですか?
LOH症候群とは男性の更年期障害を意味するLate Onset Hypogonadism syndrome を略したものです。
- 不安、イライラ、うつ状態
- 性欲の減少、ED
- ほてり、発汗、頭痛
以上のような症状で、不定愁訴と性的な機能の低下が同時に起きてくる病気です。
中年以降の男性の病気の原因としてエイジングケア、泌尿器の専門医によって非常に注目されているのです。
LOH症候群の原因として男性ホルモンの一要素である遊離テストステロンの減少が挙げられます。
サプリ会社の広告のトップに出てくるのが上記の画像です。
このサプリはテストステロンを増やして、男性は元気になろうという効能です。
私ははじめなんだかよくわからなかったのですが、これはイチジクですね。
イチジクは植物性のエストロゲン類似のホルモンが含んでいます。一見男子とは関係なさそうですが、
私はこのイチジクをトップに出すことを考えた人の知識に驚きました。
テストステロンが少ない場合、黄体形成ホルモンが増えて、精巣におけるテストステロンを増産させます。
黄体形成ホルモンはエストロゲンの分泌増やします。男性はテストステロンをもとにエストロゲンを作ります。
(このあたり非常に複雑です)
つまりテストステロンの象徴としてイチジクを表示していたのです。
次に出てくる謎の植物
この植物はタロイモです。
タロイモがどうしてLOH症候群と関連があるか、調べたところやっと見つけました。
1999年に医学書院からでた週刊医学界新聞の中で日本性機能医学会理事長の対談記事で
「タロイモの中に黄体ホルモンと非常に似た物質があるのが見つかったんです」
との発言がありました。
黄体ホルモンは黄体形成ホルモンが分泌される前に分泌するホルモンです。
つまりタロイモを摂ると黄体ホルモンが体内に取り入れられ黄体形成ホルモンが分泌され精巣におけるテストステロンを増産するシステムをイメージしていたのです。
このあたりの知識は脅威的です。
たぶん掛かりつけの医師に尋ねても知らないでしょうね。
このサプリは少なくとも理論的に正しい
面白いのはこのサプリにはタロイモもイチジクも含まれていません。
主成分はコロハという植物です。
コロハというのは正式には漢字で胡蘆巴と書きます。英語ではフェネグリーク(fenugreek)で、この表記は日本でも使われています。
コロハはマメ科の植物でエジプト・ローマ時代から使用されており、ハーブ・香辛料の一種でもあります。スパイス名としては「メッチ(シード)」「メティー(シード)」などとも呼ばれています。
ヨーロッパでは古くから口腔病、胃腸障害の薬草として広く利用されていて、漢方的には強精・強壮作用があるとされています。日本で売られている市販の漢方薬にも含まれています。
結局は漢方薬をアメリカでサプリとして作り直したものだったのです。
でも、漢方を扱っている医療関係者でホルモンの働きをここまで理解してさらに、うまい具合に広告を作る能力はありませんよね。
広告にある「Boost Free Testosterone」遊離テストステロンを後押しする!というタイトルをクリックするとこんなサプリが現れます。
効果のほどは全く保障いたしませんが。