次々と新しいダイエット方法がでてくる理由⋯それは人気ダイエット法は1年経つと効果が無くなるから

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人間が生命を維持するための食事の心配をしなくなったとたんに、食べ過ぎによる肥満という問題が発生してきてしまいました。日本でも肥満は生活習慣病のリスクである、と考えられているので行政主導でメタボ対策が叫ばれています。

特に肥満大国であり、肥満によって医療費がかさむことが国家の財政を脅かしている米国ではダイエットすること、特に家庭内で常日頃から食事に気をつけよう❗というキャンペーンが行われています。もちろん誰でも苦労せずに簡単に痩せたいので、商業ベースのダイエット法に魅力を感じても、それを非難することはできません。

人気のダイエット法って短期では効果があっても、長期的な効果は無い

確実に長期間効果が持続するダイエット方法、健康を害しないで安全にダイエットできる方法があれば、次から次と新しいダイエット法は登場しないはずです。

目新しいダイエット法がどんどん登場するということは、イコール決定打が無い、とも考えられます。一世を風靡するしたダイエット方法が今では全く忘れられてしまっていたり、たんに焼き直し、リバイバルであることを多くのダイエット難民は感じているはずです。

今まで挑戦したダイエットは数十種類、やっと効果のあるダイエット法を見つけた、なんて言っていた人が数年経つと元の肥満状態に戻っていることも多く見受けられます⋯特に商業ベースの広告塔の芸能人に目立ちますよね。

名前の売れた有名ダイエットの長期にわたる効果を追跡して、本当に効果があり、安全で健康的になれるダイエット法ってあるんでしょうか?

肥満は美容面だけではなく、様々な病気のリスクになる

https://www.revespcardiol.org/en-obesity-and-the-heart-articulo-S1885585710000666?redirect=true 

肥満は美容面だけではなく、多くの病気のリスクファクターと考えらえています。

有名ダイエット法の長期成績⋯つまり、長期間効果があったかの検討

商業ベースのダイエット法であろうと、医学的なダイエット法であろうと、安全に効果がでれば、それはまったく問題ありません。気合を入れてダイエットを始めても、あまりに辛いものだと長期的にダイエット方法を継続できませんし、費用が高額であっても経済的に長期間ダイエットを行うことができなくなります。

そうなるとサプリや薬物に頼らないで、日頃の食事等でダイエットをして、減量効果があることが望ましいはずです。さらにその効果が長期間持続すればいいのですけど⋯。米国で有名なダイエット方法の効果を長期間に渡って分析した論文がありました。

Long-Term Effects of 4 Popular Diets on Weight Loss and Cardiovascular Risk Factors」というタイトルでCirc Cardiovasc Qual Outcomesに掲載されています。

この論文が取り上げたダイエット方法は

  • アトキンスダイエット⋯糖質制限とか、低炭水化物ダイエットです
  • サウスビーチダイエット⋯グリセミック指数(GI)に主眼をおいた低インシュリンダイエットです
  • ゾーンダイエット⋯日本ではあまり有名では無いようですが、三大栄養素を体質によって組み合わせたダイエットです
  • ウェイトウォッチャーズ⋯テレビドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」でも登場する食品にポイントをつけておこなうダイエットです

日本では特にアトキンスダイエットと低GIダイエットが有名ですが、肥満に悩む米国には日本ではあまり有名でないダイエットが多数あるようです。

多分、日本でまだ有名でないダイエット方法を勉強熱心かつ研究熱心かつビジネスマインドに溢れるダイエット業界の方は血眼になって探しているんでしょうね。とにかくどんな方法でもダイエット効果があって、その効果が持続すれば問題ないんですけど、この論文によると⋯

12ヶ月、つまり1年たっても効果が持続していたダイエット法はウェイトウォッチャーズのみ❗

という悲しい結果でした。つまりいくらセレブの間で大ブームであろうが、今度こそこのダイエット方法で痩身をなんて思っていても、短期的な効果があったとしても、1年後はもとに戻ってしまう、下手すりゃおなじみのリバウンドが待っているということになるんです。

セレブも実践しているダイエットの減量以外の効果はどうなっているのか?

この論文はさらに有名な代表的ダイエット法をいじめています。

論文「効果の無いダイエット方法」

これが4大有名ダイエット法をいじめている論文です。

海外の論文特有のしつこさとデータの多さのために、ランダム化比較試験を行った12論文の2559人に対するダイエット法別の長期的な効果を確かめています。もともと心臓や血管系の健康についての論文を発表する医学専門誌ですから

アトキンスダイエット、ゾーンダイエット、ウエイトウォッチャーズともにコレステロール・血圧・血糖値は改善していなかった

と記していますし、追い打ちをかけるように

アトキンスダイエットとウェイトウォッチャーズはリバウンドしていた❗

という事実も記されています。ついつい真面目に24ヶ月もフォローアップしていたために、今回の論文の研究者に追跡データまで見つけられてしまっていたんです、アトキンスとウォッチャーズは。

結論

  1. 人気のダイエット方法であっても長期間追跡した場合、効果の持続は稀である
  2. セレブが実践しているからといって誰にでも効果があるわけではない
  3. 商業ベースのダイエット法で確実に痩せて、効果を持続できる方法は確定できない

以上になります。今後、日本でも人気のダイエット法も十分なデータで長期間に渡って継続フォローアップするような研究がでてくるといいんですけど、多分データが集まる前に次の新しいダイエット法が登場するんでしょうね❗

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

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