ブルーベリーの驚きの効果、糖尿病を防ぐは本当か??

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最近、老眼に悩まさせている医師の桑満です。

ついつい「くっきり、クリアな毎日、しょぼつき」なんて言葉に誘われてブルーベリー入りのサプリのテレビCMを見入ってしまう今日この頃。以前、「フルーツは健康的な果物」的なブログを書きながら果物嫌いであるために、生でフルーツを食べるよりサプリ(ちなみにサプリも嫌いです。笑)摂取に傾きかける気持ちを立て直すために、サプリに使われる果物の王様?ともえるブルーベリーの効果についてのお話です。

ブルーベリーなどの果物は本当に体にいいのか?

という素朴な疑問を追求してみました。

その結果驚くことに

ブルーベリーは糖尿病の予防になる

その結果驚くことにこんな事実を発見しました。

ちょっと疑いながら調査をした経緯をお伝えしていきます。

健康的な果物の順位はブルーベリー、ぶどう、りんご

リンゴが健康的な食べ物であり、病気の予防にもなることはおばあちゃんの知恵的に「りんごが赤くなると医者が青くなる」なんてことを海外では言われていることからも周知の事実ですよね(関連エントリー りんごダイエットは効果あるかもしれないし、エイジングケアも期待できる!)。

日本で急激に増えている糖尿病ですが、なんとブルーベリーやぶどう、りんごが予防する、という論文があったのです。「Fruit consumption and risk of type 2 diabetes: results from three prospective longitudinal cohort studies.」 (BMJ Clinical research ed.2013;347;f5001) というしっかりした医学専門誌を今回は検討してみます。

Fruit_consumption_and_risk_of_type_2_diabetes__results_from_three_prospective_longitudinal_cohort_studies___The_BMJ
上記論文より

米国にはNurses’ Health Studyと呼ばれる医療従事者を対象とした膨大な医学的データベースがあり、今回の研究はそれをもとに調査を進めています。そのやり方は

  1. 参加時に糖尿病などの慢性疾患を持っていなかった人、男女合わせて18万7382人を解析
  2. 10種類の果物を一食分どれだけ摂取しているかを質問
  3. 全く食べない、から1日6食分食べている(?)までの9段階から選択させた

ここでいう果物一食分とは標準的に考えれられる果物摂取量と定めているために、毎食に果物を2品以上食べている人は「果物を毎日6食分摂取している」という選択肢を選ぶことになります。

10種類の果物はブルーベリー、ブドウ、プルーン、リンゴ、バナナ、グレープフルーツ、桃、オレンジ、イチゴ、メロン。そのなかで

ブルーベリー、ぶどう、リンゴに糖尿病を予防する効果が認められた

ということがわかったのです。1998年から2009年の調査期間中に研究の対象者のなから糖尿病を発症した人は1万2198人でした。果物の摂取量と糖尿病の発症リスクの間には負の相関関係があり、つまり果物を食べれば食べるほど糖尿病になりにくい、ということがデータ上判明したんです。ということは私がブログで書いた「果物は薬になる程体にいいんだよ」は間違いではなかったのです❗

果物を生で食べた場合のみ今回の結果は有効です❗

ここで非常に大切な注意があります。今回糖尿病の予防になることがわかったのはあくまで「フルーツを食べた場合」です。ジュースやスムージーにした場合、糖尿病の予防になる、とういう結果にはなっていません。さらにサプリは対象外です。実はジュースの場合は

フルーツジュースは飲めば飲むほど糖尿病になる❗

とう結果が今回の研究で示唆されています。つまり、あの例の下手すりゃ集団食中毒の可能性?「酵素ジュース、酵素スムージー」の場合は健康にいいどころか糖尿病の原因とはいいませんけど、きっかけになる可能性が大なんです。

当然出てくるブルーベリー健康に良い説への反論

今までも医学の研究、特に病気の発症とその人の社会環境・経済環境・遺伝的素因を考える「疫学」は相関関係にあっても、因果関係ではないよ、とブログで何回も書いてきました。特に物理・化学系のオッサンから「医学は科学なのか?」的な問いかけを受ける場合もあります。ですから、今回の研究に対して自らツッコミを入れておきます。

  • ブルーベリーを好んで食べる人はもともと糖尿病にならない何かの因子をもっているのではないか?
  • 糖尿病を予防しないイチゴ・メロンなど高価な果物を食べられる生活の人が糖尿病になりやすいのではないか?
  • ブルーベリーやぶどう、リンゴに糖尿病を予防する効果があるなら、これらに共通の成分があるのではないか?
  • 上位三者に共通していて、イチゴ・メロンに含まれていない成分を特定する必要があるのではないか?
  • ジュースに糖尿病予防効果がないなら、それは製造メーカーによって差はないのか?

なんて感じで、バラバラと反論・疑問・ツッコミがでてくるでしょう。

となると、あくまで果物は糖尿病を予防するために食べるんじゃなくて、単に美味しいから食べる、というのが正解なんじゃないでしょうか?

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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