旅先で便秘になる方って多いようです。というのも夏休みや年末年始の旅行シーズンになると「出先で便秘になるから下剤ください」的な希望をされる患者さんが目立ちます。
旅行、特に海外旅行をすると便秘になりませんか?
もともと便秘がちの方が旅行先、特に便秘になりがちなのは食べ慣れない食事の影響が大きいと考えていました。海外のホテルの朝食のビュッフェのサラダ系のお皿の前に群がる集団(おばさま多し)を見かけるたびに、「日本にいるとき朝っぱらからサラダって食べないだろう」と野菜嫌いの私はいつも苦々しく思っていました(これが女性目線が足りないって言われるゆえんですけど 汗)。
しかし、どうも最近の研究によると「便秘と体内時計」って深ーい関係があるようなのです。
体内時計のバランスが崩れると便秘になる
海外旅行で便秘になりやすいのは旅先で緊張するから交感神経が有意になるために、腸の動きが悪くなって便秘になる、とういうのがもっともらしい医学的判断です。
さらに海外旅行だと毎朝快便だった人でも時差によって排便サイクルに変化が起こり、観光している最中にもよおして来ても、トイレの場所がわからない、国によっては紙が常備されていない、異常に汚い(某中国でひどい目にあいました)などの理由で自然な排便チャンスを我慢するために便秘になる傾向もあります。
これらの説を更に医学的に裏付ける話があります。「Jet Lagged Gut Bacteria Could Contribute to Obesity」という記事でPopular Science(https://www.popsci.com/article/science/jet-lagged-gut-bacteria-could-contribute-obesity/)というサイトで見つけました。
時差と腸内細菌の密接な関係
この研究者たちはマウスの腸内細菌叢の変化と体内時計の変化の関係を調べました。時差としては米国とイスラエル間(時差10時間)を使用しています。その結果としてジェットラグ(時差ボケ)と腸内細菌は密接な関係があることがわかりました。つまり、時差ボケすると腸内細菌叢が乱れるために便秘になってしまうのです。そして
我々の調査結果はライフスタイルのようなシフト労働者と非常に頻繁チラシなどの睡眠パターンの頻繁な変更を伴い、それらの人々における細菌叢を正常化するために、今後の研究で活用することができる新たな治療標的を強調
しています。翻訳はGoogleにお願いしました。原文はこちら
Our findings highlight a new therapeutic target that may be exploited in future studies to normalize the microbiota in those people whose lifestyle involves frequent alterations in sleep patterns, such as shift workers and very frequent fliers
前述Jet Lagged Gut Bacteria Could Contribute to Obesityより
シフト制の仕事など生活パターンが崩れる人の睡眠障害などの健康管理を腸内細菌の研究を行うことによって、治せるなんて治療法が出る可能性を示唆しています。腸内細菌叢を正常化すれば時差ボケが治るか、あるいは時差ボケを修正すれば腸内細菌叢が正常化するのか?という原因と結果がどっち的な話のような気もします。
じゃあ、どうすれば時差ボケによる便秘を解消できるか??
当然出てくる質問疑問として「時差による便秘の解消法はどうすれば良いんでしょうか?」。一般的な時差便秘対策は次のとおりです。
- 水分をたくさんとって便を出しやすくする
- 繊維質の食品を積極的に食べる
- 旅行はリラックス出来るようなスケジュールをたてる
でも、体内時計つまり日内変動と腸内の細菌たちがひそかに深い関係を結んでいるとしたらそれだけでは対応ができないと考えます。となると便秘解消のために下剤を使用するという、旅行前に薬を希望されるおばさま方の行動様式は全くもってスジが通っているということになります。
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