数々のダイエット法がありますが、日本人にとって嬉しいダイエット方法がグルテンフリーダイエットです。小麦に含まれるグルテンが諸悪の根源であり、小麦さえ避ければ白飯をバクバク食べてもダイエットに成功するというオッサン大感激の肥満予防方法です。
グルテンフリーダイエットってなんだ??
もともと欧米でセリアック病の人に対して本来の意味の「ダイエット食」として考案されたグルテンフリー食ですが、セリアック病(欧米では100人~150人に1人とされている)じゃない人が試してみたところ減量効果だけでなく、お肌の調子が良くなって、疲れがとれやすくなり、自己免疫病まで治ってしまった(体験者談)という驚きの減量効果&病気治癒効果なのです。
グルテンってなんだっけ?
グルテンって聞いた事あるけど、たしか小麦を捏ねると粘り気がでるのはグルテンの性質によるものであることを知らない人が多いと思います。さらにセリアック病という病気も日本ではあまりなじみがないのでは。セリアック病(celiac disease)は麦類に含まれる蛋白の一種であるグルテンがトリガーになって免疫系の異常を示して栄養を吸収する小腸に異常を来たし、時には命取りになるような栄養不良を起こす病気です。
このセリアック病に対する食事としてグルテンを抜いたものが「グルテンフリー食」であり、欧米ではグルテンフリーマークを掲げたファストフード店もあります。このグルテン抜きの食事をすると減量効果だけでなく、様々な病気さえも治ってしまうという不思議なダイエットなんです、このグルテンフリーダイエットは。
グルテンには食欲増進作用がある⁉
グルテンフリーダイエットを簡単に言えば「小麦やパン食を止めましょう」ということなのです。となると「炭水化物を抜くダイエットといっしょじゃん」的に反応するオッサンもいるでしょうけど、グルテンは前述のようにタンパク質なので糖質制限とか低炭水化物ダイエットとは全く違うものなので、ご飯大好き系オッサンには受け入れやすいダイエット法といえるでしょう。
グルテンを構成する成分のグリアジンには脳内で快感を憶える脳内麻薬の様な性質があって、食欲を増進させる効果がある、と説明されていますがこれを裏付ける医学論文が発見できなかったのは私の能力不足なのかもしれません。唯一それらしき裏付けは William Davis医師の書いた「Wheat Belly」という一般書籍だけでした(詳細はhttp://www.wheatbellyblog.com/を)。Davisさんの考えは「小麦におけるグリアジンの増加は遺伝子組み換えが原因」という流れになっています。懐疑主義者や理系の方には「ああ、あっち方向の話に流れるんだね」をいうお決まりのベクトルです(笑)。
アミロペクチンって成分が血糖値を急上昇させる⁉
グルテンフリーダイエット関連の本やサイトに出て来る言葉で「アミロペクチンA」というものがあり、この成分が急激に血糖値を上昇させるために、それに対応してインシュリンが分泌され、血液中の糖を脂肪として貯め込みやすくなるという理論となっています。これはかなり以前に流行した「低インシュリンダイエット」の基本であるGI値を理論的な背景にして成り立つ理論ですが、勘違いではないのでしょうか?
http://www7.plala.or.jp/よりお借りしました
この表に従って考えるとパン類はGI値が90前後で確かに高値なんですが、白米だって81でありかなり高めですし、小麦全粒粉パンは50であり低GI値食品に分類されています。
なぜか「善悪二元論」に持ち込む欧米的思考
グルテンフリーダイエットは「小麦は悪」という基本思想の上に成り立っているダイエット法です。他にも「砂糖は悪魔」的な表現をとっているダイエット方法もあります。「ハリウッドセレブに大流行」のグルテンフリーダイエットですが、日本では大流行とは行かなかったようです。
大流行しなかった一因として「善悪二元論」が日本人には馴染まないからなのでは無いでしょうか?キリスト教では「天使と悪魔」とハッキリ別けることができます。日本は「スサノオノミコト」に代表される、通常は良い神様だけど、怒らせると大災難の原因になる式の多面性を持ったバラエティに富んだ神様が多いので、二元論って馴染みにくいような気がします。
- ●●さえやれば健康になる
- ○○すれば痩せる
典型的な善悪二元論は間違いなく「わかりやすい」のですが、残念ながらモノゴトはそんな単純ではありません。
注意:グルテンフリーだし、低GI値のオッサンの昼食の強い味方である「日本そば」ですが、立ち食いソバって実は小麦粉にそば粉が混じっている、「そば風味のうどん」なんですよ。それにコロッケをトッピングしたら全くグルテンフリーダイエットになりません。
追記 後日、低GI値の食品は死亡リスクとは関係ないという論文が発表されました。お時間があればご参照ください⋯