不飽和脂肪酸で頭脳明晰になるとされているオメガ3は青魚やエゴマに含まれていることはご存知だと思います。オメガ3のサプリメントも多く見かけます。中性脂肪を下げる薬としても処方可能ですので、ダイエットの裏技として服用している方もいるかもしれません。
魚を食べると頭が良くなるのはオメガ3の効果
このオメガ3の働きによって「恐怖の記憶」を消すことが可能という不思議な医療系の記事を見かけましたので、少し調べて見ました。オメガ3が脳の働きに影響しているから精神的な病気の症状の改善や予防を研究していてこの効果が確認されたようです。
うつ病
「脂肪酸の摂取バランスが恐怖記憶に影響」というタイトルで独立行政法人 国立精神・神経医療研究センターのサイトに掲載されています。
脂肪酸としてオメガ3とオメガ6の割合によっても恐怖の記憶を無くす効果に違いがでたとの結果ですが、詳細は省きます。オメガ3を与えたマウスと与えないマウスに別けて、電気刺激(人間だったらスタンガン?)してから24時間放置後に再度、電気ショックを与えた場所にマウスを戻しました。
嫌な体験をした場所に置かれたマウスはすくんで動かなくなる、という習性を利用してオメガ3を与えたマウスと与えなかったマウスの間に差がでるか、と観察しました。その結果オメガ3を与え得られたマウスは一瞬はすくむのですが、本能的に外敵から身を守る「すくむ」体勢からオメガ3を食べていないマウスより早く脱却したのでした。
つまり電気刺激と言う恐怖の記憶がオメガ3によって減少していたのです。
記憶をオン・オフさせることも可能
これは別の研究ですが、遺伝子をいじって神経細胞が光に敏感になるラットを作りました。電気刺激を与えて痛みと神経細胞を連動するようにされたラットは神経細胞の刺激によって「恐怖の記憶が甦る」ようになりました。その後、神経細胞同士の連絡が取りにくいように更に神経細胞をいじられたラットは神経細胞を刺激されても恐怖の態度(たぶん、日本の研究と同じようにすくんだとおもわれます)。
この研究者は日本の研究者と比べてやることがしつこいのです。せっかく恐怖の記憶の連動を消したラットに対して再度神経細胞同士の連絡が取れるように光パルスを加えました。可哀そうなこのラットはまたもや神経細胞の刺激によって恐怖の記憶が甦った、とのことでした。
記憶の消し方とその甦らせ方、ってタイトルです。
どのようにこの実験は人に応用できるか?
日本の研究は嫌な記憶、怖い思いをした記憶を無くす事で不安神経症やパニック障害などの患者さんに応用が期待できます。しかし、米国の研究は無くした記憶を消すことより、甦らせたりすることが可能という点に注目ですると、将来アルツハイマーなどへの臨床応用が期待できます。
これからは奥さんに怒られたオッサンは「恐怖の記憶」を無くすために、青魚を一生懸命食べましょう❗