中国関連で新型コロナ感染症で川崎病に似た症状が出るという報告があります。黄砂・PM2.5,インフルエンザ、川崎病は偏西風にのって中国大陸からやってくるという説に対して何もかも中国のせいにするなという批判を受けました。
川崎病が中国からやってきたという根拠を医学的な視点から医師が検証しました。2014年に書いた記事です。
本記事の内容
PM2.5,インフルエンザそして川崎病は中国大陸から
以前、黄砂・PM2.5,インフルエンザ、川崎病は偏西風にのって西から、具体的にいうと中国大陸から日本に上陸してくるとブログに書いたところ「なんでも悪い事は中国からなのか❗(怒)」のコメントを頂きました。川崎病と言う小児を苦しめる病気は一勤務医の川崎医師が発見した病気でその名前がついていますが、「Kawasaki disease」として世界共通語になっている病気です。その川崎病はやっぱり中国の北東部から原因物質が飛来していることが明らかになったのです。
気象データのシュミレーションが証明した
この論文はPNAS(米国科学アカデミー紀要と日本では呼ばれる)のオンライン版に「Tropospheric winds from northeastern China carry the etiologic agent of Kawasaki disease from its source to Japan」という題名で掲載されました。川崎富作医師が1967年に初めて世界に発表した病気で原因が感染症なのかアレルギー的なものなのか議論されていましたが、原因は環境状況に左右されることは間違いありませんでした。別名「小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群」といわれ症状としては原因不明の熱が継続して、目が充血して手足が赤く腫れ上がり、いちご舌といわれるように口の中が赤く腫れ上がる親としてはたまらない病気です。
この川崎病ですが、原因物質は特定されていませんが、世界中に拡散する経路として日本からアメリカにまで広がっているために風の流れ(対流圏)などの調査をした場合、その流れと川崎病の発症数が強い関連性があることは以前から指摘されていました。今回の論文は原因となる物質があるのなら、原因物質が発生する場所があるはずであるとの仮定から川崎病の発症データと気流のデータを分析したことによって、ついに発生源を突き止めました。それがやはり以前から噂されていた中国の北東部の穀倉地帯だったのです。
中国が諸悪の原因だ!と言っているわけではありません
インフルエンザの流行も別に中国が悪いわけではありません、単に中国の鳥などにウイルスが勝手に住み着いて、渡り鳥がインフルエンザウイルスを日本まで運んでくるのですから、悪いのはウイルスです。PM2.5は明らかに中国の大気汚染に原因がありますけど、経済発展至上主義でよその国にその排気物質が飛び散ろうが、日本に迷惑が及んでいる事は中国国内では報道されていないと予想されますので、喫煙者が子供がいようとタバコを吸ってしまう感じで自分が悪いとは多分考えてもいないことでしょう。
川崎病の原因物質ってなんだろう?
2011年は日本では多くの子供が川崎病と診断された年でした。その時に大気中のサンプリングが行なわれました。サンプルの中の遺伝子を調べ、含まれた微生物を分析したところ54%がカビの一種である「カンジダ」だったのです。
カビの仲間である人体だけでなく、土の中にも含まれていますが、空気中に漂っているという報告はないと、この論文の著者は言っています。掃除が不十分なエアコンから吹き出す風に含まれるトリコスポロンというカビが「夏型肺炎・夏型過敏性肺炎」の原因であるということを以前ブログで書きましたが、それは室内に限った話です。
ここからは予想ですけど
川崎病の原因物質が中国の穀倉地帯から飛んでくるのは、今回のシミュレーションで間違いがないとしても一点疑問があります。ウイルスやカビなどの微生物が中国から日本に飛来して子供の呼吸器に入り込んだと仮定しても、それらが体内で増殖するにはそれなりの時間が必要となります。シミュレーションによれば日本に原因物質が到着して24時間以内に川崎病を発症している子供が多い事がわかりました。ということはカンジダ類のバイキンがアレルギー的に反応して発症するか、あるいはカンジダ類に付着したほかの物質、例えば環境汚染物質が直接の原因となっている可能性が大きくなります。今回の研究で川崎病の原因物質が特定されたワケではありません。しかし、中国から風に乗って日本にやって来ていることは間違いありませんので、中国において川崎病の発症数や地域を調べることによって原因が判明する可能性があります。でも、いまの中国だったら川崎って日本の病気が中国にまき散らされている、なんて報道がされそうで嫌な感じがするんですけど⋯。