朝や昼休みにオシャレなトレーニングウエアを着たオッサンがジョギングをしているのを、常に冷ややかな目で見ている運動嫌いな私です。「あのね〜、人類が走り回って獲物を追いかけていた時代じゃないんだから」「飛脚じゃないんだから」「人間が健康のために運動するなんて、まだ歴史的に100年もたっていないの❗」などの暴言を心の中で呟いています。
中には80歳過ぎの高齢者に「太らないように運動してね」「糖尿の改善の為に、ぜひ運動を」なんて無理なバカらしい助言をしている医師もいるようですが、それは絶対に体に悪いって❗
適切な健康維持のための歩数が決まった❗
先日、日本リハビリテーション医学会の学術集会があって年齢別の適正な運動量の指針が提示されたようです。「1日8000歩(早歩き20分を含む)」というのが一番病気の予防になるそうです。
群馬県中之条町の65歳以上の高齢者が参加してくれた調査です。
高齢者の運動と健康の密接な関係
メディカルトリビューン(2014年6月26日号)によると、前述の集会で東京健康長寿医療センター研究所老化制御研究チーム副部長(異常に長い肩書きです)の青柳氏によっての研究が報告されました。対象は65歳以上の人、約5000人を調査したものです。500人の人は身体活動計をつけて生活してもらいました。
これは早歩きをした時間までわかる計測機器とのことです。これによって歩数だけでなく、運動の強度と消費カロリーまで計測しました。その結果1日8000歩だけではなく中強度の身体活動20分が病気のリスクを減らしたということが判ったのです。
この身体活動によって予防効果がある病気として高血圧・糖尿病・脂質異常症の発症リスクが低かったとのことです。
歩行が発症リスクを低下させる??
青柳氏の調査では
- 2000歩で寝たきり予防
- 5000歩で認知症予防
- 8000歩で高血圧・糖尿病・脂質異常症予防
ということになっています。
でも・・・
- 10000歩でやっとメタボリックシンドロームの予防
- 12000歩で肥満予防
となっており、肥満予防のためには早歩きの時間が40分必要で、メタボリックシンドローム予防には30分の早歩きが必要となっています。
そして、高血圧・糖尿病・脂質異常予防のためには20分は早歩きをしないといけないという結果になっています。
おじいちゃん・おばあちゃんが無理して張り切ったんじゃないのか、という疑惑??
歩くことが健康に良くて、病気の予防になることは十分に理解できました。5000人の中から選ばれた500人の代表選手である高齢者は調査に協力するという志のもとに、ひょっとして無理したんじゃないの、と意地悪な予想を立ててしまう私です。さらにこの500人ってランダムに抽出したものなのか、或いはもともと健康な人を作為的に選択したのでは、なんて可能性もありますが残念ながら論文になっていないのでその点についての詳細の追求は避けます。
10倍の競争率??を見事クリアした高齢者が、身体活動計を常に身につけながら生活するんですから、家族はもちろん町内でも噂になっていたんじゃないでしょうか、「あの人は健康調査の代表として選ばれた健康エリートだ❗」なんて。そしたら頑張りますよ、通常の生活以上の健康的な生活を送る努力を。今回の調査に協力したのは群馬県中之条町ですけど、人口が17000人程度で65歳以上の方は5000人以上いますので、高齢者全員参加あるいは町を挙げての大イベントだった可能性があります。
青柳氏は次のように述べています「調査参加者に身体活動のデータをプリントアウトして渡すと、もっと歩こうと意欲がわく」って。やっぱり65歳以上になっても人間って競争してしまうんでしょうね。
ちなみに私の今日の歩行数は「寝たきり予防」程度でした。