坂本龍一さんが咽頭がんであることが判り、治療法として反原発の意味を込めて放射線治療を拒否している、とのこと。そもそも「咽頭がん」は圧倒的に男性に多く見られる「がん」であり、男性が女性の4倍を占めています。
さらにこのガンは「喫煙」と強く関連していることが知られていて、咽頭がんになる患者さんの96%は喫煙者です。年間に3000人ほどが咽頭がんと診断されますが、
喫煙しなければ100人くらいしか日本中で発生しないガン
とも言えるのです。
そもそも「咽頭がん」は喫煙がハイリスクになっています
坂本龍一って人は芸術性に溢れる、どちらかと言えば私はファンだったのですが、今回の報道で一気に嫌いになってしまいました。
反原発と放射線治療がなんで関係するんだ?
坂本龍一が反原発を唱えていることは知っていましたが、反原発、原発推進の両者の主張があり、冷静な議論の必要性は民主主義の日本で必ず認めなければならないことです。
いくら反原発といっても、医療に使用される放射線治療を拒否する理由には全くならないのではないでしょうか?咽頭がんの治療法としては発生した場所、がんの性質(病理診断)などによって違って来ますが、手術、抗がん剤による化学療法、そして放射線治療があります。
なかでも上咽頭癌の場合は場所的に手術が難しいので放射線治療によって根治治療となりうるのです。
影響力のある人だけに追随者がでるのが怖い
坂本龍一って人は私たちの世代以外にも広い支持者を得ている芸術家です。その彼が「咽頭がんの放射線治療を拒否」と大大的にマスメディアが報道すると、そのマネをする人がたくさん出てしまうのが医療関係者として一番懸念される問題です。
せっかく治療のチャンスがあるのにマネをして「放射線治療は反原発精神に反するので拒否します」なんて患者さんが出てくることは確実でしょうね。私の専門である泌尿器領域における前立腺がんの治療は手術・ホルモン治療・放射線治療の三者から選択でき、状況によっては全く治療をしないで監視するだけ、という場合もあります。
ひょっとして坂本龍一さんの咽頭がんも放射線治療ではなく、外科的手術が可能な場所に発生し手いるのかも知れませんが、その場合は特の今回の様な多くの人に影響がある人物の特殊な選択肢を大きく報道するのは考えものです。
坂本龍一さんってスモーカーでしたっけ?
openers.jpというサイトに於ける発言から「喫煙者」であったことは間違いないようです。
上記サイトより
ということは才能あふれる坂本龍一も喫煙さえしていなければ、「咽頭がん」になる確率は30分の1に減っていたのです。原発問題に積極的に行動されることは本人の考え方なので、特に問題視する必要はありませんけど、喫煙がこのガンの大きな要因であるということをマスメディアは大きく報道するべきだと考えます。
ファンである坂本龍一さん、手術可能な箇所にできた「咽頭がん」であるならば是非早めに手術をしてください。万が一、放射線治療が可能な場所にできたもので病期として放射線治療が可能なら、反原発問題と放射線治療は全く関連のないものだと、多くの理性ある人は理解しています。それによって「反原発の癖に放射線治療なんて受けやがって!」なんてバカなことを主張する人がいても、多くの理性ある人が必ず否定してくれるはずです。