メタボリック症候群と判定される条件の一つとして「脂質異常」があります。
中性脂肪が150mg/dL以上またはHDLコレステロール(善玉コレステロールとも呼びますね)が40mg/dL未満だと当てはまることになります(実はこの辺りの基準値については賛否が存在していますが)。
肥満に伴う高コレステロールの為の薬が逆に肥満を招く
私が以前「セルフ白衣性高血圧」で早まって血圧の薬を飲んで大変な目にあってしまったことを以前ブログでお伝えしましたが、高脂血症の薬は以前服用をつづけています。
約1年半前にライポソニックスで脂肪を破壊する治療をしたあと、体重を維持する為の努力はほとんどしていないのですが、できればコレステロールの薬もやめたいと思ってしらべていたらトンでもない研究を発見しました。
コレステロールの薬を飲むと大食になるという衝撃的なものです。
日本人が発見した薬なので濫用傾向ありかもです
コレステロールの改善に使用される薬は「スタチン系」と呼ばれるものが主流ですが、このスタチン系の治療薬は日本の製薬メーカーの日本人研究者が発見したのものなのです。この偉大な研究者は遠藤章氏(東京農工大学特別栄誉教授、株式会社バイオファーム研究所代表取締役所長)です。スタチンは平成の30年間で、世界でもっとも多く使われ、人々の健康寿命を延ばしてきた薬として有名です。日本でではなく世界でです。本来ならノーベル賞の対象になってもおかしくはないはずなのです。
このスタチンによって動脈硬化が抑えられる為に日本でも死因の上位に位置する「心血管系」の病気を防いでいます。世界でもこのスタチン系の薬を毎日飲み続けている人は数千万人に及びます。
医師にとってもなじみの深い三共製薬(今は合併して第一三共となっています)の開発・販売であり日本発の世界発の薬であったため気軽に処方していたことは間違いありません。JAMA Intern Med. Published online April 24, 2014という医療関係者向けのサイトに「Different Time Trends of Caloric and Fat Intake Between Statin Users and Nonusers Among US Adults」と言うタイトルで掲載されています。
日本人発見の薬を日本人研究者が検討した結果
この研究は東京大学の杉山雄大氏らによってアメリカで行われた健康調査(NHANES)を解析して、今回の衝撃的結果を導きだしました。もちろん米国における調査なので日本人の場合は違うんじゃないという意見もあるでしょうが、逆に言えば心血管系の病気の先進国?である米国の基準をもとにして日本のコレステロールの悪影響の研究が進んで来たということを考えると今回の研究結果を素直に受け入れて日本においても調査が必要だと思います。
米国の場合肥満対策が国策ともなっていますので、1970年代から急激に増加していたカロリー摂取量が今回の研究の対象期間である1999~2010年にかけては増加している傾向はありませんでした(高値安定?)。
上記論文より2000年くらいまではスタチン系の薬を飲んでいた人は飲んでいない人と比べてカロリー摂取量が減少していたのですが、2005年以降はその両者に差は無くなってきて、逆に2009年以降はコレステロールのための薬を飲んでいる人の方が飲んでいない人よりカロリーを多く摂取しているという結果が出ています。
つまりコレステロールの薬を飲んでいる人はカロリーを余分に摂っているという、何の為に治療をしているんだかわからなくなるような事態に陥っているのです。
この研究は米国でも非常に注目されており、ニューイングランド誌でも取り上げられていました。
薬に頼りすぎることを今回の結果が示しているのでは?
世界的に誇るべき日本の頭脳が開発したコレステロールを下げる薬、スタチン系が余りにも効果がでるために、処方する医師側も服用する側の患者さんも基本的な食生活の見直しを怠ったことが大きな原因と考えられます。やはりガイドラインによれば脂質代謝異常の改善は生活習慣の見直しが第一となっています。
幸いにして減量に成功した私はリバウンドをすることも無く、体重は安定しつつ体脂肪のパーセンテージも減少しています。ひょっとしてコレステロールの薬も必要ないかもしれませんので、来週にでも早速採血してみようと思っています。かなり低い数字だったらスタチン系の薬をやめて見ようと思った次第です。