女性はなぜ男性より長生きなのか医学的に100%解明されてはいません。
動物の世界でも歳を取ったオスは必要ないとされ群れを追放されたりしますが、メスはおばあちゃんの知恵を生かして群れを上手くコントロールしていること観察されています。
今日は子供の日です、おばあちゃんも一緒ですか?
おばあちゃんに長生きしてもらいたい、と思っている方はGWも残り少なくなってきましたが、ぜひお孫さんをつれて訪ねてください。「お前、なんかあったのか?」という声が聞こえて来そうですが、こんな論文がありました。
おばあちゃんは孫の世話をしていると頭脳が衰えにくくなる
メルボルン大学の研究者によって、高齢の女性はほんの少しの時間でも毎週お孫さんの面倒をみているとボケにくい、ということが判明しました。「Role of grandparenting in postmenopausal women’s cognitive health: results from the Women’s Healthy Aging Project.」(Menopause 2014 Apr 7 オンライン版)。この研究では57ー68歳の女性186人に対して知力を調べました。方法はThe Symbol Digit Modality Test と呼ばれるものとCalifornia Verbal Learning Test、そしてTower of London Testの三つを使用しました。
ロンドン塔テストは棒に刺さった一番上の図の状態から玉を5回移動させて、右下の図の形にするという、脳の記憶を司る前頭連合野の具合を確かめる方法で世界中で使用されています。その結果、週に一回孫の世話をしている女性たちがもっとも優秀な成績を納めました。
面倒の見過ぎは逆効果
これをみて「おばあちゃん、孫の世話をしているとボケないからよろしく」といって毎日のように子供をおばああちゃんに預けて遊びにいってはダメですよ。今回の研究によると
週5回以上孫の面倒をみている高齢女性は逆に頭脳が明晰でなくなる
という結果がでていますから。
海外の健康関連サイトでも取り上げています。
さすが「おばあちゃんの知恵」❗
私がおばあちゃんの知恵のファンであることは、私のブログを読んだことがある方はご存知だと思います。しゃっくりの止め方なんて、明らかに医学治療よりすぐれています。
ところで何で男性についてはこの研究は行っていなかったのかと思い、論文を掲載した医学専門誌をよくよくみると、タイトルが「Menopause」となっています、つまり「閉経」です。オッサン向けのこのような研究をぜひ私が属している「日本Men’s Health医学会」(しかし、名前イマイチというか怪しげな感じが⋯会長、名称変更しましょう)、などでも取り上げたいと考えています。
ここで私が大好きなおばあちゃんの知恵を披露します。
「孫が遊びに来ると二度嬉しい」
孫が訪ねて来たときはもちろん嬉しいのですが、長居をすると気を使って疲れるので、帰った時もホッとして嬉しい、こんなおばあちゃんの言葉、自分の頭を明晰に保つためには、「毎日遊びにこられても困る」ということを知っていたのですね。
医師の諸君、おばあちゃんの知恵を一緒に研究しませんか?