「何々を食べると頭が良くなるよ」という話は昔から様々なものが出回っています。
私が子供の頃は「味の素を食べると頭が良くなる」との話があり、久々にその信仰者の話を聞いた顛末を以前ブログに書きました。
DHAが頭によいという流行りもありました。力水って清涼飲料水や受験生をターゲットにしたと思われる頭脳パンってのもありましたね。
頭が良くなる食べ物ってあるのか?
フラバノールっていう成分をご存知でしょうか?フラバノールはフラバン-3-オール(flavan-3-ol)という数千種類あるポリフェノールの中のフラボノイドに分類される成分です。お茶やコーヒーに多く含まれているカテキンはこのフラバノールの1種です。
カテキンってなんか体に良いんだよね、というイメージを持っているでしょうけどそのカテキンを含むフラバノールが頭を良くするという説があります。動脈硬化を防ぐ働きがある為にその作用として、脳血管障害による認知症を防ぐと言う理論だと思っていましたが、そうではなく頭を良くするということなのです。
ノーベル賞の受賞者とチョコレートの関係
画期的な発明・発見に対してノーベル賞が授与されますので、頭が悪い人(性格は別問題)がノーベル賞を取ることはないですね。そこでノーベル賞の受賞回数を頭の良さの指標として、チョコレートの消費量をフラバノールの摂取量の指標として両者の関係を調べた人がいます(残念ながらこの調査をした人はノーベル賞候補にも上がっていません)。「Chocolate Consumption, Cognitive Function, and Nobel Laureates」(N Engl J Med 2012; 367: 1562-4)。
ノーベル賞受賞者とチョコレートの消費量の認知機能との関係を調べていますが、このニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンはかなり質の良い論文を掲載することで医療関係者に知られています。臨床の医学に関する論文としては最高得点がインパクトファクターによって与えられているくらいなんです。
この論文によりますと、
・ノーベル賞受賞者の数とチョコレートの消費量は密接な関連がある
・認知機能とチョコレートに含まれるフラバノールは影響を与えている
ということらしいのです。
他の頭が良くなりそうな食べ物はどうなんだろう?
フラバノールの一種であるカテキンなどはチョコレート以外にもワインやお茶にも含まれています。また、ノーベル賞はその国の国力・経済力とも関係がありそうなんですが、他の研究者がその点もしっかり解析しています。
この結果からは
・ワインやお茶の消費量とノーベル賞の関連は無かった
・GDPとチョコレートの消費量はノーベル賞受賞数と関連があった
つまり、フラバノールを摂取するならお茶(日本人と英国人?)やワイン(フランス人?)よりチョコレートということになります。
チョコレートを一番食べている国はスイスがトップで、ドイツ、英国、ベルギー、オランダと続き、日本人はトップのスイスと比べると6分の1程度になっています。
IKEAが多ければノーベル賞が増える??
上記のグラフCを見ると、IKEAの対人口店舗数とノーベル賞受賞数も関連が⋯。IKEAの店舗数ってもちろんその国の経済力に比例することが簡単に予想できますけど。そういえばIKEAの6店舗目が立川に先日オープンしましたね!IKEAがガンガンできるとノーベル賞もガンガン増えるなら結構なことです。
残念ながら小保方さんのSTAP細胞(細菌はSTAP現象と弱気の発言が理研から)はノーベル賞の候補になることは難しい状況です。IKEAとノーベル賞の因果関係がはっきりしているのなら小保方さんが無理なら、IKEAの6店舗目もかなり無理ということになります、という判断は非科学的、非論理的、非統計学的解釈ですかね。