私は幸いにして薄毛の傾向はありませんので、禿げる心配は全くしていませんが、白髪がすこし目立ってきました。
ハゲは遺伝的な要因がありますので、家系的には私は白髪の遺伝子を持っているようです。
ハゲ・薄毛の薬はあるのになんで白髪の薬ってないの?
白髪は以前は「ロマンスグレー」(かなり言葉にするのも恥ずかしい)なんて素敵な呼び方もあったようですが今では全くの死語です。ハゲと白髪頭を比較するとやはり薄毛に悩む人の方が圧倒的に多い為に治療薬も積極的に研究開発されてきた、と思いがちですが実は白髪ってなんでできるか医学的にはハッキリ解明はしていないんです。
白髪ができるメカニズム
白髪のメカニズムはいたって単純です。髪の毛の色をつけているメラニン色素をつくるメラノサイトの働きが弱くなるからです、以上。でも、なんで加齢によってメラノサイトの能力が衰えるのでしょうか?もともと髪の毛の色って多種多様ですから、プラチナブロンドの人って生まれつきメラノサイトの能力が衰えているのでしょうか?
白髪ができる経過は幾つかのパターンがあります
・突然真っ白になる
漫画なんかで強いショックを受けると一晩で髪の毛が真っ白になる描写がありあますが、実際に医学的に明記された症例は見当たりませんでした。都市伝説的にはマリーアントワネットの処刑前の話が有名ですが⋯。
・新しい髪の毛が生えてきたら白髪だった
これは一般的に白髪頭になると経験できる状況です。つまり、その髪の毛が生える段階からメラノサイトが機能していなかったと解釈できます。
・生えている途中から白髪になった
髪の毛を一本一本注意深く観察すると、毛先は黒いけど途中から毛根までが白髪ってことがあります。これはその毛に影響をあたえているメラノサイトの能力が途中から衰えたという考え方で説明がつきます。逆に白髪の途中から黒い髪の毛が生えてくることもありますので、なにかスイッチのようなものがあってメラノサイトがオンとオフになっている可能性もあります。
といったパターンに別けられ、そのメカニズムはある程度理解できるんですが、じゃあなんでメラノサイトが働いたり、働かなかったりするのかを科学的に説明した文献は見当たりません。
色素幹細胞という細胞が見つかった
色素幹細胞と呼ばれる、メラノサイトの赤ちゃん細胞が理論的にあるとされていましたが、その細胞自体を特定はされていませんでした。iPSなどの幹細胞系の研究が近年一気に進展したのでこの色素幹細胞も研究施設によっては特定されてきています。また花王の研究グループは白髪の人と黒髪の人の毛根から遺伝子を分析してその結果、FGF(線維芽細胞増殖因子)に差があることを突き止めています(http://www.health.ne.jp/library/5000/w5000293.htmlより)。しかし、白髪問題を解決するところまではまだまだです。
これは東京医科歯科大学の研究グループによる「白髪や脱毛などの老化形質の発現メカニズムの解明」のなかにある図です。
抗がん剤が白髪を解決するか?
実はある種類の抗がん剤を使用していると髪の毛が黒くなることが以前から知られています。
抗がん剤は細胞の増殖するペースを落としたりすることによって効果を発揮します。この薬は白血病の治療に使用されるものなんですが、この薬を開発したのはあの論文データ偽造疑惑を日本で引き起こしたスイスのあの製薬会社なんです。
白髪の治療のために抗がん剤を使用する勇気は私にはありませんし、さらにこの開発メーカーが例の問題会社ですのでその効果をどこまで信用していいものか。まだまだ白髪が増えたと言っても染めるほどではありません、私の場合。
私は髪の毛を染めるって非常に格好が悪いイメージ(中国共産党の幹部みたい)が何故か持っていますので、「ロマンスグレー」という言葉が復活することを期待しております。