アルツハイマーの危険因子って、生活習慣を変えるくらいでは難しいんですよ。

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アルツハイマー型の認知症は高齢化社会に置いては深刻な問題となっていますが、どうすればアルツハイマーを予防することができるかについて多くの研究がなされています。アルツハイマーのリスクとしてネットで見かけたもので
1.低学歴 2.喫煙 3.運動不足 4.うつ病 5.中年期の高血圧 6.中年期の肥満 7.糖尿病
という順番で投稿されている記事を見かけました。アルツハイマーを防ぐための危険因子7つっていっても女性向けということを意識してお伝えすれば医学的に遺伝子レベルで現時点で検証されている危険因子は女性、つまり女であるということなんです。

生活の見直しで多くのアルツハイマーの危険因子は除くことが可能

この1〜7は1と4を除いて自分の生活を見直すことで改善できるリスクです。

  • 喫煙⋯これは自分だけではなく、周囲の人の健康も脅かすものです
  • 運動不足⋯車社会になっていることが運動不足の根源ですが、日頃のチョッとした注意で改善可能
  • 高血圧⋯遺伝的な要素も大きく影響できますが、生活習慣で改善可能
  • 肥満⋯遺伝的要素より生活習慣・生活環境が大きく影響をあたえています
  • 糖尿病⋯生まれつきの方を除いてほとんどが自分の努力で改善可能です

上記5つは誰がみても自分の努力によって見直すことができます。しかし、低学歴って問題は義務教育が中学までである日本と違ってアメリカは高校までですので、多分大学を出ないと低学歴とされてしまう可能性がでてきます。さらに、大学教育は日本よりも費用が高額のために、経済的な理由で断念する人も多いと予想されます。

これじゃ経済的な問題がアルツハイマーの主要原因じゃん?

喫煙率もそうですし、生活習慣病も経済的問題というか貧富の差が大きく影響していることが知られています。

所得と生活習慣などによる状況

「厚生労働省の調査による、金持ちとそうで無い人の生活習慣の違いが面白い」Yahooニュース

今までに報告されてきた研究論文によっても低所得層ほどジャンクフードによって高カロリー食と摂っていて、肥満になりがちであり、それによって引き起こされる高血圧・糖尿病との関連が強いことがハッキリしています。喫煙も低所得層と高所得層を比較すればその差が明らかになっています。

結果的に低学歴がすべての問題の原因となってしまいます

この考え方をしていくと、低学歴だと低所得になりがちであることを社会全体で改善して行けばアルツハイマーはもちろんのことその他の病気になる人の数が減少することが当然予想されます。じゃ、簡単にアメリカは義務教育を大学までとして、日本もせめて高校までは義務教育にしよう、で問題は解決するのでしょうか?残念ながらそうは行きません、低所得と低学歴も密接な関連性が指摘されています(もちろん例外は身の回りにも多数あるでしょうけど)。

www_apir_or_jp_ja_research_files_2013_03_62_pdf

関西社会経済研究所 「資産課税についてのアンケート調査結果について」

所得階層が高い家庭ほどレベルの高い大学に子供を進学させている。 例)1500 万円以上世帯では 40.9%がレベル A(旧帝大、医学部、早慶)に入学させている。この値は400~600万円世帯に至るまで下がり続ける(400~600万円世帯では6.3%)

となると格差社会を失くさないといけないという大問題に直面してしまいます。国民が格差がなく、均一な生活を送れるなって今は無き旧共産主義の国が目指した社会ということになりますが⋯韓国の北に位置する某国でアルツハイマーが少ないとの報告は論文としては見つけられませんでした⋯もし、その様な論文が存在していたとしても、アルツハイマーが発症するまで長生きできる国では無いと思われます。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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