タバコを吸う人は老けた容貌になりやすいと昔から言われていました。「smokers face」日本語だと「タバコ顔」「喫煙者容貌」なんて呼んでいます。
本記事の内容
昔からいわれていた「タバコ顔」ことスモーカーフェイス
こんな感じですね。
オッサンだったらまあそんなに気にしなくていいかもしれませんが⋯。
女性はこんなになっちゃいますよと警告するサイトもありました!
女性の喫煙者は肌が黒ずむ❗
そんなお肌のことと喫煙の関係を女性に絞って研究した人がいます。私のブログには珍しく日本人の論文です。題して「Association of cigarette smoking with skin colour in Japanese women」(Tob Control published online January 26, 2013)。
簡単にいいますとタバコを吸う女性と吸わない女性の、それも日本人の女性のメラニンの量などの皮膚の状態を比較してを調べたものです。
20-70才の女性939人を対象に喫煙に関するアンケートを取って、一番紫外線の影響を受けると思われるおでこと逆に紫外線を浴びにくい腕の内側のメラニンの量などを調べました。
平均年齢は43.8才、そのうち喫煙者は61人(6.5%)で喫煙経験者は35人(3.7%)でした。紫外線を浴びた量を予測するものでは累積17670時間とされています。
その結果
- 紫外線を浴びることが少ないと考えられる部位でも喫煙者のメラニン量は多かった
- 紫外線を浴びやすい部位でも喫煙者の皮膚のメラニン量は非喫煙者と比べて多かった
つまり顔だけではなく皮膚全体が喫煙者は黒ずむ傾向が見られました。
タバコを吸う女性は増えているのか?
女性の喫煙者は20歳代から30歳くらいまでが多いとされています。ある程度の年齢になると妊娠・出産によって禁煙するからだと予測されます。
赤矢印の下の青と水色が20-30歳代の女性の喫煙率です。 男性が減少傾向にあるのに女性の喫煙率は安定しています。
となると、仕事でストレスを感じる女性がタバコを吸い、そして残念ながら肌を荒らしてしまう、という結果になります。以前ブログで「女性の方!ご自分のストレス解消法はありますか⋯女性はストレスがたまると魅力が落ちるという論文あります。」という長ったらしい題名のものを書きましたが、タイトル通りにストレスをためた女性は異性から魅力的に感じられなくなるといった論文でした。
そこでストレスをためない様に!なんて注意を促したのですが⋯ストレスを喫煙で解消してしまいますと、残念ながら肌は黒ずみ、さらに魅力を落としてしまうという結果になってしまいます。
さらに追い打ちをかける喫煙者にとって残酷な論文です
日焼けしない様に、紫外線対策を一生懸命しても今回の論文ではどうしても喫煙者の肌は非喫煙者に比べると黒ずんでしまっていました。さらに「美肌に良い」とされているビタミンや食べ物をたくさん摂っても結果は同じ。
喫煙者の肌は非喫煙者と比較して黒ずんでいる という結果には左右しませんでした。
このような臨床の疫学的研究で問題になるのは「因果関係」=「原因と結果」と「相関関係」がハッキリできないということです。
たまたま皮膚が黒ずんでいる人はタバコを吸う傾向がある、という仮定も成り立つのですが⋯。
じゃあどうすればよいのかな?禁煙しかない?
えーっと、できるだけ美肌を保つために「禁煙」をしていただくのが重要だと思います。タバコと肺がん、タバコと心血管障害の関係はあくまで「相関関係」であるとの主張もあります。
でも女性にとってはそんな将来のリスクより「今そこにある危機」の方が興味を持つのではないでしょうか?
ダメージを受けてしまった肌でも改善することは可能です。
ちょっと宣伝です。
当院の女性スタッフが家内工業的に手作りで作ったものですので、院長として載せないわけにいかないという私の立場もご理解ください。