今から20年前くらいにハワイで現地友人に会うためにオフィス街(クリニックも集中)を訪れた時、歯科クリニックは歯を白くする「ホワイトニング」の看板広告が乱立していました。
中には日本人旅行者を対象にした「ハワイ滞在中に歯を白くする」案内の広告も街角のマガジンボックスに並んでしました。
ホワイトニングって流行していますが⋯。
こんな感じの広告が氾濫していました
私が知る限りのその当時歯を白くする方法は研磨剤と呼ばれる成分の入った歯磨き粉で一生懸命歯を磨く方法、強力な酸化還元作用を利用した少し危険な方法等しかありませんでした。当時は「ブリーチング」と呼ばれていました。
清潔好きな日本人は江戸時代は房楊枝といって木の先端をブラシ状に加工して歯を磨いていたのです。
当時雑誌などでは「レモンで歯が白くなる」なんて紅茶にレモンを入れると色が薄くなることにひらめいたような、いい加減な記事もありました。試してみた中年以降の方も多いのではないでしょうか?今ならテレビの健康番組で取り上げられること、間違いないでしょね。
http://www.asahi.com/よりお借りしました
時代がたち、ホワイトニングするより歯並びも同時に治すインプラントやラミネートと呼ばれる白いプレートを歯にはりつける方法なども登場しています。プロユースですが、酸化還元作用を強くした方法もホームケアとして今では多くの方が知るところになっています。
食べ物で歯が白くなる
というより、歯を白くする働きがある成分を含んだ食べ物ってあるのでしょうか?探せばあるものですね。ネットをフラフラと散策して見つけました。
12種類の食べ物が歯を白くするというものです。「12 foods that naturally whiten your teeth」というタイトルです。
トップにはイチゴが掲載されていました。
アメリカ版ヤフーのショッピングサイトです。
出てくる食べ物は12種類
ナッツ・イチゴ・たまねぎ・リンゴ・セロリ・チーズ・牛乳・ヨーグルト・ブロッコリー・ニンジン・オレンジ・水
なんでナッツが?
ナッツが歯を白くする効果は「固いものをかむことにより汚れを落とす」ことが期待される作用だそうです。
野生の動物が食物繊維を囓って歯を綺麗にしているのと同じこと
- 玉ねぎはスナックに加工されたものは無色だから歯を汚さない
- セロリ・ニンジンは水分含有量がおおく、さらに唾液が分泌するのを促すので歯を綺麗にして白くするとのことです。
- チーズは歯と歯茎を丈夫にします⋯ホワイトニングと関係ないような このあたりから論調が変てこに
- 水は着色物を洗い流す⋯当たり前じゃん。因みにガス入りの水は歯のエナメル質を溶かす恐れがあるそうです。
なんて説明が延々12種類も出てきます。お暇な方はぜひご覧ください。
自然にあなたの歯を白くする12食品
なんか数が合わないぞ
水を食品として入れるか入れないかは別として、セロリとニンジンはひとまとめにしてある⋯つまり11種類に区別されています。
でも写真は12枚⋯一枚多いのです
その多い写真がこれ
12枚の写真の中に重層(ベーキングパウダ)も歯を白くするということです。マイルドな研磨剤の役目を果たすということでした。
しかし、ユーザーからは「重層は食品ではありません」という辛辣な投稿が多数あり笑ってしまった。
写真をクリックするとそれらの食品が購入できるシステムかと思いました。食品の中に歯磨き粉の写真を入れてクリックすると、それを購入できるサイトに移動する方式。でも、なんの反応もありません。
どなたかこの不思議なサイトの仕組みお教えいただけないでしょうか?
安全なホワイトニング
研磨剤で削る方法は頻回に行うと、歯を痛めてしまい知覚過敏の症状を起こしてしまいます。家庭で使用する歯磨きもなるべく通常は研磨剤が入っていないものを使い、たまに研磨剤入りのものを使うべきです。
でもホームケアにも限界がありますので、歯科医に相談することをお勧めします。当院の美意識の高い患者さんにお尋ねしたところ、数か月に一回歯科で定期的にクリーニングをしてもらい通常はジェル状のホワイトニング剤(過酸化水素がベースのものが多いようです)をしようして「白い歯」を保っているそうです。
自宅で美白ができる化粧品(精確には医薬部外品)でトラブルが発生したことはご存知だと思います。歯を白くする「ホワイトニング」も少なくとも一度は歯科医に相談されてから始めた方が良いのではないでしょうか?
食物でホワイトニング?しているうちは問題はないでしょうけど(笑)