カネボウは医薬部外品で問題が起こしたけど、同じような立場のトクホ(特定保健用食品)は安全なのか?

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特定保健用食品をトクホ(特保)と呼びますが、具体的にどんなものかをご存知でしょうか?なんとなく体によさそうな食品と思っていませんか?あるいは食べていることによって体が健康になる食品とのイメージもあるかと思います。

その認識でほんとうに大丈夫なのでしょうか?

特定保健用食品⋯略してトクホ

カネボウの場合、化粧品よりは効果があるけど、医薬品と比べると効果はいまひとつの「医薬部外品」が大問題を起こしましたよね。その当たりはマスメディアによってご存じだと思いますが、ブログにもまとめましたのでお時間があればご覧ください。

特保は名前からすると厚生労働省の管轄下にあるような気がしていたのですが、このマークを管理しているのは消費者庁なのです。しかし微妙に厚生労働省もからんでいます。

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            恥ずかしながら私もよくわからん!あとで説明しますね。

               今現在見られるものはこれです
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          躍動感に富んで元気になるイメージを表したなかなかのデザインです。

          でも以前は厚生労働省の管轄にあった記憶があるのですが⋯。

厚生労働省⇒消費者庁に変わっていた

健康に関する問題なので当然厚生労働省が管理しているものだと思っていたのですが、家にあるトクホの食品を見てみると上記のように「消費者庁許可」と物々しい文字が印刷されています。調べて分かったのですが、2009年9月から特定保健用食品の許可を担当するのが、厚労省から消費者庁に移っていたのです。

               やっぱりありました。以前はこれでした
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特保自体が1991年に制定された制度ですが、最初は厚生労働省が許可しているマークでした。それが2009年に消費者庁が設立されたのをきっかけとしてそちらに移管されていたのでした。

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                    この様になっていたのですね。

前置きが長くなりましたが特保とは

特保の特徴は健康面に対する効果を表示することが出来るのです。つまりこの食品を食べると
血圧が正常を保ちますよ、コレステロールが正常に保つことを補助しますよ、おなかの調子が整いますよと食品を広告宣伝することが可能になるのです。もちろん消費者庁様のお墨付きで。

因みに治りますよ!と表現するとアウトらしいです。その為効果を表す表現は何とはなしに微妙になっています。
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食品衛生の窓 東京都の食品安全情報サイトより

これ注意しないといけないのですが、トクホは消費者庁のもとで安全性試験が義務付けられています。しかし、医薬品は10年以上の長い年月をかけて安全性を確かめています(残念ながらそれでも副作用被害はでてしまいます)。トクホの安全性試験はそこまで長期に渡ったものではないのです。

そのくせ小さな字で「治療中の方は医師にご相談ください」なんて書いてあります。医師であるこっちは特保の成分なんて特に教えてもらって無いんですけど。

さらに難しい話がでてきた

特保のほかに栄養機能食品という分類もあります。これは不規則な食生活の為に必要な栄養素が取れない人が栄養を補給するための目安とする成分の機能を表示することのできるものを指します。

消費者庁の許可を受けている食品ではありませんので現時点でお墨付きマークはありません。
栄養機能食品のラベルには例えばこの様に表示されています。
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栄養機能食品は分類しただけであって、消費者庁・厚生労働省が認可・許可したわけじゃないよ、ということを都のHPでは強調し、東京都は消費者を気遣ってくれています。

どっかで見た図式だ!

今までの話をまとめると保健機能食品の中で栄養機能食品と特定保健用食品に分けて考えられています。

あまり効果ない<少し効果ある<<効果ある

このように分類すると

栄養機能食品 < 特定保健用食品 << 医薬品
となります。
化粧品 < 医薬部外品 << 医薬品
という図式と全く同じような考え方をしています。
つまり

効果・効能はしてはダメ⋯栄養機能食品・化粧品
すこしなら効き目を表示していいよ⋯特定保健用食品
効果・効能をしっかり表示していいよ⋯医薬品
ということなのです。上記シッカリ憶えてください!
因みに健康食品は一般の食品となんら変わりない扱いのものです。

広告するときの注意はとして「特定保健用食品」適正広告自主基準を作っているところもあります。
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http://www.cao.go.jp/consumer/iinkai/2011/048/doc/048_110225_shiryou2-2.pdfより

トクホにトラブルはないのか?

実はカネボウの医薬部外品による白斑問題と同じように、トクホでも問題が生じていました。1999年以降花王(←注目)から発売されていた「エコナ」という食用油が問題を起こしていました。

「健康エコナクッキングオイル」として特定保健用食品(その当時は厚生省管轄)として認められており中性脂肪が上昇しない為、脂肪がつきにくい食用油として大々的に販売されていました。ところが成分中のグリシドール脂肪酸エステルがドイツの研究機関によって発がん性の危険性が指摘されました。

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       花王HPhttp://www.kao.co.jp/econa/より

当時、厚労省は販売中止命令などは出さなかったために、花王が自主的に販売を中止して、自主回収を行いました。

あれ、これって今回の白斑が出た医薬部外品と同じじゃん❗

さらにカネボウって花王の子会社ですよね⋯。
前述の「特定保健用食品」適正広告自主基準って実は花王の社内文書です。

調べての感想です

医薬部外品と同じように、そのうちトクホでも問題が生じるのではないでしょうか?消費者は限りなく「体にいい食品」のイメージを特保に持っていると思われます。

販売側はいかに消費者のニーズを満たすか、が特保の売りになってくる、つまり限りなく企業努力によって効果を出そうとするはずです。

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JMR生活総合研究所マーケティングサイトよりお借りしました

あくまで私の個人的な考えとしてですが、変てこな化学薬品や異常な量の農薬などが使用されていなければ食品つまり食べ物は美味しければOK。もちろん妊婦さんや子供はより安全な食品を選ぶ必要はあります。

薬は病気を治すものと症状を抑えるものがあります。病気になったら薬を、病気にならにようには美味しくて栄養のあるものを食べる。これでいいんじゃないですか?

薬以外の口にするもので症状や病気を治す、という考え方は栄養機能食品・特定保健用食品という保健機能食品のことを十分理解してから利用することをお薦めします。

とブログを書いている私ですが、横に置いてある飲み物は黒烏龍茶(サントリー)です。チョッと中性脂肪が高めなのでと言い訳(汗)。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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