コーヒーを1日4杯以上のむと全死亡リスクが上昇するというショッキングな記事がサウスカロライナ大学の調査で発表されて、マスメディアを騒がせています。
本記事の内容
コーヒー消費量と全原因および心血管疾患死亡率との関連性
「Association of Coffee Consumption With All-Cause and Cardiovascular Disease Mortality」というタイトルでメイヨークリニックが出すオンライン上の論文に掲載されています。(Mayo Clinic Proceedings published online 19 August 2013)
今までコーヒーを飲んでいるとある種のがんのリスクが減るという論文が知られていただけにショッキングな内容となっています。
今までに知られているコーヒーの利点
- 抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれている
- 1日に3杯以上のコーヒーを飲む人は、そうでない人と比べて死亡率が低いとの報告がある
- コーヒーを1日2杯以上飲む人は「シミ」が少ないとの報告がある
- メタボの原因である内蔵脂肪を減少させる
- カフェインには炎症を抑える効果がある
- 一定以上のコーヒーを飲む人は大腸がんのリスクが減少する
- 前立腺がん、子宮がんのリスクを減らすという報告がある
等、妊婦さんのカフェインの悪影響を除けば、良い報告が続いていただけに今回の論文は疑って読まなければなりません。
4万3,727人を対象としてコーヒーと死亡の関連を調査
調査は大規模コホート調査であるAerobics Center Longitudinal Study(ACLS)に登録してある4万3,727人を対象としてコーヒーと死亡の関連を調べたものです。
上記論文より
調査の方法
1週間当たりコーヒーを何杯飲むかを、20歳-87歳の男女に尋ねました。コーヒー摂取量は理由は不明ですが、0杯・7杯・8-14杯・15-22杯・22-27杯・28杯以上を分けて調べました。
結果
- 追跡期間(1971年-2002年)の間に2512人が死亡していた
- 死亡者のうち32%は心血管疾患(CVD)が原因であった
- 男性に限っていえばコーヒーの摂取量が多ければ多いほど死亡リスクが高まった
- 女性ではすべての死亡および心血管疾患と死亡リスクに関連は無かった
上記のような結果が得られました。
数字だけみるとゾッとする結果ですが、あまり焦らなくて大丈夫ですよ
ショッキングな論文ですが、よくよく読んでみると対象年齢を55歳未満に限ってみてみるとコーヒーを飲む量と全死亡リスクの上昇と関連がありましたが、その量は週に28杯以上のむ人の場合だけでした。
結構な量だとおもいます、1週間に28杯以上⋯つまり1日杯以上コーヒーを飲むということは。
55歳以上の場合、コーヒーを飲む量と死亡リスクは男女ともに関連性があるとは判断できない結果が出ています。
上記論文の解析結果です
私なりの解釈、変でしょうか?
今回の論文はメイヨークリニックというアメリカの超一流の病院によって発表されたものですが、論文が掲載されているのはオンライン版と言ってどちらかというと掲載基準が甘いものでした。
あと主筆者のJunxiu Liu医師ですが、少なくとも私が調べた限りでは医学論文を他に発表した形跡がありませんでした。もちろんデビュー作が大ヒットすること可能性もあるわけですが⋯。
当然のこととして他の研究者によって追試やデータの再検討が行われることが予想されます。
カフェインの作用を必要とするために、コーヒーを頻回に飲むようなストレスがかかるような生活をしている55歳未満の人は死亡リスク、特に心血管系の病気に気を付けましょうという結論も導かれる⋯という考え方をしてしまうのは私だけでしょうか?
ちなみに私は55歳未満ですがコーヒーは一日4杯以上飲んでいます。