大丈夫かPM2.5は⋯大気汚染でも自閉症の発症リスクが上昇。

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喫煙および受動喫煙が妊婦さんへ与える影響つまり胎児に悪影響を与えることはみなさんご存知だと思われます。また、妊婦さんが口にする食べ物も胎児に大きな影響を与えることは当然のことです。

なにも喫煙だけがリスクを増やすわけではない

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中国の大気汚染の様子です。pm2.5の問題は以前ブログで書きました

では、日本で近年はそれほど問題にはなっていませんが、お隣の中国では大問題になっている大気汚染は日本にも影響を及ぼしています。
米国によって大気汚染は胎児に対してどんな影響を及ぼすのかを調べた大規模な調査が行われました。

自閉症のリスクが二倍になる

ハーバード大学の公衆衛生学部のAndrea L.Roberts氏らによって22000例のデータが集められ論文が発表されました。「Perinatal Air Pollutant Exposures and Autism Spectrum Disorder in the
Children of Nurses’ Health Study II Participants」というタイトルでEnvironmental Health Perspectivesの2013年8月号の掲載されています。

ディーゼルの排気ガスや鉛、水銀なのの大気汚染は乳児の脳の働きや発達に影響を及ぼすことは以前から知られていた事実です。アメリカでは今までも大気汚染と小児の自閉症のリスクの関連を指摘した論文がありましたが、特定地域のものでありデータが偏っているとの指摘がありました。

今回の調査は22000以上のデータを出産時に住んでいた地域の大気汚染の状態と生まれてきた子供の自閉症発症リスクを大気汚染ごとの調査したものです。

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上記論文より

その結果はASD発症のリスクがディーゼル排気物質と水銀の影響によって2倍になるという結果が得られえました。

データは厳密に調整されています

このデータは収入や教育レベル、また喫煙などの因子を調整したあと解析してあります。データの解析はどうしてもある程度の偏りや影響を与える因子の処理に問題があるために、間違った結果を導いてしまうことがあります。

しかし、今回のプロジェクトは今までのそのようなデータの解析の不安定さを最初から意識したものであるので、解析結果は現在のところ正しいものであると判断して間違いないと思います。

経済発展か?国民の健康か?

高度経済成長期に生まれ育った私たちの世代はどうなちゃうのでしょう
か?環境問題より経済成長が優先された時代がこの日本にもあったことは事実です。しかし、公害と呼ばれる現象が本当に悪さをしているか、、またその悪影響自体を国民が深く理解していなかった時代でもあったのです。

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これはPM2.5の影響図です

しかし、世界中でこのような大気汚染の悪影響が研究され因果関係がはっきりしてきているのにお隣の中国では積極的な政策・施策が取られているのか不明です。

隣国である日本にも汚染された大気が押し寄せている事実もありますので、経済発展だけなく国民の健康問題も真剣に考えていかなければ先進国の仲間入りは当分難しいことを早く自覚してもらいたいと思います。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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