ダイエット・健康の悪役 トンカツを無理やり擁護してみます

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私の周囲には予想以上にトンカツ愛好者がいます。

そんなトンカツ大好きな皆様のリクエストにお応えしてなんとかデータを弄繰り回してトンカツをかばってみます。尚、データの解釈にはバイアスが掛かっていますから本気の突っ込みは禁止とします。既存のデータを活用しておりデータのねつ造は某京都医大の様なことは一切しておりません。

そもそものトンカツの何が問題なのか?

トンカツの問題点は

  1. 豚肉のカロリー
  2. 美味しさのポイントの脂身
  3. プロが揚げる時に使用するラード

以上の3点が悪役にされているポイントだと考えます。

こんな食事は健康によくありませんよ、ダイエットの敵ですよという内容のHPや雑誌でも最初から悪役にも指定されていません。つまり、誰が見ても健康によくないから目の敵にもされていないのです。<b>「常識から考えていいわけないじゃん」的な見方をされているのですね。

豚肉のカロリー

  • ロース肉 100グラム 200カロリー
  • ヒレ肉  100グラム 115カロリー

そこで豚肉を有利にするデータ見つけました!

  • 牛肉ロース 100グラム 411カロリー
  • 牛肉ばら肉 100グラム 517カロリー

なんと豚肉より牛肉の方がダントツカロリーが高いのです。ということはステーキを我慢すればトンカツにありつける可能性が出てきました。

美味しさのポイントの脂身はどうでしょうか?

豚肉の脂をラードと言います。ラードのカロリーはどうでしょうか?

  • ラード100グラム   941カロリー

一方牛肉の脂はヘットと言います

  • ヘット100グラム   940カロリー

プロが使う美味しさのポイント 揚げる油は?

植物油のカロリーはどうでしょうか?

  • オリーブ油 100グラム 921カロリー
  • ごま油   100グラム 921カロリー

以下植物系は  100グラム 921カロリーが殆どです

カロリーを中心に考えると揚げ物に使用する油はラードを使おうが、サラダ油を使おうが差はありませんでした。トンカツを食べられる可能性が少し高まりました!

以前健康志向はが選んだ「エ〇ナ」が問題を含んでいたのは記憶にあると思います。トランス脂肪酸が多く含まれていたのです。欧米なら即アウトの物質です。

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また動物性の油脂は植物脂と比較して酸化しにくいのです。ご存じのように酸化した油脂は活性酸素のように強い酸化作用を人体に及ぼすのです。

特に加齢による老化を気にしている人は活性酸素という言葉に敏感に反応すると思いますが、人体が老化するという現象は活性酸素によって人間の体が鉄同様に錆びる点が問題とされています。

かなり健康面でトンカツが有利になってきました。

オレイン酸

栄養がもっともあるとされている母乳の脂肪は30パーセントがオレイン酸によって構成されています。一方悪役のラードの脂のなんと50パーセントはオレイン酸なのです。オレイン酸は不飽和脂肪酸のひとつですが、二重結合が一つなので酸化されにくいという特徴があります。

オレイン酸のオレインの語源はオリーブから来ています。つまりオリーブオイルが体にいいのと同じようにラードは体にいいのです。 (少し強引か?)アメリカ心臓病学会は飽和脂肪酸とトランス脂肪酸を不飽和脂肪酸を含む食べ物に替えるべきであると報告しています。

因みに飽和脂肪酸の多い食品は

ヤシ油⇒ココナッツ⇒バター⇒パーム油⇒ヘット⇒ラード

の順になっています。

トランス脂肪酸を多く含む食品は

牛脂⇒食用調合油⇒バター⇒ラード

となっています

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農林水産省のHPより

他の栄養はどうだろう

豚肉にビタミンB1が多く含まれています。炭水化物は通常エネルギーとなるためにブドウ糖となって人間の活動の役に立っていますが、この時ビタミンB1が必要となってきます。もしビタミンB1が足りなかったらブドウ糖はエネルギーにならないで疲労物質として有名な乳酸になってしまうのです。

tonkatu_2

キッコーマンHPより

つまり豚肉によって炭水化物はブドウ糖がエネルギーとなって消費されることになります⋯ダイエットの敵、炭水化物をエネルギーとして消化する事を助けるとも考えられます。

さらにコレステロールの含有量は豚肉は鶏のササミの次に低コレステロールなのです!

トンカツのカロリーは果たして

ダイエットをするとき必ず出てくる言葉でGI値というものがあります。グリセミック指数(glycemic index) というもので

炭水化物⇒糖

に変化するときに血糖値が上昇しますが、食品によって上がり方に差があることに注目したものです。GI値が高いものほど血糖値が上昇しやすいので、糖尿病の方は注意が必要でしょう。またこれを基礎としたダイエット法が低インスリンダイエットです。血糖値の上昇が穏やかなGI値の低い食品を取ることによって余計なグリコーゲンが体内に取り込まれて脂肪にならないようにするものです。

豚肉    GI値46

なんと豚肉は低GI食だったのです。

結論

トンカツってそれほど健康・肥満に悪くは無いんじゃないの?私は食べます(笑)

トンカツに良いデータのみバイアスをかけて書いておりますので、ご自分で調べてから可否を判断してください。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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