ここでいうごはんとは夕食を夕ご飯という場合のご飯ではなく、お米のこと。
よく外来で「ご飯は何時くらいに食べましたか?」と採血時などに尋ねますが、「ご飯は食べないんです。うちはパン食なんで」というトンチンカンな会話を医師なら経験していると思います。
常に悪役のごはん
ついついご飯=お米ということになっているのですが、逆にいうと日本人にとっての食事とは「米を食べる」ということだったのです。しかし、なにかにつけお米は健康に対しての悪役にさせられているようです。低インシュリンダイエットというものが一時期流行りました、そして今は糖質制限ダイエットです。
とにかくダイエットの敵⇒お米という図式が出来上がっています。そこで本当にお米は悪い奴なのか、検討をしてみました。
お米をもっと知ろう!
いきなり弱気の発言になってしまいましたが、カロリー計算をもとに考えて見ます。全ての食べ物をカロリーで計算するのはいかがなものか?という考え方も最近では出ていますが、糖質はエネルギーの元ですので、エネルギーを表すにもっとも適しているのはカロリーですのでここはカロリーで考えていきます(少し強引に見えますが、よく読むと合理的判断です)。
炭水化物(糖質)は発生するエネルギーは
1グラム=4キロカロリー
を基本と考えていきます
ご飯一膳は約140グラム⋯235キロカロリーとなっています。
食パン1枚は(6枚きり)⋯177キロカロリー
じゃ、食品のカロリーってどうやって算出するかご存知ですか?ボンブ熱量計という実際に試料を発火させてその熱量がどれだけ水の温度を上昇させるかを測定してカロリーを計算します。
でもそこで測定されたカロリーを含んだ食品はすべて消化されて体内に吸収されるわけではないので、食べ物のカロリー=体内に入ったカロリーではないのです。そこでエネルギー換算係数というものが定められました。炭水化物の物理的な燃焼エネルギーは4.1キロカロリーですが、消化吸収率は97パーセントとなっていますので、4.1×0.97=4 つまり1gは4キロカロリーとなったのです。
実は上記のように玄米だからカロリーが少ないというのもほんの少しの誤差に見えるのは私だけですか?一応科学技術庁の資料から借りたものですが⋯・。
別に私が白いご飯が好きで、玄米ご飯が嫌いだからそのように見えるわけではないですよね。
ご飯(お米)ってこんな感じの食べ物なのです。
でも、糖尿病にはよくないみたい
今度はいきなり弱気の発現です。GI値って聞いたことありますよね。低インスリンダイエットで盛んに出てきた用語です。これはどんな食べ物を食べるとインスリンがどの様な出方をするかという目安です。
ザックリ説明ですが、インスリンは膵臓から分泌されて血糖を体内に取り込む働きをします。余分な血糖つまり血液中のグルコースを体内に取り込むのですから、当然血液中のグルコースは減ります=血糖下がります
よって糖尿改善します、という図式が成り立ちます。
これによりますと、白米は高GI値の食品ですので、食後に一気にインスリンが分泌されて血糖値が下がっていいように思われますが⋯取り込んだグルコースは脂肪になりやすいので、ダイエットの敵です!とここでは悪役にされています。
このようにイッキに血糖を挙げますので、よろしくないとのことです。
でもいくらなんでも、ゆっくり血糖値が上がる低GIのものならバンバン食べてOKというのは、結局カロリーオーバーになってしまうと思ってしまうのは私だけでしょうか?また、この図にある低GI食品ってもともと炭水化物が少ない、又はほとんどない食品を並べているのです。炭水化物を多く含む食品同士を比較するなら理解できるのですが。
私なりの結論
白米は糖尿病の方はなるべく控えましょう!血糖値を急激に上げてしまいますし、急激にインスリンが分泌されるのは肥満の原因にもなります。でも、ダイエットだけを考えた場合はそんなに悪役ではないのではないでしょうか。