PRP注入療法 聞きなれない治療法ですが⋯。

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上記を略してprp注入療法と呼ばれる治療方法があります。日本語だと「自己多血小板血漿」訳します。自分の血液を利用して得られる一般の血液より多量の血小板を含んだ液体を美容の治療に利用する方法です。この治療法自体は糖尿病によって損傷した皮膚の早期回復や褥瘡の治療に使われていました。その傷が早く治ることに注目したのが、常に新しい治療の可能性を貪欲に模索している美容医療業界です。

2006年頃から老化した皮膚に利用されだしました。この治療方法の優れた点は自分の血液を使用しますので、アレルギー反応や異物反応を起こす危険が全く無いことが挙げられます。当院では日本登場直後より採用しており中々の効果を上げておりますのでご紹介します。

傷を治す成分の血小板を利用したPRP治療

PRPはplatelet rich plasmaを略した美容治療の方法です。血液の中には血小板とよばれる成分が含まれています。一般的には血を止める作用があることが知られていると思います。このprpには高濃度の血小板だけではなく、各種の成長因子が含まれている為に、傷を治す力である創傷治癒能力が非常に高くなっています。ただの血液ではここまでの能力は示しません。特殊なキットを使用して遠心分離という操作を加えることにより得られます。血小板の効果はこのようになっています。

PRPの効果

ただ、遠心分離機にかけるだけでは、効果的な成分を得ることはできません。当院ではMyCellSのPRP作製キットを使用しています。

2021年現在、当院は再生医療法にしたがってMyCellS以外の機器を採用し、高濃度PRPを使用する医療機関として厚生労働省に届け出ています。

PRP治療はどんな症状に効果があるか?

大きなシワには無理です。また大きなシワに効果的な他の方法があるので、当院では選択肢としていません。代表的な得意な部分は目の周囲のちりめんジワ、口周囲の小皺と考えています。

当院がPRP療法が適すると判断している部位・症状

PRPで治療可能な部位・症状と適していない部位と症状をお伝えします。

  • 口の周りの小じわ
  • 目の周りの小じわ
  • 皮膚全体の張り⋯顔の皮膚自体若返り

適さないと判断している部位・症状

  • ほうれい線
  • おでこのシワ
  • フェイスラインの改善

適さない部位や症状については、他の治療方法をおすすめしています。確実性がありますので。

PRP療法の実際の治療の流れ

まず、静脈から採血をさせていただきます。血液検査の時と同じですね。その血液を例のキットの試験管にいれて遠心分離機で12分間、するとこのような状態のPRPが得られます

試験管中のPRP

この上澄みはPPPと呼ばれ今回は破棄します⋯今回はというのはこのPPPを使用した治療法もありますので、次の機会にご紹介しますね。

下に淀んだ血液を吸い取らないように注意深く、PRPを注射器で吸い取って、治療箇所に注入するとこのような仕上がりになります。

PRPの症例

上記は久保田潤一郎先生の貴重なお写真をお借りしています。

一般の先生がこの流れをご覧になって、自分でもできる!と思われるとかなり危険です。なぜなら、遠心分離器の回転数、どのくらいの血液を採取すればいいか、キットに含まれている成分の組み合わせによって全く効果が無いことが起こります。また、上面の理解で上記操作をして更にこんな薬・成分を入れるともっと効果がでると判断して大失敗をした例を私たちは知っています。この治療法に興味のある医療関係者はぜひとも久保田先生にお問い合わせいただき、治療の医学的な裏付け・理論と実施方法を学んでください。ACR研究会という会にご参加いただければ多くの情報があつまって、患者さんに素晴らしい治療を提供することが可能になります。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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