以前、ブログで女性を聴診するときブラジャーを外してもらうか、否かの論議が医師間であることをお伝えしました。
さらに調べてみると現実に訴訟になっている案件がいくつかあるようです。
わたしの心配が現実化していました
日経メディカルという医師向けの雑誌で「異次元訴訟」という言葉で取り上げています。異次元訴訟の定義(?)は診断や治療の過失を取り上げたものではなく、思いがけない点をついた訴訟です。
訴訟自体は減少傾向ですが、理不尽な訴訟の増加が医療サイドの主張です。
医療訴訟といえば新聞等のマスコミで報道されるのは治療に対する医師の過失が問われるものが多いと思います。以前は明らかに医師側がミスを隠匿したような悪質なものでしたが、近年医師側の判断や医師側の治療体勢に疑問を投げかけた訴訟もあり、善悪の判断が難しいものもあります。しかし、モンスター患者と呼ばれる現象が起きてきて、誰が見ても理不尽な訴訟が最近増加傾向にあるとの考えが医師サイドにあります。例えばこれもブログでとりあげましたが、余命告知問題です。しかし、この雑誌でトップに挙げられている事例は医師性善説に偏っているように私には思えました。医師側にまったく問題がなかったと言えるでしょうか?
わいせつ系が目につきます
世の中には変態医者がいることは否定しません。しかし、どんな職業でも変態は潜んでいるのは当然のことでしょう。医療は体を見る視診、体に触れる触診、音を聞く聴診が精密検査の前に行われる当然の医療行為です。聴診時に心音を正確に聴くにはブラジャーが邪魔をするので、ブラジャーを取ってもらうことが基本ですが、それさえも医師側は躊躇している現状があります。訴訟になったのですが、無罪になったものとして
・写真の取り違えを防ぐために患者さんの写真を顔付で撮影
→下半身も同一フレームで撮影したため、わいせつ行為で産婦人科医が訴 えられた
→写真撮影は取り違い防止のため、として無罪。看護師等の供述より患者 側の訴えの信ぴょう性に疑問があった。
・精神科医が副作用の確認のために患者の胸部を触った
→準強制わいせつ罪で訴えられた
→医師の行為がわいせつとは認められなかった
上記2例が診療行為がセクハラとして、患者さんに訴えられたが無罪になっています。
医師側のリスクマネージメントが取り上げられています
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Care Netという医師向けのサイトからお借りしました
でも、すでに判決がでたものに対して意見を述べることは本来ならば控えるとことですが、この雑誌自体は医師側に立ったものですから、私的には必ずしも上記の行為が必要あったのか、実は疑問を持っています。患者さんの取り間違いを防ぐなら下半身の撮影をするときは、カルテ番号を記入したメモを下半身の横にでも置いて撮影すればいいのではないでしょうか?詳細はわかりませんが、精神科系で処方される薬の副作用で乳汁の分泌が起こるものがありますが、触診しなくてもいいような気がします。乳腺炎などの診断は患者さんの手間を取らせることにはなりますが、婦人科を受診してもらって判断した方が良かったのではないでしょうか?精神科の医師が乳房の触診に熟練しているとは思えませんので。この2つの裁判における詳細な情報はありませんが、記事から読み込める情報から判断して医師側に隙があったのは否定できないと思います。
☆一番怖いのは地域で広がる噂です
幸いにして二人の医師は無罪を勝ち取りましたが、訴えた側は地元の人でしょうし、家族もいると思います。友人・知人もいるでしょう。破廉恥事件ですので自分で言いふらすことないでしょうが、このような話はどこからともなく広まっていくものです。開業医であったら患者さんが激減することが予想されます。
当院の方針
ご存知のように当院は一般の保険診療と美容系の自由診療を行っています。美容系の治療はその時点ではブームで多くの患者さんの来院が予想されるような施術・医療機器が存在します。しかし、当院では十分に安全性が確保されているか、費用に見合った効果があるかの判断にかなりの時間をかけて正式採用しています。それは美容で悪いイメージを受けた患者さんが出現した場合、その患者さんの家族・友人が一般診察で来院している可能性が大きいので、悪いイメージを受けた患者さんの周囲の方が当院を避けるリスクがあるためです。とにかく全ての診療に慎重に対応することが当院の基本姿勢です。スリムスペックなどは本邦初で導入しましたが、実際に稼働している欧米の評判・安全性・効果をかなりの時間をかけて調査してからの採用でした。おかげさまでトラブルもなく、今日も順調に稼働しております。