医療広告ネットパトロールってご存知でしょうか?
本記事の内容
怪しい広告を見つけた場合は医療機関ネットパトロール、のはずなんですけど⋯
ネットに溢れかえるインチキくさい医療機関の広告を取り締まる厚生労働省が事業者(これはどこか不明)に委託した事業です画期的なことと多くのネット系メディアでは取り上げられています。
このウェブサイトを利用して通報することが推奨されているのですが、いくつか気になる点があります。
医療機関ネットパトロールのユーザビリティの悪さは下記のブログで指摘しました。
さらなる気になる点としてこんなことが挙げられます。
●ドメインが雑であり(英語のパトロールのエルが一個多い)、URLがgo.jpで終わっていなくて、誰でも手軽に取得できるcomになっている。go.jpだったらgoはガバメントを意味して政府が関わっているサイトだと一目瞭然
お名前.comでドメイン登録はプロっぽい人だと笑っちゃうかも。
●医療広告が問題になっていることには詳しくなくても、ネットに詳しい人だと、これって本当に公的機関がやっているのと不安を感じる
こんな例もあります「偽ふるさと納税サイトに注意を」 ふるさと納税のサイトを真似た偽サイトが見つかり、ふるさと納税をしたはずなのに返礼品が届かない、という事件がありました。
●サイト構築だけをこの会社が請け負っているとしても、SSL化されていないために色々な意味で不安に感じる。早急にhttpsにしていただきたい
通信内容が暗号化されていないと諸問題が発生する可能性は否定できないと思います。専門家の手を借りれば簡単にSSL化できるはずです。当院のサイトでさえ暗号化しているのですから。
●医療機関のホームページを制作している会社が、ホームページを監視するサイトを制作している
これはドメインの所有者が某ウェブ系会社であることはWHOISにて確認、実際のサイト製作を請け負ったかは不明です。さらに誤解があるといけないので、記載しておきますが、まさか内部におけるチェック等に関わっている、なんてことはないとは思います。
https://medical-reserve.co.jp/homepage/より
この辺りの諸問題、私のようにWordPressをいじれる程度のウェブ素人だと判別できないので、専門家の検証をお願いしたいと思います。
厚生労働省の委託事業の医療機関ネットパトロール、投げっぱなし状態はまさにお役所仕事。こんな理由にて、私はこれはどうよ的なサイトを見つけても、医療機関ネットパトロールを使うを躊躇してしまいます。
医療機関を受診して不利益を、そんな場合はどこ相談すればいいのか?
医療機関を受診した場合患者さんは様々な理由で不平・不満が生ずると思います。一番多い苦情の一つとして待ち時間問題がありますよね、この問題は様々な工夫がなされているのですが、まだまだ解消には至っていません。
こんなサービスがあるのはご存知でしょうか→医療安全支援センター総合支援事業(http://www.anzen-shien.jp/business/index.html)。
これは東京大学の医療安全管理学講座が厚生労働省の後押しを受けて行なっているもので、医療法第6条の13に従い、医療機関に対する苦情を受け付けています。
しかし、
ここへ医療機関の苦情を申し立てるとしたら、かなり面倒❗
と感じる方が多いと思われます。
ここでその医療機関がある場所をクリック。例えば私のクリニックのある東京をクリックすると
これが表示されました。電話で苦情を申し立てようとして「受付方法」の電話の欄を見てみると電話番号が表示されています。
これは東京都福祉保健局の電話番号ですね。しかし、電話は苦手、って方も今の時代には多いはず。
そうなるとメールで相談というか苦情を申し立てるとなると
ここをクリックするんじゃないでしょうか。ここをクリックするとあれあれ、またもや例の東京都福祉保健局のサイトに飛ばされ結局電話相談、ってことになります。
電話だと自分の身元を明かさないといけないから嫌だ、と感じて結局苦情を申し立てられないで断念、って人も多いんじゃないのかなあ⋯。
原則的には医療機関の苦情は管轄の保健所が対応してくれますが、医療機関と保健所って強いつながりがあって自分の身元がバレるんじゃないかと不安になって断念する方もいると予想します。
公的機関は悪口は受け付けません。そうなるとクチコミサイトに悪口を投稿、ってことになっちゃうのです(涙目)。
インチキサプリで騙された場合は厚生労働省に直訴⁉
聞くところによると「このサプリでがんも治ります」なんてインチキセールストークで販売されている健康食品もあるようです。そんなインチキ商品を藁をも掴む心理状態で手を出してしまう人があとを絶ちません。
冷静になって騙された❗って場合はどこの相談すればいいのでしょうか?多分、警察に相談しても相手にしてくれないと思います(民事不介入の原則)。
お金に余裕があったり、世故に長けた人は弁護士さんのお世話になって、販売したインチキ業者と対峙することもできますが、一般の方にはかなりハードルが高いかと。
そんな場合は厚生労働省の「医薬品医療機器等法違反の疑いがあるインターネットサイトの情報をお寄せください」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/topics/tp131111-01_1.html)を利用するって方法もあります。このサイトにたどり着ける人はごくごく稀なくらい目立ちませんけど。
でもこのサイトの内容をよく読むと「あやしいヤクブツ連絡ネット」とか「厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課にメールで連絡」とか書かれていて、サプリメントの件について対応してくれるか不安になります。
メールで相談できる点は医療安全支援センターよりは優れていると評価できますが、なんせいきなり厚生労働省にメールで直訴かよ、とちょいとひるんでしまいませんか?
さらにメールのテンプレートをみるとこっちの身元を明らかにする必要もあるようです。
そんなこんなで医療機関に対する苦情は保健所へ電話、危なっかしいサプリは厚生労働省に身元を明らかにしてメール、ってことになるようです。なんとなーく、敷居が高くて気軽に苦情を相談できる環境はまだまだ整っていないように思われます。
そこで強い味方が独立行政法人国民生活センターだと私は判断しています。でも、これも若干問題が⋯。
最強の団体は独立行政法人国民生活センター❗
一般的に国民生活センターと呼ばれる消費者の苦情を受け付けている消費者庁の管轄の組織があります。正式名は独立行政法人国民生活センターでサイトはこちら。
トップページに「お昼の消費生活相談窓口」というのがあり、そこをクリックすると電話で相談を受け付けてくれることがわかります。
残念ながらメールでの受付はしていません。
しかし、インチキサプリで健康被害が出た、とかインチキサプリを強引に売りつけられた、とかの苦情に関しては懇切丁寧に対応していくれていることが「相談事例・判例」というページを見れば理解できます。
しかし、最強の味方である国民生活センターに相談するにあたって、これまた高いハードルが存在しています。というのも、相談する場合の条件として氏名、住所(市区町村まで)、電話番号、性別、年齢、職業などを告げる必要があるからです。
国民生活センターが取り上げた案件はそれこそ警察の捜査のようにガッチガチに周囲の状況、事実を把握して反論の余地がないほどの証拠を集めて業者名を公表します。苦情を言いました、ハイすぐに対応します、とはいかないことをご承知おきくださいませ。
まあ、どうでもいいや案件や同業者の嫌がらせや真偽の不明な苦情を排除するために必要な処置なんでしょう。
本当にお困りの方は国民生活センターを利用することをお勧めいたします。